
インデックスファンドの未来
「インデックスファンドに投資しておけば、長期的には右肩上がりになる」
そう信じている人は多い。
でも、こんな疑問を持ったことはないだろうか?
「もし世界経済が低迷し続けたら、インデックスファンドも上がらなくなるんじゃないの?」
「もう成長しない時代が来るのでは?」
今回は、この疑問について深掘りしてみよう。
そもそもインデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、株式市場全体の動きに連動する投資信託のことだ。
代表的なものには、「MSCIオールカントリー(全世界)」や「S&P500(米国)」 などがある。
市場全体が成長すれば、インデックスファンドも上昇する。
逆に、市場が低迷すれば、ファンドの価格も下がる。
これは単純な理屈だ。
だからこそ、「もし世界経済が成長しなくなったら?」という不安が出てくる。
歴史を振り返る:株式市場は常に成長してきた?
過去100年のデータを見てみよう。
• S&P500の平均リターン
1926年から2023年までの約100年間で、S&P500の年平均リターンは約10%だった。
• リーマン・ショック(2008年)
S&P500は約50%暴落したが、5年で回復し、その後も成長を続けた。
• コロナショック(2020年)
世界の株式市場は短期間で30%以上下落したが、わずか半年で回復し、その後過去最高値を更新した。
過去を振り返ると、株式市場は一時的に暴落しても、長期的には回復し、成長を続けている。
では、「今後は違う」と考える理由はあるのだろうか?
世界経済は本当に成長を止めるのか?
ここで、「世界経済が成長しなくなる未来」について考えてみよう。
いくつかの懸念点がある。
① 日本のように世界全体が「失われた30年」になる?
1990年以降の日本は、バブル崩壊後30年以上にわたり低成長が続いた。
• 日経平均は1990年の最高値(約39,000円)を超えるのに30年以上かかった
• 人口減少、低い成長率、停滞した企業文化が影響した
では、世界経済もこのように停滞する可能性はあるのか?
結論から言えば、その可能性は低い。
なぜなら、日本経済と世界経済には大きな違いがあるからだ。
• 日本は国内市場に依存しすぎていたが、世界経済は多様な国々の成長で構成されている
• 新興国(インド・東南アジア・アフリカなど)が今後も成長を牽引する
• イノベーション(AI、ロボット、クリーンエネルギーなど)が経済を押し上げる
② 「資本主義の終焉」はあり得るのか?
もし資本主義が崩壊すれば、株式市場も機能しなくなる。
しかし、現実にはむしろ世界は「より自由な市場経済」に向かっている。
• 新興国の発展 → インドや東南アジアなど、自由市場を受け入れた国々が急成長
• テクノロジーの進化 → AI・自動化により生産性が向上し続ける
• 環境・エネルギー産業の発展 → カーボンニュートラルに向けた投資が新たな成長を生み出す
資本主義が崩壊するどころか、世界経済はまだまだ発展し続ける可能性が高い。
「もし成長しなくても」インデックス投資は有効?
仮に株価が横ばいでも、投資で利益を出す方法はある。
① 配当再投資
S&P500の平均配当利回りは約1.5〜2%。
株価が停滞しても、配当を再投資すれば資産は増えていく。
② インフレ対策
株式はインフレに強い資産だ。
1970年代の高インフレ時代でも、株式市場は最終的に成長した。
③他の資産との比較
• 債券 → 金利が低いとリターンが限られる
• 現金 → インフレで価値が目減りする
• 不動産 → 維持コストや税金がかかる
• 株式(インデックスファンド) → 低コストで世界全体の成長を取り込める
成長が鈍化しても、インデックス投資は合理的な選択肢であり続ける。
「世界経済が崩壊する場合」の話
では、最悪のシナリオとして「世界経済が本当に崩壊する未来」を考えてみよう。
• 資本主義が完全に終わる
• 企業活動が停止し、株式市場が消滅する
• 通貨が機能せず、社会が崩壊する
このような事態が起きれば、そもそも投資どころの話ではない。
現金や不動産も無価値になり、必要なのは「食料」「水」「安全な場所」になる。
つまり、「インデックスファンドが上がらない未来」を心配する以前に、「そんな世界でどう生きるか」が問題になる。
そんな未来を心配して投資をやめるのは、本末転倒だ。
まとめ:インデックス投資は続けるべきか?
✔︎過去100年の歴史を見ると、株式市場は長期的に成長している
✔︎世界経済が日本のように停滞する可能性は低い
✔︎たとえ成長が鈍化しても、配当やインフレ対策としてのメリットがある
✔︎最悪のシナリオでは、投資どころではなく生き延びることが問題になる
「世界経済が成長しなくなるかもしれないから投資しない」よりも、
「成長が続く限り、インデックスファンドを持ち続ける」方が合理的ではないだろうか?
あなたはどちらを選ぶだろう?