ゴッドウィンの正体~照りつける太陽~(エルデンリングDLC考察)
どもども。今回は、”黄金のゴッドウィン”について考察していきます。ほとんど情報がないので、各々、思い思いの人物像を描いていると思いますが、ぶち壊していきます。
1.太陽の神から推測
以前の考察”ミケラの正体”で、ミケラとゴッドウィンは、もともと、古代メソポタミアの神話に出てくる兄弟神である金星の神イシュタルと太陽の神シャマシュであったのではないかと考察しました。
その中で、ミケラとイシュタル(金星の神)を比較し、共通点が多く見られました。しかし、ゴッドウィンとシャマシュ(太陽の神)の比較をしていません。ですので、比較していきたいところなんですが、ゴッドウィンの情報が少な過ぎます。
そういう訳で、太陽の神シャマシュがどのような神だったかを見ることで、ゴッドウィン(太陽の神)の人物像を紐解いていきたいと思います。
(※金星の神と太陽の神の名前ですが、アッカド語だとイシュタルとシャマシュで、シュメール語だとイナンナとウトゥです。今後はアッカド語で表記していきます。)
・太陽神シャマシュ
神話の神をモチーフにしたゲームなども多いので、シャマシュという名前を聞いたことがある人もいるかもしれません(検索するとゲームのキャラクターっぽいの沢山出てきます)。ですが、どういった神か、知ってる方は少ないのではないでしょうか。
シャマシュに関係するものとして”ハンムラビ法典”が有名です。
ハンムラビ法典とは、古代メソポタミアの時代に、バビロニアを統治したハンムラビ王が掲げた法典です。
その法典には、「目には目を、歯には歯を」という言葉があります。歴史の授業で聞いたことがある人も多いでしょう。
この言葉が示すことは、単純に言えば、受けた害に対して同等の処分をしますよ、ということです。目を潰した者には目を潰す処分が下され、歯を折った者には歯を折る処分が下されると。ハンムラビ法典で、罪の種類によってどんな罰を与えられるのかが決められていた訳です。
価値観や複雑さは違えど、世の秩序を守る、現代の法律と同じ役割を持っていたと言えます。
下の画像が、ハンムラビ法典を書き写した石柱になります。
この石柱に描かれている右の人物が、太陽の神シャマシュです。この絵は、太陽の神シャマシュが”王権を表す輪と棒”をハンムラビ王に授与しているところが描かれています。
太陽の神シャマシュは、古代メソポタミアにおいて、正義を司る法と裁判の守護神として崇められ、「真実と正義の主」「天と地の裁き主」「運命を決する方」などと呼ばれていました。
つまりは、太陽の神シャマシュは、王に対して、法律(ハンムラビ法典)を与え、それに則って裁きを下す権力を与えたと捉えることができます。
このシャマシュの役割、エルデンリングの太陽の神(ゴッドウィン)にもそのまま当てはまるのではないでしょうか。
2.裁きの代理人、責問官
エルデンリングの世界では、責問官という存在が出てきます。
恐らく、この責問官たちが、太陽の神(ゴッドウィン)の代理人として、律(法律)を侵す存在を裁いていたと考えられます。
1-1.責問官の情報
考察を進める前に、まずは、責問官がどういった存在だったか、軽く見ていきましょう。まずは、≪責問官の遺灰≫のテキストです。
責問官は角人で、逆棘(カエリ)の燭台を持つ老婆だったと書かれています。
”責問は、時に幼い心を迷わせる”とあります。責問とは、厳しく問いただし白状させることや拷問を意味します。かなり残酷な行いをしていたようです。
責問官の扱う螺旋の祈祷≪黄金の大弧≫のテキストも見てみましょう。
”その弧は、責問の象徴たる逆棘の似姿である”と書かれています。責問と逆棘は深い関係にあるようです。
次は、影の地の責問官だけでなく、狭間の地の責問官も見てみましょう。狭間の地には、火山館で侵入してくる”責問官ギーザ”がいます。
