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ペーパーマリオオリガミキングを4年越しにクリアした話①
【はじめに】
先日、ペーパーマリオオリガミキングをクリアしました。
私は元々ペーパーマリオシリーズのファンであり、今春リメイクされたペーパーマリオRPGは特に好きな作品であり、これが人生で初めて自分の手で遊んだRPGでした。
オリガミキングが発売された2020年当時は忙しい時期で、その後も新しく発売されたゲームを優先して遊んでいる内に、あれよあれよと4年も過ぎてしまいました。
「あのペーマリRPGがリメイクされる!?!?」という驚きと、「遊ぶからにはちゃんと履修するのが筋・・・」と思い、今回やっと手を付けることが出来たのですが…
オリガミキング、めちゃくちゃ面白かった。
もうペーマリRPGは発売されたけど、オリガミキングのことを今でも引きずっている。
そんな訳で、自分の心にけじめを付けるため感想を書いています。もう全てが良すぎて何から話せば良いか分からなくなったので、自分が辿ったステージに沿って語っていきます。
過去作のネタバレも多分に含むので、閲覧は自己責任でお願いします。
【赤テープエリア】
初手から過去作要素てんこ盛りで胃がビックリしました。
ルイージのカート、ピーチ城・・・特に、マリオストーリーで登ったラストバトル前、あの螺旋階段をクッパと一緒に上るのは流石に激アツ過ぎないか!?上空に持ち上がった城から落下して森の中に落ちるのもマリストを感じる…感じない?
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かわいいクッパ様を永遠に撮っていた。以前に増して萌えキャラ度と化している。
今作はペラペラvsオリガミの戦いが描かれます。だからこそ、クッパ様およびクッパ軍団が完全に味方ポジションにいる事実に感動しました。これまでもなかまになる事はあっても何かしら戦闘したりしたけど、今回は最初から全力でなかまとして接してくれます。た、頼れる…なんか尊厳破壊されてるけど…。
さすがはライバル!て、これ全くマリオを知らない人が(いないだろうが)やったら、マリオさんとクッパ様って大仲良ピの親友だと勘違いされないか?開発スタッフにクッパ様の夢女がいる可能性が高い、じゃなきゃどうしてこんな可愛いくなるんだこの大魔王は。
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散々クッパ様を語ってしまいましたが、今作相棒キャラのオリビアちゃんについて。
あの…正直に言います…歴代の相棒キャラの中で1番好きです…かわいい…俺は懐古厨だったはずなのに……
相棒キャラはナビゲーター役、本来はゲームのことを教える立場なのに、「どうすればいいんだっけ?」「マリオさんわかります?」って逆に質問してくるもんだから、大丈夫かコイツ…?とはなりました。それでもよくよく思えば、ガチで生まれて間もない子どもだから当然のことなんだよな…「いってんご…?」もすき。この子、まず数字の概念を知らないんや…。
これまでの解説キャラって、なんだかんだ常識人だったり、精神年齢が高めだったりしましたが、オリビアちゃんはガチのバブだから世の中のことはよく分からないし、敵でも凄いと思えばそのまま声に出して褒めてしまうのが素直で…幼くて…オリビアちゃんはかわいいですね…。
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オリガミキングは発売から4年は経過している作品だから、当然ネタバレも受けてしまっており、中には致命的なもの(後述)もありました。中でもカラオケみたいなシーンがあることは知っていたけど、こんな歌詞だとは知らずゲラゲラ笑いました。誰だよこれ考えたの…曲のタイトルもこれだし…。
デクじいがこんなボロボロなのはキノピオのせいだ!許せん!みたいなエピソードがあった後に、「天然の木を100%使用してます!」って説明のキャンプ場だったり、「バトルの応援はもちろんコインがかかりま~す」って調子こいてたり、今作のピノキオたちの畜生行為が見事に並んでいて草でした。ラスボスにめちゃくちゃ恨まれてたけど、まあ当然か…みたいな気持ちにさせてくる。俺はどっちの味方になるべきんだ?
ハリボテクリボーの時点で「前作みたいにホラー描写力入れてんな」とは思うけど、ホラーはホラーでも虫が出てくる系のホラーとは思わないだろ!「まるでアレみたいです!」つって名前を出さないのMOTHERみがある。ツチガミしんでんに沸くキノピオも狭い所に入り込むリアルな虫感があって怖いけど、個人的には地上フィールドマップの至る所で折られたキノピオがうじゃうじゃいるのが気持ち悪かったです。他のマップはそうでもなかったな…ピクニック平原が異常なのか…?
