quiet storm

Spangle Call Lilli Line、Buffalo daughter、和田加奈子、福永武彦、鷺沢萠などが好きなアラフィフビジネスパーソンです。

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最近の記事

少しでも多くのいいことをするために

ピーター・シンガー氏の「あなたが世界のためにできるたったひとつのこと」を読みました。 効果的な利他主義のすすめとサブタイトルがついているように、自分にできるたくさんのいいことを行っていくためにどうしたら良いかについて書かれています。 私は、聖人君子とはかけ離れていて、いやしいことも考えたり、つまらぬ欲もあったりする のですが、それでも世の中から争いや貧困がなくなったりすると良いなと思ったりします。 その一方で、自分の仕事が、紛争解決や貧困の解消などに繋がっているとは思えず、多

    • 分人主義で気が楽になる

      平野啓一郎さんの『私とは何か 「個人」から「分人」へ 』という本を読みました。 本来、不可分である個人を分けて、分人という単位で考えるというアプローチに大変興味を持ちました。 ちょうど、先日、同僚が「自分は、オンラインゲーム上では別人格になる」という話をしていました。私はオンラインゲームをやらないので、よくわかっていなかったのですが、それは、単にゲームという遊びの中で、一つのキャラを演じるということだけではなく、オンラインゲームをする仲間との日々の関係性も含めて、別人格だと言

      • 大好き!! るきさん

        高野文子さんの「るきさん」という漫画を読みました。 高野さんのことは、以前、ナゴムレコードにいたクララサーカスのことを調べていたら、どなたかが世界観が高野文子さんの漫画に出てくる人みたいと書いていたので気になっていたのですが、近くの書店でちくま文庫グランドフェア2020の一冊として平積みされていたので「おっ!!」と思って買いました。 「るきさん」は30代半ばくらいで、今でいうテレワークをしていて、マイペースに暮らしているるきさんとお友達のえっちゃんが何気なく暮らしている日常を

        • イノベーションを生み出すためのスタイルとは

          石川善樹さんの「考え続ける力」という本を読みました。 この本は主に石川さんから見て創造性を発揮している人との対談を通じて創造的に考えるとは何かということを考えているものです。 具体的な思考プロセスやメソッドなどはほとんど書かれていませんでしたが、示唆に富むことがたくさん書かれていて、参考になりました。 まず、創造性とは、新しさと質の2つの変数によって定義しているとありました。入山先生の「世界標準の経営理論」では「知の探索」と「知の深化」という表現をされていましたが、新しいもの

          他人のpiece of resistanceに敏感でありたい

          森絵都さんの「できない相談」という短編集を読みました。 最近は、何かちょっとしたことがあるとネットで総叩きになったり、あるいはワイドショーでも、何かと批判的な態度が目立つ印象があります。もちろん当事者にとっては許せない出来事もあるとは思いますが、第三者はそこまで怒らなくても良いのではと感じます。 こうやって書くこと自体がおじさんっぽいですね(苦笑)。実は私が会社に入ったころも、飲み会の話題といえば、会社や上司の批判だったり、応援している野球チームの選手や采配を批判することが多

          他人のpiece of resistanceに敏感でありたい

          間合いを捉え、コミュニケーションを深める

          諏訪正樹さん編著の『「間合い」とは何か』という本を読みました。 野球における投手と打者の間合い、日常会話における相手との間合い、サッカーでマッチアップときの間合い、フィールドワークにおける調査対象者との間合いなど様々なシーンにおける間合いを捉えながら間合いについて考えていくアプローチは興味深かったです。 昔、剣道を少しだけやっていたことがあるため、間合いというと、剣道の間合いを連想します。相手の攻撃を受けないための距離を保ったり、自分がうまく飛び込み攻撃できる距離にいかに縮め

          間合いを捉え、コミュニケーションを深める

          慣習を打ち破り、成果をあげたホークスの育成システム

          喜瀬雅則さんの「ホークス3軍はなぜ成功したのか?」を読みました。最近は、昔ほど熱心に野球を見なくなりましたが、それでも、千賀投手や甲斐選手が育成出身というのは知っていましたし、周東選手のプレミア12の活躍もすごかったので、興味を持って読むことができました。 例えば、高卒でプロ野球選手になるような人の場合、中学校で一番うまかった選手が、県を代表するような高校に行き、その中で厳しい県予選を勝ち上がり、更に甲子園で目立った活躍をする人に声がかかる世界です。そんな何万人から選ばれるよ

          慣習を打ち破り、成果をあげたホークスの育成システム

          D2Cが変えるビジネスの世界と私たちのライフスタイル

          佐々木康裕さんの『「D2C 「世界観」と「テクノロジー」で勝つブランド戦略』を読みました。 D2Cは2年くらい前から徐々に聞くようになったワードです。この本を読むまでは、消費者が直接作り手と結びつくため、細かなオーダーにも対応可能、すなわちオーダーメイドに向いているのがD2Cという理解をしていたのですが、それはごく一部だということがわかりました。必ずしもカスタマイズ、オーダーメイドに限定しなくてもよく、メーカーと消費者が直接結びついていればよく、しかもECに限定されておらず店

