気がつくと、私は手術台の上にいた。私は、医者に最高の頭脳と肉体を手に入れたいと依頼したのだった。
医者は、手術着ではなく、寿司屋の大将の格好をしていた。メスというが、刺身包丁を手に持ち、私の皮膚を手際よく捌き、ペロリと裏返しにした。その間、私の脳みそには、電気技師がハンダゴテで回路をなにやら取り付けて、頭に再度取り付けていた。裏返しにした体に、今度はミシンを持ち出し、裁縫を始めた。
手術が終わり、私は最高の頭脳と肉体を手に入れた。鏡を見て納得した。私は、完璧なくまのプーさんになったのだ。早速、ハチミツを舐めたくなった。
(おしまい)
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