「無財の七施」人への施しに見えて実は自分への贈り物
これっていい言葉だなあ。ただ漢字だけ書いても読めないと思って、ルビをメモしたのをそのまま机に置いていました。
「無財の七施(むざいのしちせ)」です。
七施の「施」は布施のことです。
無財で行える布施には7つあるというのです。
布施というと「お坊さんに謝礼を包むお金」が頭に浮かびます。
仏教には、菩薩に課せられた「六波羅蜜ろくはらみつ」という6種の実践徳目があるそうです。
その一番目に出てくるのが布施で、財施や法施(真理を教えること)、無畏施の布施を勧めているわけですが、お金や地位がなくても、誰もが人を幸せにできる布施がある。それが「無財の七施」というわけです。
眼 施(げんせ) :やさしい眼差しで人に接する。
和顔施(わげんせ):笑顔で人に接する。
言辞施(ごんじせ):柔らかい言葉遣いで人に接する。
身 施(しんせ) :身体を使ってできることで人に接する。
心 施(しんせ) :柔らかな心で人に接する。
床座施(しょうざせ):座る場所を譲る。
房舍施(ぼうじゃせ):泊まる場所を提供する。
すぐにでもできそうなことばかりです。
でも、「すぐにでもできそう」なので、つい実践を忘れてしまいます。
だからこそ、こうやって書き残すことで、また思い出すことができます。
すぐにできなくても、気がついたらまたやる。
それが継続すれば、習慣となって自分自身も幸せになる。
それを待つまでもなく、実践した瞬間は、やさしい眼差し、やさしい笑顔、柔らかい言葉を発する自分がそこにいるということです。
布施は「人への施し」のようですが、自分への贈り物にもなっています。実践した自分自身を明るくしてくれるからです。
「無財の七施」、一日一個でも継続したいですね。