
読了本2冊、時間はいくらあっても足りません⌛
1月も下旬に入り、時が経つのが早すぎるような気がしているのは、私だけでしょうか。ゆったり余裕で振る舞いながらマルチタスクをこなす人に憧れますが、きっと多くをこなす人は脳内がフル回転しているはずです!
読みたい本がたくさんあるけれど、調べものもしたいし、原稿を直したり新作を書き出したりしたい。
冬樹1号と2号がいて、それぞれにやりたいことを分担させて同時進行させることができたら…と妄想したりします。いずれ1号と2号が担当を変えてくれとか言って揉めだして、新たな3号が仲裁に入って…。きっとうまくいかないだろうという結論に達しました。
こんなミステリ、誰か書いてみませんか? いや、いつか私が書こう💦
さて、読了本の紹介です。
『日本橋恋ぞうし おるうの嫁入り』 馳月基矢著 角川文庫
ライトなタッチの時代小説を手にしたのは、「みをつくし料理帖」以来でした。硬さのない文体が読みやすくキャラクターが明快。江戸の武士と商人の身分差の厳格さ、そこに反比例する経済格差がしっかり描かれています。舞台が老舗の骨董屋なので、刀剣や唐物の琵琶、茶器、巻子本、黄表紙などが魅惑的に語られて、そこが私には格別に好みでした。もちろん主人公夫婦の恋模様に引き込まれて癒されて、かなりの中毒性があります!
新たに幅広い読者層から支持される人気シリーズ誕生の予感がしました。
昨年からの「SHOGUN」「侍タイムトリッパー」など優れた時代劇映像への人気と同じ流れで、より広範囲に時代小説が受け入れられる地盤ができつつあるのを感じます。まずその流れでライトな時代小説がヒットして、さらに時代小説全体がより注目されるようになるのが理想の展開です。馳月先生のさらなる活躍を期待しています。
と同時に、自作にも文体の個性を失わずにいながら、リーダビリティを高めていかなくてはと考えさせられる読書でした。改稿ばかりでなく、新作を書かなくてはとやる気がでます。

『蔦屋重三郎と江戸のアートがわかる本』 歴史の謎を探る会編 KAWADE夢文庫
こちらは今年の大河ドラマ「べらぼう」への予習として、また次作への基礎資料の手始めとして(←こちらがメインかな)読みました。
さらっと読めて専門的な深さはありませんが、江戸中期から後期にかけての出版事情についてすんなり頭に入ります。戯作者で絵師の山東京伝についてはいくらか知っていましたが、彼の師である絵師・北尾重政や戯作者の朋誠堂喜三二についての記述があって興味深かったです。
京伝もそうですが、十返舎一九も戯作者として文も挿絵も書くという多才ぶり。蔦重をはじめマルチな才能が江戸文化を牽引していたことに、うっとり夢見心地になってしまいました。
準備している次作では、明治初期の浮世絵師を主人公に据える予定で、まだ資料を探して集めようという段階…
この調子でいつから書き始められるのかと焦らないでもありませんが、こつこつ進めていきます。
じつはこうやって構想を膨らます段階が、一番愉しく遊べる時間だったりもします。

今読んでいる資料本はこちら。まだ胸躍る発見を見出していませんが、漠然とわくわくしている感じです。
読んでいただき、ありがとうございました☆