責問官ギーザが身に着けている≪官吏の装束≫のテキストを見てみましょう。
監視、処刑、陰惨な儀式と言った過酷な役目を負っていたことが分かります。かなり激しい裁きを与えていたようです。
ギーザが扱う≪ギーザの車輪≫も見てみましょう。
”車輪”と”取っ手の部分の蛇”が特徴的です。
この武器は、”象徴的武器”として人さらいの乙女人形にも採用されているようです。
象徴的武器、、、何やら意味深です。
また、人さらいの乙女人形も”蛇”の意匠が特徴的です。胸には”赤子を抱いたオブジェ”が見られます。
2-2.責問官の共通点
さて、責問官について見ましたが、本当に太陽の神やゴッドウィンと関係があるのでしょうか。
注意深く見ると、共通して”太陽の情報”が読み取れます。ん…?そんな記述あったっけ?と思うかもしれませんが、デザインの中に隠れています。
まずは、”螺旋の祈祷の紋章”を見てみましょう。
この紋章と、ゴッドウィンに仕えていた死の騎士の装備≪死の騎士の兜≫に飾られた”蝕まれた黄金の輪”を比較してみます。
完全とは言えないですが、かなり一致しています。
恐らく、責問官の象徴である逆棘(カエリ)は、メラメラと燃える太陽に付いているトゲトゲを表しているのだと思います。全体で言えば、その太陽と金星の神の螺旋を組み合わせた紋章だと言えます。
また、手に持っている逆棘の燭台にも注目です。
7つに枝分かれした燭台ですが、これはユダヤ教においてメノラーと呼ばれ、生命の木を表しています。恐らく、黄金樹(影樹)に宿った太陽の神シャマシュが逆棘により正義の裁きを与える光を放っていることを意識しているのだと思います。
また、9つに枝分かれてしている燭台をハヌッキーヤーと呼び、真ん中の枝を”シャンマーシュ(シャマシュ)”と呼びます。このことも意識していると考えられます。
ギーザの車輪も同様に、車輪の部分は太陽を模していると考えられます。
ギーザの車輪が象徴的武器と言われていることから、人さらいの乙女人形は、ゴッドウィン(太陽の神)の支配下だったと言えます。
簡単に抜けない逆棘や押し付けられる棘の付いた車輪は、メラメラと照りつける太陽の灼熱のように、法律を侵す者たちをジワジワと裁いていたと考えられます。
しかし、”狭間の地の責問官”や”人さらいの乙女人形”には”蛇”のデザインが増えています。これはどういったことでしょうか?
その理由は、ゴッドウィンは、マリカが太陽の神を喰らい、蛇の要素を色濃く持って産まれてきたからだと考えられます。
3.デミゴッドの出自による違い
デミゴッドの出自については、考察”ミケラの正体”で見ました。重複する部分も多いですが、ゴッドウィンが蛇の要素を持つことを理解するためには、もう少し具体的に見ていきます。まあ、基本的に同じ話ではありますが、ついでに”神人”についても言及します。
3-1.マリカから受け継いだもの
マリカは、木の精霊と蛇から生まれ、神を喰らうことでデミゴッドたちを産みました。伴侶などの細かいところは抜きにして、簡単に図で示せば下のようになります。
喰らった神の影響もあると思いますが、それぞれマリカから受け継いだものが違っています。
以前、半神半蛇でデミゴッドだ!!と言いました。が、これはちょっと間違いです。
厳密に言うと、神の魂に対して、”蛇”と”木の精霊”の身体を持つことになります。しかし、各々デミゴッドによって、”蛇”と”木の精霊”の特徴の出方が違います。その理由は、まず男女にあると考えられます。
恐らく、男として生まれたデミゴッドは”蛇”の特徴を強く持って生まれ、女として生まれたデミゴッドは”木の精霊”の特徴を強く持って生まれるのだと考えられます。
これは、神人の資格にも繋がってきます。
3-2.蛇の成分
男性に関しては、”蛇”の要素を受け継ぐと言いました。しかし、実際に受け継いでいる要素は下図のようになっています。(メスメルも追加)
