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日本でお金が生まれる仕組み
お金とは何か?ということについて考察した結果を先に投稿した記事で述べました。
ではお金がどのようにして生まれるのかを考えていきます。
お金は国債発行から始まる
日本政府は予算を審議し、承認を受けて国債を発行します。
国債の発行額は予算に組まれています。
国債は債権であり政府の借用証書で云わば借金と言えます。
一昔前、財務省ホームページは「国債(国の借金)」という表現を使っていました。現在は単に「国債」と書かれています。
これが意味する所は単なる借金では無いことを財務省が認めているのかもしれません。
実際、令和7年2月時点で参議院議員である西田昌司が過去に国債とは通貨残高と考えることができると言っています。
国債は誰が購入できる?
国債を購入できるのは、日本銀行に口座(日銀当座預金)を持っており、口座に残高がある機関だけです。
但し、日本銀行が政府から直接購入することは法律により禁止されています。
どのような機関が口座を持っているかは日銀か公開しています。政府、銀行、機関投資家、海外の中央銀行です。
お金には2種類の空間がある
お金にはマネタリーベースとマネーストックという2つの空間があります。稚拙でツッコミどころ満載ではありますが、図を作りましたのでご覧ください。
国債はマネタリーベースで流通し、マネーストックでお金になります。その流れは後述します。
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マネタリーベース
日本銀行の日銀当座預金口座にあるお金です。このお金は日銀に口座がある機関だけで流通します。
マネーストック
マネーストックは日銀が発行したお金で、私達が扱っているいわゆるお金の流通空間です。
私の書いたことは簡単なまとめで当たらずとも遠からずです。用語の厳密性を明示するために日本銀行のリンクを貼っています。
私達がお金として手にするまで
まずはマネタリーベースでの動きです。
政府が国債を発行します。
国債は一般銀行が購入します。政府の日銀当座預金口座にその額が入金され、一般銀行の日銀当座預金口座はその額を出金します。
政府は日銀当座預金の残高を元手に一般企業へ政府小切手を発行し、政策の実施を依頼します。
政府小切手は記名式小切手なので、普通にお金として流通できません。そこで、
一般企業は政府小切手を一般銀行(日銀代理店)に持ち込む
一般銀行に持ち込まれた政府小切手を日本銀行でお金として換金する。
一般企業の当座または普通預金口座に入金される。
ここで、マネーストックで流通するお金が生まれます。
一般企業で働いている人は、給料としてお金が振り込まれます。働いている人達はそのお金を使って生活をします。
まとめ
今回はお金の元となる国債発行から私達が手にするお金が生まれる流れをまとめました。
他にも地方自治体に対する交付金や給付金と言った流れもあります。
国債は国の債務ではありますが、国債を元にお金という債権が生まれていることも事実と言えます。