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あの世はいいところ〜だって誰も帰ってこないもの。〜


あの世はいいところ
〜だって誰も帰ってこないもの。〜


さて、昨今は出生率よりも死亡率が高い世の中となりました。
安らかに眠る人や、病に苦しんで亡くなる方、不慮の事故に遭遇する方や、時には自ら選ばれて逝く方もいます。
諸外国を見ると、争いの末に若くして帰らぬ人となることもあります。

この世には十人十色、たくさんの死に様があります。
誰がどんな死に様でも、無意識のうちに安らかにいてほしいと強く、またはなんとなく願うものです。
そんな人々の願いが作り出した世界が「死後の世界」かもしれませんね。

我々が考える死後の世界は、概ね「天国と地獄」とで分けられますね。
宗教によっては、他にもさまざまな世界があるかもしれません。ですが今回は宗教学の講義ではないので、それはさておいて。

地獄に落ちるためには、「悪いことをする」
天国へ行くためには、「良いことをする」
そう教育されてきた人が多いかと思います。

では、とある人が死に面して「その人間が送ったのは良い人生が悪い人生か」「地獄行きか天国行きか」を判断するのは誰でしょうか
細かいことは、また改めて違う投稿で深くお話しするとしましょう。

とにかくそんな判断、
この世の人間では誰もできません。

この世の中で悪事が見つかった場合、
まずは警察にお世話になります。
その後、公平に裁かれ、悪事の責任を取るために社会的に罪を償います。

では果たして、
死後の世界の治安は誰が守ってくれるのか…
そんなの知ったこっちゃありません
死後の世界を直接に見聞きした人がいるなら聞いてみたいものですが、生憎、誰も帰ってこないのです。

あの世が理不尽に裁かれる悪い世の中なら、どうにかして「ここは悪いから来るな!」と強くメッセージを掲げてほしいものですが…今のところ、そのような便りはありません。
しかし確実なのは、あの世へお出かけされた皆様は誰一人として帰ってはこないという事実です

きっと、満足した生活を送っているのでしょう。たとえ満足ではなくとも、この世で生きるよりはよっぽどマシな生活かもしれません。
そう考えると、この世は人間関係やお金、愛に戦争…悩みが尽きず地獄のようです。
これをお読みの皆様、この地獄をよくぞ生きておられます。

いま幸せな人は、地獄のような世の中を楽しむことができる器用な人です。
いま不幸な人は、そりゃ当然です。ここは天国に比べたら地獄なのですから。

この世の中は生き物のように動き、制御なんぞできません。
つまりこの世の地獄を変える事はできず、なるようにしかならんのです。
人間はなんと下らなく、無力なのだろうか。

不幸だろうが幸福だろうが、皆様が生きていることには変わりありませんし、どっちにしろ、いつかみんな必ず死にます

生き方の最後を飾るのは、死です。
生と死は対に見えますが、グラデーションのように繋がっています
たとえそれが急死だとしてもグラデーションであると言えます。なぜなら、無から死は生まれませんから。

生に理由がないように、死にも理由はありません。炎が燃えることにも、虹が出ることにも理由なんぞありません。

ただこの時空と時間があるのみで、我々はただその中でやり過ごす事しかできないのです。
私が生まれた理由は存在しませんが、その時間をどう使うかが「生き方」と言えるかもしれません
そしてどう終わらせるか…最後まで足掻くのか、諦めるのか。即ち、死に方さえも言わば生き方です


遅かれ早かれ、
命あるものはいつかはあの世行きです。
でも大丈夫、
すでに去った人もこれから去る人も
必ず幸せになれます。
なぜならこの世を過ぎた人は、
この世に帰ってこないことを
証明していますから。

どうせ死ぬ時はただ一人。
今のうちに会いたい人に会っておきましょう。

女・著

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