ライカードに関しては分かりません。メスメルは蛇の要素を受け継いでいます。モーゴッドとモーグは角、ラダーンは赤髪の見た目を受け継いでいます。
蛇だけではなく角や赤髪が受け継がれていることから、蛇も”坩堝”と関係していると考えられます。マリカ=ラダゴンなので、ラダゴンの赤髪も坩堝の影響だと思います。ですので、皆が、しっかりと蛇の要素を受け継ぐ訳ではないと予想できます。
そして、この中で、最も蛇としての要素を強く受け継いだのが、ゴッドウィンだったと考えられます。
ですので、影の地にいる責問官たちは、ゴッドウィンになる前の太陽の神の代理人であるので、太陽だけの特徴を持ち、蛇の特徴はありません。
しかし、太陽の神はマリカに喰われることでゴッドウィンとなり、蛇の要素を持ったことで、狭間の地の責問官たちは太陽と蛇の特徴を持つことになった訳です。
3-3.黄金樹の神人たる資格
ゴッドウィンから少し話は逸れますが、女性であることが”黄金樹の神人たる資格”に関係するので、説明しておきます。(とりあえずゴッドウィンのことだけ知りたいよって人は飛ばしてください)
アンスバッハが、瞳について触れているので、まず見てみましょう。
アンスバッハは、ミケラが瞳のことを、”特別な祝福の宿る、黄金樹の神人たる証”と言っています。これについては、木の精霊であることと深い関係があります。
考察”壺と巫子の正体”において、巫子は女性だけの一族である木の精霊ではないかと考察しました。
陰謀の夜の刺客は全て女性で、マリカに近しい存在なので、マリカの一族もみな女性である可能性が高いと言えます。(書いてて気付きましたけど、”音を立てぬスケイルアーマー”(鱗の鎧)は”蛇”を意識してますね)
実際の神話においても、木の精霊として描かれているのは女性です。ですので、男として生まれると、木の精霊としての要素は全くない、もしくは薄いのではないかと考えられます。
そして、木の精霊の特徴を持っていることが”黄金樹の神人たる証”ではないかと考えられます。
前回の考察”エニル・イリムの全貌”において、影樹は木の精霊である巫子によって創造されたと考察しました。そして、現在、巫子の村には誰もいません。
(巫子から影樹が創られたという考察は、前回の考察”エニル・イリムの全貌”の第3章で詳しく説明しているので、ちょっと難しいですけど頑張って読んでください。)
恐らく、影樹創造のために巫子を全員攫ってしまったのではないかと考えられます。
しかし、王を伴侶として神になり、黄金樹からの雫の受領を為すには、黄金樹自体に宿る必要性があります。ですので、恐らく、”神の依代である、木の精霊としての身体を持つこと”が”神人たる資格”であると言えます。自分自身で依代を供給する訳です。(もう既に一体となっているので変な表現ですが)
ですので、”木の精霊であるマリカ”から生まれた女性のミケラ・マレニア・ラニが神人の資格を有している訳です。ミケラは男(明けの明星)と女(宵の明星)の二つの側面を持っているので性別がややこしいですが、木の精霊であるトリーナが女性(宵眼の女王)と考えられます。
そして、前回の考察”エニル・イリムの全貌”でも見ましたが、巫子は”黄金の木の精霊”であり、金色の瞳を持っていたと考えられます。恐らく、木の精霊としての特徴をマリカから受け継いだ神人は、金色の瞳を持っていたはずです。(片方の瞳だけ金色で、もう片方は何か別のことを表す瞳を持っていた可能性もあります)
また、”ラニが身体を棄てた理由”と”マレニアの目が無くなっている理由”は、神人としての運命から逃れるためだったと予想されます。
こういった理由で、”黄金の木の精霊の瞳が黄金樹の神人たる証の瞳”であると言えます。
4.人さらいの乙女人形の赤子
ここまで来れば勘づいている方もいると思いますが、”人さらいの乙女人形”の赤子を抱いたデザインにも言及していきす。
