タンパク質の分解と再合成
筋肉、皮膚、髪の毛、内臓や血管、ホルモンや酵素にいたるまで、タンパク質はヒトの体のあらゆるところで働いています。
では、口からとり込まれたタンパク質は、どうやって体の各部位で使われるようになるのでしょうか。
まず、口から胃へ送られたタンパク質は、ペプシンという消化酵素にアミノ酸同士の繋ぎ目を切られます。
次に、十二指腸で、膵液に含まれるトリプシンやキモトリプシンなどの消化酵素でさらに細くアミノ酸の繋ぎ目を切られて小腸へ送られます。
小腸で分泌されるペプチターゼが、タンパク質をアミノ酸が2〜3個繋がった状態(ペプチド)までバラバラにします。ここまで分解されてはじめて、タンパク質は体内に吸収される形になるのです。
小腸から吸収されたアミノ酸は、毛細血管から全身の細胞に運ばれていきます。そして細胞内で、運ばれたアミノ酸を原料に新しいタンパク質がつくられていくのです。
細胞といえば、私たちの体を構成する一番小さなもの。ヒトは約37兆個の細胞でできているといわれています。その一つひとつの中で、巧妙なシステムによって日々タンパク質がつくられているのです。
食べたタンパク質が最小単位のアミノ酸まで分解されて再合成されるまでの一連の流れをまとめました。こうしてみると、タンパク質が生命維持のために至るところで働いていることが分かりますね。
タンパク質の吸収率が高いのは、植物性よりも動物性のタンパク質ですが、豚肉や牛肉は脂質が多いと消化に時間がかかります。なので、消化をスムーズにする工夫も大切です。
調理前にお肉を塩麹などに漬けておくと、タンパク質が分解されて消化がスムーズになります。
もちろんよく噛むことも大事です。理想はペースト状になるまで噛んでから飲み込むと良いそうです。何回噛めばいいのかな?笑
私は、無意識に次から次に食べ物をかき込むクセがありました。
消化ということを意識してからは、一口食べ物を口に入れたら、箸を置くようにしています。
しっかり噛んで飲み込んでから、次の一口を入れるようにすると噛む回数が増える気がします。何回かは数えませんけど笑
また、お肉を食べるとき、ビタミンCやビタミンB6を含む野菜(玉ねぎなど)と一緒に食べるとアミノ酸の分解や合成を助ける働きがあるので、タンパク質の吸収効率が高まるそうです。
BBQのとき肉だけだとそんなに食べられないのに、間に野菜を挟むだけでより美味しく肉が食べれるのは消化のおかげなんですね。
いつもでも肉がしっかり噛めて美味しいと実感できるには、健康な歯を維持することも大事ですね。
参考文献:「知識ゼロでも楽しく読める!たんぱく質のしくみ」西東社