地面に根を張り、両手を広げる
安定してるのと不安定なの、どっちがいい?と聞かれたら、大抵の人は安定している方がいいと答えるんじゃないかなと思います。
収入にしろ人間関係にしろ、ステディな方が安心できますものね。
たまには刺激を求めて慣れないことにチャレンジしてみるのも気分転換になりますが、帰る場所がないと不安が募ってしまうものです。
では、頑固なのと柔軟なのでは、どちらの方がいいんでしょう。
この場合は、柔軟な方がいいような気がします。
頑固の意味を辞書で調べると、
「かたくなで、なかなか自分の態度や考えを改めようとしないこと。」
「人の言うことを聞こうとせず、自分の考えを押し通そうとするさま。」
などの説明がされています。
なんとなく、マイナスっぽい雰囲気を感じますよね。
まぁ実際、「あの人って頑固だよねぇ」と言うのは、大抵は悪口の部類に入るような気がします🤔
初めから完璧な人間なんてこの世にはいません。程度の差はあれど皆誰かしらに依存していて、周りの人から影響を受けながら徐々に変化していきます。
人に教えてもらいながら自分をより良い人間にアップデートしていくこと。成長するというのはそういうことだと私は思ってます。
そういう意味で、変化を受容する柔軟さは大切ですよね。
だけど、「安定」と「柔軟」という状態は、互いに矛盾しているような気がしませんか。
「安定」というのは「変動がない」という意味です。
つまり、「外部に影響されない、絶対的な確実さを持っている」ということ。
それに対して「柔軟」というのは、外部からの働きを受容していくことでした。
ということは、それぞれ大切なはずのこの二つは、両立できない…?
と思っていたのですが、ミルトン・メイヤロフという倫理学者の本に、考えるヒントを見つけました。以下引用してみます。
「基本的な確実性というのは、岩にしがみついているような状態というよりも、世界に根をおろした状態という方が当たっている。」
「こうした状態のおかげで、私は開かれた存在として他を受容できる状態にある」
…これに私はハッとしました。
そうか、安定性というのは、岩にしがみつくのではなくて、地面に根をおろしている状態を言うのか。
そう考えると、安定と柔軟という言葉が、矛盾せずにピタッとハマります。
もし岩に必死にしがみついていたら、両手はふさがるし、顔が岩に張り付いてしまって、周りの景色を見ることができません。
だけど、地面に根をおろした状態なら両手を好きに動かせるし、周りを見渡すこともできます。
暖かい日差しが降ってきたら両手を広げてその光を浴びて、栄養分が近くにあればそれを吸収する。
根は地面に付いていて安定しているけれど、常に「開かれた」存在として外部のものを受け入れている。
そう考えると、安定というのは必ずしも滞りじゃない。エネルギーを絶えず補給して、成長を続けている状態なんだ。
そう思うと、この「安定」+「柔軟」というのは、最高に理想的な状態であるように思えてきます。
私はまだ、全てが安定した生活というものには辿り着いていません。そのゴールを目指して進んでいるけど、どこかで不安がありました。そこに辿り着いたら、その後私はどうするんだろうって。
だけど、安定は決して成長をストップさせることを意味しないんだな。
それはそれで大変かもしれないけど、どこまでも先へ行けるって、楽しみが尽きないということかもしれない。
これからも地面に根を伸ばしつつ、色々なことを知って変わっていこうと思いました😌
読んでくださりありがとうございましたっ✨
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