私もあなたも世界の一部
今日私がいつも通り駅に行くと、改札の近くでしゃがみこんでる人がいました。どうしたんだろうと遠目から覗いてみると、その人はどうやら清掃員で、雑巾のようなものでタイルを拭いていたんですね。
これまであまり気にしたことがなかったんですが、駅のタイルって実はめちゃくちゃ汚れているんですね。
毎日たくさんの人が靴で踏んでいくので考えたら当たり前なんですが、拭いたところと他のところの境目が遠目に見てもハッキリと分かる程で、思わず目を丸くしてしまいました。
せっせと拭いているその人を見て、私はふと何かのCMで聞いた「世界は誰かの仕事でできている」というキャッチコピーは本当によく言ったものだなと思いました。
私は私の日常、私の人生に精一杯で、赤の他人の働きにじっと注目することは中々できません。
でも私の日常の中の「当たり前」は、実は私以外の誰かがいてくれているおかげで成り立っていて。
もしその人たちがいなかったら、私の一日はきっと180度変わってしまうと思います。
私からは見えないところで動いてくれている人。どこかで今日を生きている人。
そんな顔も知らない人たち全員に、心からありがとうございますと言いたくなりました。
この世には、自分は社会の歯車なんかにはなりたくない!と感じている人もいるだろうと思います。
私もその言い方は何だか自分という存在が軽んじられているようで、嫌いな時期もありました。
でもきっとそういう人たちも、気付けば社会を回す一部になっているんだと思います。
どこにいても、何をしていても、きっと自分以外の誰かと、何かを通じて繋がっているはずだから。
自分以外の誰かのおかげで毎日を生かされて、そして誰かを生かしているから。
自分がこの世界のどこかに「ありがとう」を生んでいるのかと思うとすごく幸せな気持ちになるのは、私だけでしょうか。
帰り道、同じ電車から降りてきたであろう人が道端で立ち止まって、空を紅く染める夕日を写真に撮っているのを目にしました。
本当に、自分は社会を回す一部になんかならないし、一人で生きてやるんだ、なんて、どうして思えたんだろう。
行き先や帰り先は人それぞれ違っても、一生の中で一度も出会わなくても、皆この空の下で生きて、互いの努力に支えられているのに。
その努力を素直に見つけていける人でありたいと、心から思いました。
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