赤子を抱いたデザインは、ゲーム内で他にも見られます。メスメルと対峙する影の城のボス部屋、”メスメルの暗室”にあるマリカ像です。
これらが指し示すことは、、、マリカ同様、ゴッドウィンも神などを喰らって赤子を産み落としていた、ということだと考えられます。
エルデンリングをプレイしていて、ずっと疑問に思っていたことがあります。それは、接ぎ木のゴドリック含む、黄金の一族の末裔の存在です。
他のデミゴッドたちには末裔の存在がおらず、黄金の一族にだけ末裔が存在します。この理由は、”黄金のゴッドウィン”のみが蛇の力を色濃く受け継ぎ、神や英雄などを喰らい、子を産み落としたことに他なりません。
(ちなみに、没落のあとに求めた古い力とは、ゴッドウィンが太陽の神だった時代の古い黄金樹(影樹)のことだと思います)
これらのことより、人さらいの乙女人形のデザインは、ゴッドウィンが攫った者たちを喰らっていたことを示しているのだと言えます。
そして、喰らっていた場所は、恐らく、火山館だと考えられます。狭間の地で、責問(拷問)を行っていた痕跡や人さらいの乙女人形が火山館で多く見られます。
この火山館、ゴッドウィンが支配していたと考えられます。また、”エーグレーの聖堂”の蛇もゴッドウィンと関係の深い場所だったと思われます。
この聖堂の祭壇には≪蛇の羊膜≫が置かれています。
エーグレーの聖堂では、人さらいの乙女人形が攫ってきた人たちをゴッドウィンが喰らうことで、黄金の一族を産んでいたと考えられます。これが、”忌まわしい生誕の儀式”ということです。
また、魔術学院レアルカリアの地下の人さらいの乙女人形に掴まれると、火山館に飛ばされます。恐らく、各地で喰らう対象を集めていたのでしょう。
しかし、この考察には問題があります。法務官ライカードの存在です。
ギデオンによると、法務官ライカードが火山館の主であることが分かります。
ゴッドウィンが火山館を統治していたという考察と矛盾します。ですので、
①ゴッドウィンが火山館を統治していたことは間違いで、ライカードが蛇としての要素を色濃く受け継ぎ、”忌まわしい生誕の儀式”を行っていた
②ライカードは、ゴッドウィンに法務官の責を任されていた
の2つが候補として考えられます。
◇①の可能性
ライカード自らが、大ルーンと共に蛇に喰われた選択をしたことを考えると、蛇の要素を持っていたのは矛盾するように感じます(蛇の要素を強く持ちながら、蛇に喰われるという選択肢はおかしい)。ライカードの末裔がいることも仄めかされていません。
また、ラダーンの足の状態のことを考えると、ラダーンの兄弟であるライカードはしろがね人の血が流れていたと考えられます。
斬首台にあった第2世代しろがね人の仮面から考えると、ライカードが、同胞とも言えるしろがね人を進んで拷問していたことは矛盾するように感じます。ですので、①の可能性は低いように思います。
◇②の可能性
狭間の地、影の地問わず、蛇は忌み嫌われていたことが分かります。
ゴッドウィンが蛇であることをマリカ同様に隠し、英雄的な印象を保つために、汚い仕事をライカードに任せていたことはあり得ると思います。
闘技場という存在は、蛇の要素を強く受け継いでしまったゴッドウィンの落とし子を処分する場でもあったのかもしれません。
また、蛇に喰われるまで、蛇と無関係だったライカードが、プレイヤーが火山館に訪れる前に、”蛇のように忌み嫌われた男”と、ギデオンによって”蛇”の言葉を用いて形容されるのには少し違和感があります。破砕戦争後の最中か後に、蛇に喰われて冒涜を侵し、そのあとの評判として、蛇というワードが使われるのが自然に感じます。
これは、ゴッドウィンの罪を被っているという大事な情報を伏せつつも匂わすために、蛇というワードをあっさり使った、と考えると筋が通る、、、ような気がします。(メタメタ)
