アサシンクリードオデッセイをプレイしたらUBIに詫びを入れたくなった話
今月頭のnoteで「観光ゲーとしては楽しめそう」とか「戦闘がダサい」とか「アサシンクリードとして出すのはやめたほうがいいのでは」とか言って発売前のアサシンクリードオデッセイを散々にdisってしまったのだが、その3日後には買っている自分がいた。思わぬ評判の良さに影響されたのも確かにあるが、やっぱりアサクリが好きだから文句を言いながらも買ってしまったのだろう。で、結果としては大正解。今日までのプレイ時間は50時間を超えているが未だクリアは見えず、かと言って飽きてきたというわけでもなく冒険を続けている。アサクリはゲームエンジンが変わったり、システムを大幅に刷新した直後の1作目は進化しつつも粗があるのを同じシステムの2作目でブラッシュアップしてくるというのがパターン化していたが、今回も例に漏れず前作のオリジンズから正当進化を遂げてきた。
今作は選択がテーマの1つとなっているため、それが迫られる場面が多い。そこで人道的な選択をするか、欲望に忠実に生きるか選ぶことができるのだが、これは主人公がどこにも縛られない傭兵という立場だからこそ。過去作の主人公は4のエドワードとオリジンズのバエクを除き、全員が序盤、若しくは開始時既にアサシン教団へ加入しているため基本的に行動の自由が無かった。(ちなみにエドワードも終盤に教団へ加入するし、バエクも治安維持に努めるメジャイという存在のため悪さはできない。)この選択がクエストの結果を左右したり、他のクエストへも影響したりするため、一つの結果しか存在しなかった過去作のクエストに比べてやりがいがある。気に食わないヤツに乱暴な対応ができるのも傭兵ならでは。
「クソが!」
4から久しぶりに復活した懸賞金システム。傭兵稼業という立場上、全てが正当な任務となるわけではなく、アテナイ、スパルタ両軍の兵や市民を不当に殺すと懸賞金がかけられてしまい、他の傭兵から追われる立場となる。この傭兵たちはクエストで敵がわんさかいる砦を攻略している時でも容赦なく追ってくるため面倒なシステムのように思えるかもしれないが、懸賞金の出資者を始末したり、自分で支払ったりすることでいつでも帳消しにできるので案外ストレスにはならない。彼らは有用な装備を持っており、また多くの傭兵を倒すことで傭兵ランクが上がり様々な恩恵が得られるので、上手く返り討ちにすればむしろうまみの方が多い。ただ懸賞金をかけられていない時に出会うと傭兵仲間として気さくに挨拶をしてくる者もいるので、彼らに追われる時は少し切ない気分になってしまう。
また単純にグラフィックと景色が綺麗。オリジンズはエジプトが舞台なのでどうしても砂地が多くてキュレネが唯一街っぽいロケーションだったが、ギリシャである今回は植物も豊かで街も賑わっている。陸地だけでなく海も広がっているため船旅も楽しめる。HDRのおかげで光と反射が本当に綺麗。朝日や洞窟から外に出る時の光の眩しさには眼を見張るものがある。
お気に入りのロケーションのひとつ、ミコノス島
そして今作はシンプルにメインストーリーが面白いです。
主人公はかつてスパルタで暮らしていたが、ある日まだ幼い頃に家族と離れ離れになり流れ着いた先でマルコスという陽気な男に拾われる。彼の下で友人兼傭兵として面倒を見てもらっていた主人公は、ある日いつものように受けた傭兵の仕事で偶然にも自分の父の居場所を知り、それをきっかけにかつての家族を探す旅へ。その旅路で己の血筋と、その使命を知ることになる…。
というのが序盤のあらすじなのだが、これだけ読むとドラクエの勇者みたいじゃないですか?俺はそう思った。アサシン教団がなければテンプル騎士団もないけれど、そのかわりにコスモスの門徒というのがギリシアを裏から牛耳る存在として出てきてそいつらを狩ることになるため、アサシンと明言こそしていないものの暗殺自体はたっぷりと堪能できる。サイドクエストも単なるお使いではなくメインストーリーのようにドラマがあり、変化に富んでいる。”遠路はるばる護衛してきたオリンピック出場者のハグを避けたらそいつが海に落ちてサメに食われた”とか”ミノタウロスと呼ばれるヤツと戦おうと面倒なテストをクリアしてようやく会ってみたら牛のマスクを被っただけのひ弱な男が現れた”など下の動画のような妙にコミカルなイベントが多いのも新鮮。毎度おなじみ、かつて来たりし者たちも出てくるよ!
並行開発とはいえオリジンズから1年でこれを仕上げてきたUBIに今回は感服。ストーリー、グラフィック、システムどれも高水準で言うことなし。シリーズファンはもちろん、出来の良いオープンワールドRPGをやりたい人にもおすすめできる一作だと思います。やらずにdisったりして本当にすまなかった。
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