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私の好きな本

私の好きな本について、一番好きな本を紹介します。
人様に紹介できるマトモな本がこれしかないというのもありますが。
青春ブタ野郎シリーズより第一弾、「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」です。


作品紹介

あらすじ紹介

作中で思春期症候群と呼称される超常現象に巻き込まれた思春期の男女の話が書かれている。
シリーズ第一弾である本作では高校2年生の主人公梓川咲太は同じ高校の先輩であり女優として有名な桜島麻衣がバニーガール姿で図書館にいるのを目撃するところから物語が始まる。彼女はある時から自身の姿が周囲の人間に見えなくなる、という事象が起こり、図書館でその検証をしていたという。それが都市伝説として知られる思春期症候群であると気付いた咲太は問題の解決のため麻衣とお近づきになろうとする。

作品展開

1巻ごとにタイトルが変わり「青春ブタ野郎は○○の夢を見ない」の形で全13巻出ています。また6巻までのコミカライズがされていますが、正直かなり更新頻度が低くアニメに追い抜かされています。
1~6巻が2018年にテレビアニメ化、6~7巻が2019年に、8巻と9巻の2つが2023年6月と12月に劇場アニメ化、10巻以降のテレビアニメ化が2025年から決定しています。

面白い点

 周囲の人間から認識されなくなるという思春期症候群を抱えた麻衣。その原因は彼女の思春期特有の繊細な悩みの他に、周囲の空気が密接に関わってきています。

「噂って空気みたいなものじゃないですか。『そういう空気』って意味の空気……最近じゃあ、読まなきゃいけないことになってる『空気』」「読めないだけで、ダメなやつ扱いされる空気……あれって、その空気を作っている本人たちに、当事者意識なんてないから、熱心に本当のことを説明したところで、どうせ『なにあれさむーい』ってなるのがオチですよ」

「青春ブタ野郎はバニーガール先輩の夢を見ない」p52

真実とは異なる噂で学校で腫れ物扱いされている咲太が弁明しないのかを問われた際の答えです。


 私たちは咲太のいう空気に我々は大きく影響を受けながら生活をしています。学生であるならば特にそうでしょう。いやなやつを誰かが調子に乗っているとかでグループから排斥しようとしたり、逆に何か気になるところがあっても自らが属しているコミュニティを維持するのに空気を読んで、息苦しさを覚えたりした人も少なくはないと思います。
本作品ではそんな空気読みがもたらす思春期の悩みを繊細に描いており、空気を読まれる側の麻衣の心情も共感しやすいものとなっています。また空気を読んでいる大勢の人の心情についてはあまり直接描かれてはいませんが、上述のように咲太のセリフにて説明や批判的表現をされる形でわかりやすいものとなっています。

 私がこの本を読んだ(アニメを見た)のは中学3年生の頃、思春期真っ只中でした。特別影響を受けたわけではありませんでしたが、初めてのライトノベルということもあってか咲太のどこか達観した考えてがとても印象に残っていています。完璧超人でもなければ聖人君主でもない普通の高校生が周囲の空気や自他の感情を正しく捉える、捕えようとする様にはどこか尊敬の念を抱いてしまいます。

 私はこの作品をアニメ(1~3話)を見たあとに本を読むことをオススメします。SF的な内容もあるため文章を読んだだけではわかりずらいところもあると思うからです。アニメでストーリーを動きと声付きで楽しんだ後、カットされた部分もある咲太の心情(地の文)を読み込むことでキャラクターへの理解が深まり共感できるからです。

シリーズモノなので長く楽しめる作品となっています。
皆さんもぜひ読んでみてください。

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