人間も素晴らしい生きものだから
最近、自分の考えが随分変わって来ました。
以前は、人間のことが他の生きものをいじめる悪魔のような存在に思えてならなかったのですが、それは誤解だったということが分かって来ました。
人間も、他の生き物たちと同様に、自然と共生して暮らすことが出来ることに気づきました。
それに気づいてからというもの、人という種に対して喜びや希望といった感情が湧いてくるようになりました。
どうも、人間を悪い生きものだと感じたり、実際に悪い生きものにしてしまっているのは、資本主義システムが原因のようです。
この資本主義システムが、自然と人間を分断しています。
そして、その分断が、気候危機や生物多様性の崩壊、生物の減少絶滅といった問題を生み出しているのです。
私たちは、あらゆるものを金で買わされ、また、金に変えさせられています。
草木や牛や豚や鳥や魚を金で買い、また、金として売っています。
資本主義は、あらゆる生命を金を生み出すための"モノ"へと変えていきます。
海も山も、水さえも土さえも、金に変えてしまいます。
そして、多くの人は、自然から資源を搾取し、生命を殺して金に変えることこそが私たちの唯一生きる道なのだと信じていることと思います。
でも、資本主義が人間に求める利益の追求や資本主義を土台とする社会システムの束縛から脱出してみると、世界の見え方は大きく変わってきます。
私たちは、この経済・社会システムによって自然や生き物から分断されてしまっているけれど、一度、資本主義経済や社会システムの支配を脱してあるがままに世界と対峙すると以下のようなことに気付くでしょう。
まず、この世界では、本来、金は意味を持たないことに気づくでしょう。
そして、海や山やそこに暮らす生きものたちが金を生み出すための資本ではなく、地球に命をもたらす大いなる母、聖なる自然であるということに気づくでしょう。
自然や生きものは"モノ"ではなく、私たちの命を守り育てる"お母さん"または"神様"のような存在だということに気づくのです。
私たちは、金があっても生きものがいなければ、生きることは出来ません。
生きるために必要なのは金ではなく、自然とそこに暮らす生きものたち、つまり自然の恵みです。
自然の恵みこそが、私たちに空気と水、食料と衣食住をもたらしているのです。
私たちが生きることが出来るのは、生命を産み出し守っている聖なる大地、聖なる海、聖なる生命、聖なる自然のおかげなのです。
この聖なる自然は、お互いの命を相互に守り相互に育て合っています。
そうなると、この聖なる自然を大切にすることが、人間が生きることにも繋がるのだと気づくと思います。
自然から受ける恩恵を喜び、その感謝として自然を大切にしていればそれだけで人は生きていくことが出来るのです。
そして、人間は、資本主義以前には、自然を神様として崇め、大切にし、多くの生命と相互扶助の関係を築いてきたという歴史を持っているのです。
しかし、資本主義は、その思想を正当化するために
「人間は万物の長であり、全ての生きものを管理する立場にある」
「人間には自然を征服する権利がある」
「人間は欲深い生きものであるから、利益の追求をするのは当たり前」
といった歪んだ教義を作り出し、私たちの心に植え付けてしまったのです。
そうして、人間が長い間大切にしてきた自然との相互扶助の関係が断ち切られてしまったのです。
人もまた、草木や動物、虫や魚、鳥たちと同じ聖なる自然の子であるはずなのに、資本主義は、私たちを母なる自然から強引に引き離して、自然を植民地化し奴隷として扱うようにしつけてしまったのです。
資本主義の台頭が、人と自然との関係を狂わせてしまったのです。
私たち人間は、その歴史の大部分において自然を聖なるものとして崇め大切にして、自然と相互扶助の関係を築いて生きてきました。
このことは、人間は、本来、自然と共生する能力を持った生きものだということの証です。
資本主義や社会システムの影響によって人と自然が分断されているだけで、本来は、人間も自然と共生出来るのです。
私は、人間社会が、「分断・競争・搾取の社会」から、「繋がり、平等、共生の社会」へと変わっていくと信じています。
資本主義から抜け出し、新たな経済へと移行するだろうと信じて疑いません。
自然と共生することで、気候危機や生物世界の崩壊・大量絶滅といった問題も解決出来ると信じています。
何故なら、人間には、共生社会を実現する能力がしっかりと備わっているからです。
そのことは、私たち人間の歴史が証明してくれています。
そして、その能力を再び発揮することが、現代のあらゆる危機を解決する鍵になるはずです。
環境問題に関心がある人の中には、人類に絶望している人が多いと思います。
私もそうでした。絶望感を感じて苦しい思いをしてきました。
でも、出来るなら、希望を持って未来へ歩んでいきたいですよね。
資本主義や社会システムを変えるのは大変なことだけど、少しでも人間という存在に希望を持ってもらえたら幸いです。