プロテインスコアって?
分子栄養学を学んでいると、いろいろな専門用語に出会います。
プロテインスコアもそのひとつです。
動物性タンパク質と植物性タンパク質
タンパク質には動物性と植物性があるのはみなさんご存知ですよね。
動物性タンパク質は、肉、魚介類、卵、乳製品などです。
植物性タンパク質は、豆類、穀物、ナッツ、種子、野菜などです。
動物性タンパク質と植物性タンパク質の違いは、
必須アミノ酸のバランスです。
動物性タンパク質は、すべての必須アミノ酸をバランスよく含んでいるため、完全タンパク質と呼ばれます。
一方、植物性タンパク質は、一部の必須アミノ酸が不足していることが多いので、植物性だけの食品ではタンパク質が不足してしまうことになります。
プロテインスコアとは
食品の中にどのくらいの割合でタンパク質が含まれているか、その指標となるのが「プロテインスコア」です。
プロテインスコアは、1957年にFAO(国連食糧農業機関)によって提示された食品中のタンパク質の品質を評価するための指標で、卵及び牛乳のアミノ酸組成から導かれています。
アミノ酸スコアとの違い
アミノ酸スコアは、国際基準はFAO/WHOによって提示されてきたものです。
日本では1973年および1985年に提案されたものをアミノ酸スコアとして表記し用いています。
プロテインスコアでは、栄養摂取の目標達成は困難との判断から、のちにアミノ酸スコアとして目標数値が緩和されたそうです。
(一般的にはプロテインスコアは使われずアミノ酸スコアが使われています。)
藤川徳美医師によりますと、プロテインスコアとアミノ酸スコアを比較すると、アミノ酸スコアの方が、数値が高い食品が多いそうです。
上記のように、アミノ酸スコアは、肉類が全て100になっていたり、大豆の数値が86とプロテインスコア56より上がっていたりするなど基準が甘いのではないかと指摘しています。なので、プロテインスコアで必要なタンパク質量を考えて摂ることを勧めています。
他の分子栄養学の本では、「植物性タンパク質と動物性タンパク質を一緒に摂取するとアミノ酸スコアが上がりタンパク質を有効に摂取できる」という記述もあり、冷奴に鰹節をたっぷりかけるとか、肉どうふ、すき焼き、肉野菜炒めなどを勧めています。
まとめますと、私のようなシニア女性で肉をたくさん食べられない、一人分の料理を作るのがめんどくさいという人は、1日に必要なタンパク質量(体重×1g)をプロテインでしっかり摂った上で、足りない分を食品でカバーしたらいいのではないでしょうか。
気が向いたら、動物性と植物性のタンパク質の食品を組み合わせた料理を楽しめばいいし、手っ取り早く栄養補給と思うのなら、効率よく摂れる食品を選ぶという柔軟な考えでいいのだと私は思います。
動物性も植物性もタンパク質は
どちらも必要な栄養食品。
上手に組み合わせて美味しく食べましょう!
参考文献:「うつ消しごはん」藤川徳美
「アスリートのための分子栄養学」
星 真里