利休百首その13 濃茶には湯加減熱く服は尚ほ
「利休百首」は茶の湯の作法や礼儀を100の和歌の形式でまとめられており、茶の湯の実践者だけでなく、初心者にも参考になるものです。
この利休百首を今、ひとつひとつ読み返していて、このnoteには感想や、この歌にまつわるエピソードを残しています。よかったらお付き合いください。
濃茶の服加減を身につけるには、繰り返し濃茶を練ることに限る。
前の歌でおいしい濃茶を練るためのやさしい手ほどきを受けたかと思いきや、今回は「とにかく、練ろ」と突き放された気分になる歌です。
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「お服加減はいかがでしょうか」
お点前で、お客様が濃茶をひと口召し上がったときにこう声をかけると思います。
「大変おいしゅうございます」と返事をしてくれるものと思っているので、
もしここで「練りが足りておりません」と言われても、どう返せばよいか分かりません。
この歌では、この「服加減」を身につけるためには、実際に何度も茶を練って体得することが重要だとされています。
あらゆる場面で礼儀作法が定められるお茶の世界では、この「加減」が求められることが少なくありません。
いろいろと注文が多い割に、重要なことは自分で判断しなければならないという、世の道理を教えてくれているような気がします。