昔、飼っていた猫の思い出 ②
昔飼っていた猫は12歳で腎不全を患い死んでしまいました。その思い出の記録です。
猫は、食欲と好奇心、いたずら心、そして野生でできていると思う。
性欲は、タマを取ったときに失っている。(去勢手術の後、タマを見ますかと聞かれた時は驚いた。五人目の子を流産した時、胎児を見ますかと聞かれたときぐらい驚いた)
食欲の話だ。
猫の食欲はすごいのだ。どうすごいのかというと、甘えたふりをしてくるという高度な技術を使うのだ。
猫はお腹がすくと、ご飯ちょうだいと言って甘えてくる。すごく甘える。とてもかわいい。
それでご飯をあげると、手のひらを返したように甘えが止まり、どこかへ行ってしまう。見事なものだ。ご飯さえもらえりゃいいのだ。
猫が甘えてくるときはご飯が欲しい時。
これ真理。
*
さて、うちの猫はよく脱走をした。
目を離したすきに、ほんの0コンマ1秒のスキに網戸を開けて外へ出てしまう。
誰も出るところを見ていない。
あれは外で暮らしていた野生の名残か、はたまたいたずら心か。
最初のうちは野生の心があったかもしれないが、大人になってからは完全にいたずらではないかと思う。
人の目を盗んでというところがおもしろいのだ。
ゲームだ。
いなくなって大騒ぎになるのを楽しんでいるのだ。
猫は外に出ても遠くへ行ったりはしない。
家の周りに潜んでいる。
追うと逃げる。
完全に遊んでいる。
飽きると自分で家に入っている。
野生かいたずら心かといえば、この困った猫は大変なところでうんちをするのが習慣化してしまったことがある。
ある日、義姉の「りんさーん、りんさーん」と呼ぶ声がする。
行ってみると、二世帯住宅の義父の家、義父のベッドの上に猫のうんちがある。
「すみません」と平謝りで片づける羽目になる。
いつ入った。
いつやった。
あれは完全に遊びだ。
周りが大騒ぎになるのを楽しんでいる。
トイレ以外で便をしてはいけないなんて分かっているはずだ。
確かそんなに赤ちゃんでもなかったし。
人が見ていないスキにこっそり義父の家に入るスリル。
ベッドでうんちをする背徳感。
猫はそういうの好き。
絶対好き。
結局五回ほどおやりになりました。
よほど楽しかったんでしょうね。
(つづく)