          D2Cが変えるビジネスの世界と私たちのライフスタイル

          ウイルスに関するおさらいと知見のアップデート

          山内一也先生の「ウイルスの意味論」を読みました。ウイルスに関する知見は20年以上前に少し勉強したところで止まっていたので、発売されたときから読みたいと思っていたのですが、この機会に読もうと思い購入いたしました。発売されたのが2018年12月ですので、今回のことは掲載されていないのですが、ウイルスが発見された経緯やウイルスの特徴、近年見つかったウイルスに関する知見など幅広く記載されていました。 特に、過酷な環境下で存在するウイルスや顕微鏡でも見られるミミウイルス、ウイルスに寄生

          ウイルスに関するおさらいと知見のアップデート

          非公式のリーダーが企業文化を育んでいく

          ジョン・カッツェンバック氏の「最高の企業文化を育む少数の法則」という本を読みました。昨日紹介した「社外取締役の兵法」の中に、カッツェンバック氏の文献を参考資料としているところがあり、気になったので一冊入手して読んでみました。 企業が変革していくうえでも成長していくうえでも企業文化を理解することは非常に大切だと感じています。文化の理解なしに変革しようと思うと、空回りしてしまうこともある気がしています。逆に企業文化を理解したうえで、施策を打つことができたら、末端まで浸透しやすく、

          非公式のリーダーが企業文化を育んでいく

          社外取締役だけでなく取締役にも監査役にも読んでほしい一冊

          チャールズD. レイクIIさんの「社外取締役の兵法 グッドガバナンスの実践」という本を読みました。著者が外国の人なので、海外企業の事例をベースに社外取締役について整理した本かと思いましたが、良い意味で裏切られました。著者はアフラックの社長、会長だけでなく、東京エレクトロンや日本郵政などの社外取締役を務めた人で日本企業に精通している人でした。 一冊通して読んでみると、企業を取り巻く環境が変わる中、社外取締役に求められる役割・期待は大きくなるばかりだと感じました。 一方で、この本

          社外取締役だけでなく取締役にも監査役にも読んでほしい一冊

          2020年のポストガイア理論

          ガイア理論で知られるジェームズ・ラブロック氏の「ノヴァセン 超知能が地球を更新する」という本を読みました。私がガイア理論を知ったのは今から30年くらい前になります。バービーボーイズのエンリケさんがbicycleというバンドを結成してアルバムを出したときに、地球を1つの生命体として捉えるガイア理論のことを熱く語っていて、それで知りました。その後、ガイアシンフォニーの映画化などで、多くの雑誌でも取り上げられて目にする機会が増えましたが、当時紹介されている記事の多くは環境保護のトー

          2020年のポストガイア理論

          70年近く経っても色褪せないグレンミラーの魅力

          DVDで「グレンミラー物語」を見ました。連休中に押入れを整理したら、未開封のCDショップの袋が出てきて、中にこの映画のDVDが入っていました。CDショップの名前も覚えがなかったので、どこかに旅行に行ったときにふらっと立ち寄って買ったものの、旅行から帰ってきて、そのまま奥にしまったものではないかと思いました。 トロンボーン奏者だったグレンミラーが編曲者・バンドリーダーとして自分の夢を追求し、徐々にそれを実現していく物語で、あまりJAZZに詳しくない私でも知っている、「ムーンライ

          70年近く経っても色褪せないグレンミラーの魅力

          文章書く人なら是非読んでほしい著作特集

          雑誌「広告」vol.414の著作特集を読みました。内容濃くてとても良かったです。 以前、著作権のことを勉強する必要があり、ビジネス著作権検定も受けたのですが、著作権検定はあくまで著作権法上の知識を身につけるためのものであり、今回の特集は、単に著作権のことだけでなく、その周辺のことやビジネスのことも記載されていました。 パクリってそもそもなんだろうか、クリエイティブコモンズとは何か、オマージュと引用はどう違うのか、ファッションにおける法的保護ってどうするのか、プロデューサーの仕

          文章書く人なら是非読んでほしい著作特集

          少し明るい兆しが見えてきた今だからこその一冊

          カミュの「ペスト」を読みました。今回のこともあり、とても売れているとのことで、私も手に取ってみました。先日「復活の日」を見たときもそうでしたが、今回のことを予見しているかのような記述で大変驚きました。特にこの「ペスト」では、1人ひとりの感情・機微があたかも現在の状況を的確に描写しているように感じたほどでした。 なぜ、ここまで的確に心情表現ができるのかと思っていたら、戦争の体験を寓話的に取り入れた旨の解説がされていました。 以前、企業のリスクマネジメントにおいて、「何が起こって

          少し明るい兆しが見えてきた今だからこその一冊

          現実を拡張することで未来の課題解決に繋げていく

          川田十夢さんの「拡張現実的」という本を読みました。この本は川田さんがテレビブロスで連載していたコラムを中心にまとめられたものです。 拡張現実というと、スマホでかざして見たり、特殊なメガネをかけて見ることで、情報が付与されることを想像しがちですが、川田さんが言っている拡張現実的というのはありとあらゆる世界での思考・行動が拡張していくことだと思います。 単に、通信速度が速くなっているとかAIやVRの技術があがっているということだけでなく、現実の世界にいろんな情報が重なり、新しいこ

          現実を拡張することで未来の課題解決に繋げていく