そうすると、②の”ライカードが、ゴッドウィンに法務官の責を任されていた”と考えるのが妥当だと思います。
・ライカードとラダーンの関係
また、ライカードとラダーンの関係は、ディアロスとユーノのホスロー兄弟の関係に表れていると考えることもできます。
優秀な兄にコンプレックスを抱くディアロスは、同胞狩りという道に手を染めました。しかし、手を汚せば汚すほど、自分のことを誇り高き英雄ではなく、恥知らずの痴れ者であることに気付いていきます。
ラダーンは、類まれなる強さを誇り、”名誉黄金の一族”のような扱いを受け、ライカードは、そんなラダーンに嫉妬していたのではないでしょうか。そして、そんなときに、ゴッドウィンからの甘い誘いを受け、法務官として同胞狩り(しろがね人狩り)に手を染めてしまった。
最終的に、ディアロスは壺師、ライカードは自ら蛇に喰われるという真逆とも言える選択をしました。しかし、そこまでの葛藤は似たものがあった、、、とも考えられます。
もしかすると、ライカードも、蛇に喰われることで何か自分にとって大事なものを守ろうとした可能性もあります。
また、ラダーンも、結局のところ、同胞狩りの戦において重宝されていただけで、決して英雄として誇れるものではなかったのかもしれません。
一応、≪ラダーンの赤髪兜≫のテキストには、燃える赤髪を英雄の象徴として誇っていると書かれていますが、、、
ユーノ・ホスローの「血塗られた道なら、既に歩いている だが俺は自分を、決して英雄とは呼ばない」と書かれたテキストと合わせて考えると、両者の”英雄性”は意識されていて、深読みする必要があると感じます。
黄金樹信仰においても、責問が存在し、マリカやラダゴンやゴッドウィンが存在する大きな組織の中でラダーンに何ができたのか、と考えると、、、英雄と誇っていなくとも、いろいろな柵の中で、陰謀の夜まで葛藤を抱えながら英雄として誇ることを選んだというのもあり得るのではないか、と思います。
ちょっと深読みし過ぎな気もしますが、、、何か気付いている方がいればコメントで教えてください。
5.どんな人物だったのか
ゴッドウィン(太陽の神)について、いろいろと分かってきました。マリカが統治する前も後も、かなり酷いことをやっていたようです。
しかし、王都ローデイルに攻め入った古竜と戦い、友となった話などを聞くと、カリスマ性に溢れ、物語の英雄的な側面も伺えます。
しかし、先ほどの火山館の話も合わせて考えると、ゴッドウィンは裏の側面を隠していたと考えられます。
確固たる黄金樹への信仰を得るためには、黄金(樹)の象徴であるマリカやゴッドウィンに潜む蛇の要素を隠し、華々しい演出も必須だったのではないかと思われます。
そういったことを反映するために、プレイヤーの視点においても、黄金樹を絶対的なものと信仰した、無垢な黄金樹の民の一人の視点を意識して、蛇を隠すようにゲームが作られているのではないでしょうか。
とは言え、古竜との話のような英雄的な側面を持っていたことも、無理矢理作ったものではなく、事実だったと思います。
どうして、2つの側面を持つのか。それは、良くも悪くも”律”(正義)に従って行動していたからだと考えられます。
”律に従うもの”や”律の内側にいるもの”には優しく、”律から外れた存在”には、正義の名のもとに、”責問”のような残虐な行為をしていたということです。
竜王プラキドサクスは、もともと金星の神(ミケラ)の王であったため、古竜たちも”律の内側の存在”であり、”律”を基準にすると仲間であったと言えます。”律”を絶対視していた訳です。(もしくは、金星の神ではなく、太陽の神が竜王に王権を授けていた可能性も)
まあ、”律”に関しては、またミドラーなどを交え、もう少し具体的に言及すると思います。
しかし、ゴッドウィンの行為とミケラの目指した”優しい世界”は相容れるものだったのでしょうか?
