選択を最善にしよう!
「最善の選択をするのではなく、選択を最善にする」という言葉は、どこかで聞いたことがあるかもしれません。
これは、人生や投資において非常に重要な心構えです。
人は、何かを選ぶとき、常に「最善」を求めがちです。
でも、実は選んだ後にどう行動するかのほうが、もっと重要かもしれません。
例えば、投資の話をすると「インデックスファンド」はよく登場します。
「インデックスファンド」は、最善の選択ではないかもしれません。
でも、それが「最善でない選択」だとしても、選んだ後にどうその選択を扱うかが勝負の分かれ目になります。
それでは、少し深掘りしていきましょう。
最善の選択にこだわると、疲れる
まず、「最善の選択」を追い求めることの難しさについて考えてみましょう。
何かを選ぶときに、完璧な選択をするのは至難の業です。
例えば、スーパーで一つのトマトを選ぶときでも、どれが一番新鮮か、甘いか、傷がないか…と迷いに迷います。
トマトですらそうですから、投資のような大きな選択なら、なおさらです。
あれこれと情報を集めて、結局はどれもピンとこない…。
その結果、何も選ばずに時間が経ってしまうこともあります。
これを「パラドックス・オブ・チョイス(選択のパラドックス)」と呼びます。
選択肢が多いほど、選ぶこと自体がストレスになり、最終的に何も選ばないか、選んだことを後悔するという現象です。
そこで登場、インデックスファンド
インデックスファンドは、株式市場全体に投資する仕組みです。
つまり、一つの会社の株を選ぶのではなく、全体的に投資するわけです。
これ、例えるならば、スーパーで一つのトマトを選ぶのではなく、トマト全部をカゴに入れるようなものです。
新鮮なものもあれば、少ししなびたものもあるかもしれませんが、全体的にバランスが取れています。
そして、時間が経つにつれ、全体の価格が上がれば自然と利益が出る、という仕組みです。
「一番美味しいトマトを探すのではなく、とにかくトマト全部を買って料理しよう」という発想です。
選択を最善にするために必要なこと
では、なぜインデックスファンドが「選択を最善にする」手法だと言えるのでしょうか。
それは、選んだ後の管理が楽で、長期的に利益を得やすいからです。
たとえば、投資の初心者が最初に手を出すのは「最善の株」を探すことかもしれません。
「あの会社は成長しているから」「この業界はこれから伸びるはず」など、情報をもとに判断します。
しかし、どれが本当に正解なのか、未来を予測するのは非常に難しいものです。
一方、インデックスファンドを選べば、「どの株を買うか」ではなく「全体を買う」ので、予測の精度に依存しません。
たとえば、過去にリーマンショックのような大きな経済危機がありました。
個別株を持っていた投資家の中には大きな損失を出した人もいましたが、インデックスファンドを持っていた人は市場全体が回復したタイミングで損失を取り戻すことができた事例も多いです。
「インデックスファンドはつまらない」と言う人もいるけれど…
もちろん、インデックスファンドには批判もあります。
「つまらない投資だ」「一攫千金を狙えない」と言う人もいます。
確かに、急成長する会社に早めに投資して大儲けするようなドキドキ感は少ないかもしれません。
でも、宝くじのように一発逆転を狙う投資はリスクも大きいです。
多くの投資家が一つの会社に大きく賭けて、大きな損失を出すことも珍しくありません。
「最善」を求めて大きなリスクを取るか、「安定」を求めて着実に利益を狙うか。
これは投資の世界でよくあるジレンマです。
そして、長期的に見れば、安定した選択をし、それをコツコツと続ける方が多くの人にとっては「最善の選択」になりやすいのです。
まとめ:選択を最善にするために
最善の選択をするのではなく、選択を最善にする。
これは、投資だけでなく、人生のさまざまな局面において有効な考え方です。
たとえば、新しい趣味を始めるとき、どの楽器が「最善」かと悩むよりも、とりあえずギターを選び、それを楽しむために練習を続ければ、いずれそれが「最善」になります。
インデックスファンドも同様です。
「これが一番の投資法だ!」と確信を持って選ぶことは難しいかもしれませんが、選んだ後にそれをコツコツと続けることで、長期的に見てその選択が「最善」になるのです。
そして、何より大切なのは、選んだ後にその選択を信じ、楽しむことです。
インデックスファンドを買ったら、あとは気長に待つだけ。
トマトをカゴに入れたら、美味しいサラダを作るだけ。
選んだ後にどう動くかが、未来を決めるのです。
これが、最善の選択を求めるよりも、選択を最善にする生き方の真髄なのかもしれません。
その心構えを持っていれば、投資も人生も、きっと楽しくなるはずです。