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ツチガミ様は慣れない初めてのボス戦かなり苦労しました。でも楽しいな。
それでも、さっきまで威厳があった神様が、チアガールの持ってるポンポン振りながら場(土)を盛り上げてる絵面で全て吹き飛びました。ツチガミ様への大いなる尊厳破壊と想定外の可愛らしさに頭を打ちました。ここで完全に恋に落ちたな…。他の神様たちはまともなのに何でツチガミ様だけこんなかわいいんだ?
この戦闘後にバトルでヘンシンする度、観客席から「もりあがってきた!」の声が聞こえてくるの好き。ツチガミ様のヘンシンじゃないときも同じこと言うから、ライブのコールみたいな感じかもしれん、オタクのキノピオか?
(あと「やったか!?」もすき。フラグやめろ。)
今作のボスは文房具!というのは事前に知ってたけど、イヤミみたいな喋り方する色鉛筆が出てきたので笑いました。この後のブンボー軍団もそうだけど、無機物な癖に全員キャラが濃ゆいぜ。だって、今考えればコイツが一番まともなんだから…。
【青テープエリア】
和風系のステージって大抵後半に出てくるイメージがあったので、2面でいきなり来るのは想定外でした。ここのエリア、BGMも含めて最高に好き。ただし急流川下り、てめーは別だ。
モミジ山の自然豊かな景観の綺麗さ、続くOEDOランドの楽しげな観光地、全てが巡っていて楽しかった。なあ、ボム平…
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……実はボム平の顛末は事前に知っていました。
(なので初見の悲鳴要素は)ないです。でも、どのタイミングで“その時”が来るかは知らなかったので、とにかく日数かけて情が沸きすぎたらヤバい!!!少ない日数で集中して進めたる!!!という決意の元、青テープ~黄色テープ入り口までのエリアは丸1日を使ってクリアしました。
そのため、青テープ周辺はストーリーを抜きにしても、とてつもなく思い出深いエリアです。
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なお、ボム平のことは覚悟しながら接してはいましたが、現在進行形で引きずっています。俺はネタバレを受けたから我慢できたけどガチ初見だったら我慢できなかった。だってバレルやピンキーはピンピンしてたろ、あいつらは何なんだよ…この後どうやってリメイクのバレルと向き合えば良いんだよ…(すんごいバクハツ)
オリビアちゃんはガチの天然ボケであり、マリオさんは無口系主人公なので、(基本調子こきの三下みたいな性格はしてるけど)常識的でちゃんとツッコミ役をこなすボム平の存在は貴重でした。何しろ今作の登場キャラの9割がボケなので、第三者が絡むとガチでツッコミ不在の恐怖みたいになるんですよね。特にルイージ。今作のあいつどうした…?
とにかく、ここのトリオの会話が大好きでした。本当に…だいすきで…(発作)
他のエリアでもそうですが、ミズガミしんでんで大量にいるカニさんからパズルを取り返す時、「一気に敵を倒すにはどうすればいいの?」というヒントが出た事が印象的でした。オリビアちゃん本人は本当にどうすれば良いか分からないのをそのまま声に出しているけど、マリオプレイヤーならPOWブロック(そうでなくても敵を一掃できるアイテム)があるって事に気付けます。「わざわざこんなテキストがあるならきっとアイテムがあるはず!」とプレイヤー目線だと分かるのは、ある種メタ的なヒントだと思いました。
オリビアちゃんというキャラクター、本人は意図してないけど、プレイヤーにはこの先何をすればいいのか推理できるヒントを言ってくれるのが、絶妙な匙加減で良いです。
今作はいわゆる“観光地”がリアルに描かれてるのが演出的にもネタ的にも好きでした。赤テープエリアに戻りますが、ツチガミ神殿だといちいち金払って聞くしょぼい案内放送とか、OEDOランドだとフリーパス買わないとステージに再入場する度に金かかったりとか。これゲームやぞ!もちろんお笑い要素以外でもKARAKURIの手作り感や、ランド内のキノピオが運営スタッフとしてマリオに接してくれるのも、現実の施設に近い空気感を感じられました。後のステージでもそうですが、観光地ってこういうのあるよね~っていう色々なリアルさがふんだんにあるのが楽しかったです。
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今回のボス戦は舞台の演劇になぞらえて行なわれるのも、白鳥の湖に合わせてヘイホー達が本格的なバレエを踊るのも(そして綺麗な列をボコボコにするマリオさん)、エリアボスが小林幸子みたいな壇上から降りて来るのも、とにかく演出が良かったです。いや輪ゴムがラスボスみたいに歩いてくるってどんな絵面だけども。