恐らく、相容れない存在だったと思います。
ラニ、ラダーン、ライカードはどうだったでしょうか?恐らく、ラダーンが馬に乗り、重力を操っていたことから、この3人にはしろがね人の血が流れていたと考えられます。
ライカードに、忌み嫌われてしまうような責を任せていたことを考えると、ゴッドウィンは、黄金樹の祝福を受けれない、律の外の3人にあまり良い対応をしていなかった可能性もあります。
マリカとゴッドウィンの関係はどうだったでしょうか。蛇が色濃く顕現したメスメルに対する態度がヒントになるかもしれませんが、、、
また、ゴッドウィン自身も、邪の蛇を内に秘めていた葛藤があったのか無かったのか、、、もう少し考察が進めば見えてくるかもしれません。
6.茨の裁定者
ゴッドウィンの他の特徴として”茨”があると考えられます。
考察”ストームヴィル城の影”において、影樹の化身は魂の殺されたゴッドウィンではないかと考察しました。その影樹の化身は、茨の攻撃を使ってきます。
また、巨人山嶺では、茨が絡みつき、剣で貫かれている巨人たちが大量にいます。
巨人戦争が起きた時期のことを考えると、ラダゴンとレナラが婚約を果たす前と予想されるので、この巨人の惨状に関わったデミゴッドは、ゴッドフレイとゴッドウィンだけだったと考えられます(モーゴットとモーグもいますが、地下に幽閉されていましたし、茨の攻撃はしてきません)。
”茨”は、死王子になってからの力かと思っていましたが、巨人戦争の時期を考えると、もともと”茨”はゴッドウィンの能力を持っていたと思われます。
また、茨は、ゴッドウィンに仕えた死の騎士の”蝕まれた太陽の形”と似ており、逆棘(カエリ)とも共通します。
そして、巨人の凄惨たる状況から、黄金のゴッドウィン、めちゃくちゃ強かったのではないかと考えられます。茨の能力も考えると、蛇と木の精霊の力、どちらも強く受け継ぐ、最強チートキャラだったのかもしれません。
マレニアとラダーンがデミゴッドの中で最強と言われていますが、実は、それは、ゴッドウィンの魂が殺される陰謀の夜以降の話で、それ以前は、”茨の裁定者、ゴッドウィン”(Godwyn, The Judgement of Thorns)という異名で呼ばれ、マレニアもラダーンも歯が立たず、バチクソ強かった、、、なんて話もあるかもしれません(茨の裁定者!ゴッドウィン!かっこいい!と言いたかっただけかも)
そういった理由もあり、面と向かってはどうしようもないので、陰謀の夜の”暗殺”という手段だったとも考えられる、、、かもしれません。(陰謀の夜に関しては、次回の考察でもう少し詳しく見ていきます)
7.シャマシュの太陽光線
最後に、太陽の神シャマシュにちょっとした面白い特徴があるので見ていきます。
古代メソポタミアでシャマシュが描かれるとき、太陽の神であることを強調するため、背中から放つ太陽光線も一緒に描かれることが多いらしいです。
ん、、、、?
背中から太陽光線、、、?
太陽光線!?
こ、これは、、、
拒絶の”刺”が、すべてを拒んでいる?
なんか”茨”に見えるが?
ラダゴンとはマリカであって、そして、ラダゴンとはゴッドウィンであった、、、?!
という訳で、今回の考察は以上です。
ラダゴンのこと、全然分からん、、、
7.おわり
読んでいただきありがとうございました。合ってんのか合ってないのか、よく分からないですけど、なんか矛盾なく進んでるのでたぶん良い感じだと思います。まあ、デミゴッドたちのパーソナリティに関しては、全く自信はないです。
次回は、エルデンリング(”黄金の律”と”冷たい夜の律”)についてです。
あと、NightReign(ナイトレイン)発表されましたね。本編はジョージ・R・R・マーチン氏が世界設定や世界観を構築し、宮崎氏がテキストを監修?していたとのことで、新作のテキストなどに宮崎氏が関わらないとなると、どこまで考察の参考にしたらいいのか微妙ですね、、、