「爽やか」の札を付けられて
やあ、鬱人間だよ。
今日は旅行行ったので、その話と思ったことを書くね。
私この間横浜行ったんですよ。
で、特に目的もなくフラフラと散歩してたら、
高架下であるものを見つけました。
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「ヨコハマ さわやか」と書かれたステッカーを貼られた案内板。
この案内板は、横浜市内の高架下で見つけました。
ポール部分に貼られたシールが
「横浜市は爽やかである」と、わたしに語りかけた。
確かに横浜は爽やかだ。
鮮やかな海と美しい街並み。
空には白い雲が踊り、いい感じの波風が吹くような爽やかさがある。
わたせせいぞう先生のイラストのようだ。
そんな街、横浜。
ポールのステッカーは私たちに「この街は爽やか」と語りかけているようだった。
しかし、この案内板の立っている場所は
「さわやか」からは遠く離れた高架下にある。
車が行き交い、ビュンビュンと大通りをかっ飛ばしている。
上の道路もたくさん車が行き交い、大きくて雑多な音が永遠に響いている。
周りはコンクリートだらけで灰色で
この案内板からは青空も見ることはできない。
そんな場所に立たされた案内板に貼られた
「ヨコハマ さわやか」のステッカー。
もし私が案内板だったとして、
海も空も覗かないこの場所で「さわやか」の4文字を背負って立つことは出来るだろうか?
この場所で「この街は爽やかです!」と言えるだろうか?
そう思うと、このポールには「さわやか」を背負わせるのは酷な気がする。
ただの無機物の案内板に「気持ち」なんてないんだけど、
自他の境界がガタガタな私は
勝手に彼になりきって
不毛な事を考えてしまう。
もし私が案内板だったら、
きっとすぐダメになるんだろうな。
「爽やか」の文字を背負っている案内板は、
青空も見えない場所で、この先もずっと立っているんだろう。
それはきっと、とても強いことなんだろうな。
私も強くなりたい。
案内板のように。