トリチウム水放出狂騒曲 ネタバレ
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そっか、こういう冗談が通じない人もいるのね。反省反省。
真面目に話をするなら、放射能(を持つ放射性物質)は太陽がある限り存在します。
ちょっと専門的な話を許してもらえるなら、太陽は大部分が水素から出来ており残りはほぼヘリウムで出来ています。そこで核融合を起こして、エネルギーやら放射線やら陽電子やらを放出しております。
放射線の大半は地球の磁気で減衰されていますが、それが窒素14にぶち当たるとトリチウム(水素3)と炭素12に分かれます。酸素(酸素16)に当たるとトリチウムと窒素14に変わります。
大気の七割方が窒素14なので抜けて来た放射線はあらかたトリチウムと炭素12に変わります。
地球全体で見ると7京ベクレルのトリチウムが生成されているそうです。ちょっと多すぎてわかりにくいので兆に換算すると7万兆ベクレル?億に変換すると7億億ベクレル?なんか早口言葉かなんかを作っているような気がしてきました。
何千ベクレルという量は、これに比べたら決定的に少ないような気がしてきますね。
カリウム40は大気中に1%ぐらい存在するアルゴン40に太陽の放射線が当たる事によって出来る訳なんですけど、それは全体からみたらほんの少しであって、花崗岩つまり岩石の中にいっぱい存在します。花崗岩は意外に線量が高いので、ガイガーカウンターを当ててみると結構な数値を叩きだします。
福島第一の事故の後に、韓国のソウルで放射線量を測ってみたら福島より数値が高かった、という笑い話があった事を思い出します。
カリウムは、必須元素、つまり細胞が活動するのに必要な元素なので(詳しくはカリウム=ナトリウムポンプでググって下さい、要望があれば説明しますが正直説明しててつまんないような気がする)一定の割合でカリウム40が存在します。地面から必死こいてカリウムを吸い上げる植物はカリウム40とカリウム39の区別などしない、というか出来ないので、自然界におけるカリウムのうちの0.1%くらいは必然的に放射性物質のカリウム40となります。
平たく言うと植物を食べると結構な量のカリウム40が体内に入り内部被爆します。草食動物も当然内部被爆します。肉食動物は草食動物を食べると内部被爆します。草食動物を食べない肉食動物だけが、カリウム40の内部被爆から免れます。
ちなみに、カリウムには高血圧予防の薬効があるような研究結果が出ているようです。
さて、今日の本題です。炭素14です。大気に放射線当ててそのうちの7割を占める窒素14に当てない事はまあ不可能ですね。トリチウムは間違いなく作られます。炭素14は半減期がほぼ6000年なので、考古学には不可欠な要素となっております。植物は炭素14とかお構いなく吸収しますので、その素材が切り出された時、を正確に表している、と考えられるのです。
この計算がちょっと狂ったのは、大気圏内の核実験が繰り返されていた時期なんで、世界中宇の考古学者から核実験していた人たちは嫌われていたでしょうね。
閑話休題。カーボンフリーな食物があれば教えてください。という発言は、即ち有機物でない食物ってありますか?という事です。細菌から植物から動物まで、炭素のからんでいない生物なんていません(多分)SFなんかで珪素生物がどう、とか可能性は無くもないですが、まだ誰一人証明してませんね。
つまり、体内被曝を避けたければカリウム40と炭素14の含まれる食物を避けなさい、というメッセージは、そんな食物あればそれだけ食ってれば?なんていう皮肉めかしたジョークだったのです。