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ちょっといい話 誕生日プレゼント
息子から、ちょっとわかりにくい誕生日プレゼントでした
子どもも大きくなるとお母さんに誕生日プレゼントなぞしなくなります。
これは昨年息子からもらった誕生日プレゼントの、ほんのちょっぴりいい話です。
その日私は誕生日でした。
でも息子二人は大学生。プレゼントをくれるどころか、誕生日すら覚えていないかもしれません。
夜になってそれでもケーキだけは夫が買ってきて、それぞれで食べなさいとなりました。
その後私がゲームをしていると、息子が来てコミックを2冊テーブルにぽんと置きました。
「誕生日プレゼント」
「女の園の星」という和山やまさんのマンガです。
くれるの? と言おうとしたらその前に、
「貸すから」
と言うではありませんか。
あ、貸してくれるのね。
なんだと思いました。貸してくれるだけかと。
まあ、マンガはとてもおもしろく大満足で息子に返したわけですが、何かプレゼントだかと心の中では思っていました。
息子の小さな気遣いに気づいたのは、そのだいぶ後です。
息子はマンガは全て電子書籍で買って読んでいたようです。そっちの方が安いのだとか。
しかし「女の園の星」は、私が喜ぶだろうとわざわざ紙の本を買って読ませてくれたのでした。私がつねづね、電子書籍は読みにくいと言っていたのを聞いてのことでしょう。ちっともありがたみを感じていなかった自分を反省しました。
紙の本を買ってくれてありがとうと言えばよかった。
その息子も就職で家を出て、「女の園の星」ももう家にはありません。