クリア後にマツケンサンバみたいな音楽流しながら一行がパレードしていくのも笑いました。だからこそ、まさかこの流れで戦死した仲間を思い出す事になるだなんて思わねえだろうが!!愉快なシーンとの対比がエグすぎる。
この時点でなんとなく何が起こるかは察せてしまいました。
でも、今日中にやり切る!!!という目標に掲げていたので、そのままかぜわたり谷に進んでしまいました。ランドの営業が再開していることを知ったのは例の落石から戻った時で、そこでボム平と2人で写真を撮り、クリアするまでずっと更新できずにいました。でも、今の状態で写真を撮ったら…?という情報を知り、呻きながら新しい写真を撮りました。お前そこにいたんだな…。どんな形であれ、この3人の写真を残せたのが嬉しかったです。
【プリンセスピーチ号/かぜぬけるトンネル】
オリガミ兵にもハリボテ兵にも勧誘し、いついかなる時も思い出作りを催促しては勝手に自滅していくので、ボム平のことを「出会い厨」だの「思い出厨」だの呼んでいました。よくよく思えばイガグリ谷であちこち追っかけては寝てるボムへい叩き起こすってホワイト将軍じゃねーか!愛らしい三下としてこれまで慕ってはいたのですが、彼のことを本気で好きになったのはこのステージでした。
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基本的にのらりくらりとナメたスタンスで話している彼が大事なものを取られた時、普段の口調も消え明らかにガチギレしているのが好きです。長年マリオシリーズに触れていますが、オリガミキングは「ボムへい」という存在に正面から向き合った作品だと思います。戦って死ぬ兵隊としての誇りがあり、その分命や人生にかける想いも強い。だからこそ、大事な仲間を助けることがボムへい冥利につきること、幼なじみと共に一人前になれること、それから感謝を最期の言葉に送ったのだと思います。
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彼(ら)の人生観の重さや、いつものギャグみたいなテンションで上から落ちてくるなんて事にはならず、静かな空気と爆心地の荒れた光景だけが残るシリアスさに息を呑みました。
話には聞いていましたが、まさかここまで重い展開になるとは思わず、絶句しました。今までのシリーズだってシリアス展開はあったけど、奴らここまでやりやがった、本気(ガチ)なんだ…。一連のシーンにただただ呆然としていたのですが、とにかく「ファイアーエンブレム風化雪月を作った会社だ」と連呼しながら進んでいたと思います。
このシーン、オリビアちゃんが本気で落ち込んでいる事、そしてマリオさんが彼女を元気づけてあげるのがとても好きです。折角なのでサムスとドンキーの両方を試しましたが、身体を張っているのに子どもをあやせないお父さん感がありました。やるせない。
例の鉄板ネタを見て、少しずつ顔を上げて小さく笑えるようになったオリビアちゃんがかわいくて、切なかったです。そりゃ身近な誰かが亡くなるなんて初めての経験だろうしな…。
今作はマリオさんが情緒豊かに描かれていることがとても新鮮で好きです。爆発寸前のボム平を見て焦ったり、オリビアちゃんの質問に答えられなくて、目を伏せ肩を落としていたり。
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特に好きなのは瓦礫を調べたときの反応。あそこにボム平がいたことを知っているのはマリオさんだけなので、それを知らないオリビアちゃんがこう声を掛けている、今作で一番好きなセリフかもしれません。
他の人はそう思わなくても、マリオさんだけはあの瓦礫を気に掛けてしまうのがなんとも切ないです。マリオさんを動かしているのはプレイヤーですが、彼本人の心境がこのような形で垣間見えるシーンは、過去作と比べても段違いに多いと感じます。
いわゆる1~2面、そして3面の入り口だと言うのに、ここまで起伏の激しい展開が起こることに大変驚きました。噂には聞いていたけど、まさかここまでやるとは思っておらず、ペーパーマリオを舐めていたことを痛感させられました。
後の展開でもそうだけど、このゲームが全年齢対象なのはやっぱりおかしいと思います。このゲームを幼い頃に触れていたら、いろんな意味で一生引きずる伝説みたいなゲームになると思いました。今のキッズ、いいな。
長くなりすぎたので、黄色テープ以降は次の記事に移ります。