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怒ってごめんなさい
寒いので足元に電気あんかを置いて寝ています。
猫が一緒に寝るのですが、明け方目が覚めて猫があんかの上に陣取っているのを知りました。
低温やけどしやしなっかと思ったのです。
それで足で猫をあんかから離しました。
そうしたら、猫が怒ってひっかいてかみついてきたのです。
そりゃあそうですよね、せっかく寝ていたのにけられてはたまりません。
でもそのひっかきが痛かったものですから、私は本格的に怒って猫を布団から出してしまいました。
猫は賢くて従順なものですから、その日はもう布団に来ることはなく、寒い室内で丸まっていたようでした。
あとでね、反省しましたよ。
かわいそうだったな、あんなことしなきゃよかったな。寒かっただろうな。
もう決して猫を追い出すようなことはすまいと。
今まで低温やけどなんてしなかったんだから。
などと思っていて、ふとデジャブを感じたんです。
この感じ。
以前もしょっちゅう味わっていた、この感じ。
そう、子育てです。
私には4人子どもがいました。今はもう大人になって就職や結婚で家を出ていますが、その子たちが小さかったころ、私はいつもこう思っていたのです。
怒りすぎちゃった。失敗だったな、自分が悪かったな、もう決してこういうことはしないでおこう。
その繰り返し。
繰り返し。
3人目だって、4人目だって、子育てに慣れるということはありません。
怒りすぎたり、理不尽を言ったり、だめな母親でした。
夜、反省をするのです。
ごめんなさい、と。
もう怒らない、と。
もう20年も30年も昔のことです。
だめな母でしたが、子どもたちは全員それなりに育っていきました。
なんてことを、猫とのことを反省しながら考えてしまいました。
子どもが4人だったものですから、子どもを通してお母さんをたくさん知っています。
皆、何かしら悩んでいました。
子育てに自信満々の人なんていません。
というか逆に、子育てに自信満々な人が怖い。
話がそれていきましたね。
猫さん、ごめんね、もう布団の中から追い出したりしないよ、の回でした。
お読みくださりありがとうございました。
子育てと書いて、怒って反省することとルビをふりたい。
ついでに、人生と書いて、失敗して反省することとルビをふりたい。