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カッコ閉じの直前に句点はつけるのか

西加奈子さんの「くもをさがす」を読みました。
小説はとてもよかったのです。
異国の地で癌になり、それがちょうどコロナの流行とかなさり大変な苦労をされたこと。
それがただ辛いだけではなく、強く周りは優しく時々は自分も弱く、西加奈子ワールドがとてもよかった。
だからこれは小説についての文章ではありません。

文章の書き方でひとつふたつ気になったことがあったので書いてみます。
それは鍵(かぎ)カッコの中(カッコ閉じの直前)に句点をつけるかということです。
例えば、
「おもしろいなあ。」
私はこういう時「。」はつけません。
西加奈子さんの場合「!」「?」以外の「 」にはすべて「。」がついていました。
それがとても気になったものですから、ほかの小説も調べてみました。

同じく西加奈子さんの「サラバ!」から抜き出します。
「貴子、こっち来なさい。」
やはり「。」がついています。
「漁港の肉子ちゃん」には、「……何が不満なん。」とあります。
西加奈子さんは「 」内の文(カッコ閉じ直前)には「。」をつける人なんですね。
これは間違いではないと思います。ひとつの作品の中で「。」をつけたりつけなかったりはやはりだめかと思うのですが、統一できていればそういう考え方で文章を書いている人だというのが分かるのでいいと思います。

ちなみに気になったので他の人の小説もみてみました。
たとえば西尾維新「掟上今日子の備忘録」 → 「……手が届かないよ」
朝井リョウ「何者」 → 「あの、もしかして」
川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」 → 「いらいらすんだよ」
すべて「。」はついていませんでした。
 

さて、西加奈子さん、もうひとついいでしょうか。
「くもをさがす」でもうひとつ気になったのが、全て数字で書かれていることです。
私は、縦書きの小説の場合漢数字で書くものと思っていましたのでびっくりしたわけです。
それでやはり他の小説、西加奈子「サラバ!」を見てみました。
「女の子は7人いた」「3年生のクラスに」
あら、やはり数字でした。
西加奈子さんは数字で書く人なのですね。
これも作中で統一されていれば問題はないことだと思います。
 
で、こちらも調べてみました。
たまたま図書館で借りてきていた本「パレスチナ イスラエルのいま」では、「530村」「1977年5月」「11時半」と、数字でした。
これは小説というより報告の文書という意味合いが強く、こうなったのでしょう。
では小説では。
前述の西尾維新「掟上今日子の備忘録」 → 「一月に対する強いこだわり……」「四月には……」
漢数字が使われています。
朝井リョウの「何者」 → 「十二月一日が近づいてくると……」
やはり漢数字です。
川上未映子「すべて真夜中の恋人たち」 → 「十分間ほど」
やはり漢数字です。
どうでしょう、今後小説(縦書きの場合)は漢数字から数字に変わったりするのでしょうか。
 
ただ西加奈子さんの、「 」内に「。」をつけること、数字を使うこと。
その2つ、驚いたので書いちゃいました。
どうしてそうしているのか、すごく知りたい。
 

追記
偉そうなことを書きましたが、私は専門家でも何でもないただの文章を書くのが好きなおばあさんです。
間違ったことを書いていたらごめんなさい。

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