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金利と株価の関係は?

金利と株価の関係は、投資家にとって非常に重要なポイントです。

その仕組みをシンプルに考えるならば、まるでシーソーのような関係だとイメージできます。

金利が上がると株価が下がりやすくなり、金利が下がると株価が上がりやすくなる。

このシーソーの動きをしっかり理解していれば、株式市場の動向をより正確に予測することができ、投資判断に役立てることができます。

今回は、この金利と株価の関係をシーソーのイメージを通して、できるだけ分かりやすく解説していきましょう。

金利が上がると、株価はどうなる?

金利が上がると、一般的には株価が下がる傾向にあります。

シーソーの片方に「金利」があり、もう片方に「株価」があると考えてください。

金利が上がると、そのシーソーの「金利」側が上昇し、対する「株価」側は下がるイメージです。

では、なぜこのような現象が起こるのでしょうか?

その理由は、企業や個人が資金を借り入れるコストに関係しています。

例えば、あなたが新しい自動車を買いたいと考えているとしましょう。

そのためにローンを組もうとしたとき、金利が高ければ支払うべき総額が大きくなってしまいます。

すると、「ちょっと待って、今は買うのを控えようかな」と思うかもしれません。

企業も同様に、金利が上がると借り入れコストが増えるため、新たな投資や設備拡充を控える傾向にあります。

さらに、投資家にとっても金利が高い環境では、株式投資のリスクに見合ったリターンが得られにくくなる可能性があります。

「金利が高いなら、株式に投資するよりも、安全で確実な債券や銀行預金のほうが得じゃない?」と考えるわけです。

このような状況が重なることで、企業の業績見通しが悪化し、株価が下がることが多くなります。

金利が下がると、株価はどうなる?

逆に、金利が下がると株価が上がることが多いです。

シーソーの「金利」側が下がれば、「株価」側が上がりやすくなる。

金利が低くなると、企業や個人は資金を安く借りることができるため、投資活動が活発化します。

先ほどの自動車の例で言えば、金利が非常に低く、ほとんど利息がつかない状況なら、「今が買い時だ!」と感じて自動車を購入するでしょう。

企業もまた、「お金を借りるコストが低ければ、今のうちに新しいプロジェクトを始めよう」と考え、投資を増やす可能性が高くなります。

そして投資家は「金利が低いから銀行に預けても利息がほとんどつかない。

それならリスクを取って株式に投資しよう」と考えるため、株式市場に資金が流れ込みます。

結果として、株価は上昇します。

アメリカの政策金利と株価の関係

具体的な例として、アメリカの金利と株価の関係を見てみましょう。

現在(2024年時点)、アメリカの政策金利は約5%です。

この高い金利は企業の資金調達コストを押し上げています。

もし、仮にS&P500が大きく50%も暴落した場合、FRB(連邦準備制度理事会)は景気刺激のために政策金利を引き下げるでしょう。

過去の事例でも、経済の大きな危機が訪れた際には、中央銀行が金利を下げて市場を安定させる動きが見られます。

金利が下がれば、企業はお金を借りやすくなり、経済活動を再開します。

これにより、企業の業績は回復し、株価も次第に上昇することが期待されます。

リーマンショックと金利政策

実際の歴史でも、株価の暴落と金利の引き下げは何度も繰り返されています。

例えば、2008年のリーマンショックの際には、世界的な金融危機が発生し、株式市場は大混乱に陥りました。

その時、FRBは政策金利を迅速に引き下げ、ゼロ金利政策を実施することで市場を安定させようとしました。

結果的に、金利が引き下げられたことで経済が徐々に回復し、株価も次第に持ち直していきました。

暴落時のパニック売りは避けるべき理由

株式市場が大きく暴落すると、多くの人は「もうダメだ!株を売らなきゃ」と焦り、パニック売りに走ります。

しかし、この行動は往々にして逆効果です。

シーソーの片側が急激に下がると、つい慌てて飛び降りたくなりますが、シーソーは必ず再び上がるものです。

長期的に見れば、株価は下落してもその後回復することが歴史的にも確認されています。

そのため、暴落時に冷静さを保ち、株を手放さないことが重要です。

むしろ、市場が低迷している時こそ、安い価格で株を買い増すチャンスと捉えるべきです。

長期投資の重要性とシンプルな戦略

このように、金利と株価の関係を理解していると、短期的な市場の変動に惑わされず、長期的な視点で資産運用を行うことができるようになります。

特にインデックス・ファンドなど、市場全体に投資する方法は、金利の動きに対しても比較的リスクが低いとされています。

インデックス・ファンドは市場全体の動きに連動するため、長期的に持ち続ければ、金利が上下しても全体として資産が成長する傾向があります。

これは、長期的にシーソーに乗り続けていれば、必ずどこかで上昇局面がやってくるのと同じです。

シーソーに乗り続ける勇気を持とう

金利と株価の関係はシンプルなようで、非常に奥が深いものです。

金利が上がれば株価が下がり、金利が下がれば株価が上がる。

このシーソーの動きを理解することで、短期的な市場の動きに一喜一憂するのではなく、冷静に長期投資を続けることができるでしょう。

市場全体に投資し、シーソーにしっかりと座り続けることで、最終的には必ず報われるという長期投資の原則を忘れないでください。

投資においては、時には何もせず待つことが最も賢明な選択となるのです。

このシーソーゲームを楽しみながら、賢く資産を増やしていきましょう。

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