鷹端 ~現役男子大学生の徒然話~

地方の国立大学に通っています。政治、経済、歴史、文学、広義で哲学に興味があります📕日常の中で起こった出来事から書評に至るまで、自由気ままに発信して行きます🖋 投稿へは気軽に反応お願いします🙌 ・投稿頻度は気まぐれです ・投稿は気分で敬語とタメ語を行き来します

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大学生が、生まれて初めてふんどしを巻いた時の話 ~間近で見た生きる伝統、「加賀鳶」の素晴らしさ~

 こんにちは!現役大学生、鷹端です。突然ですが皆様、「加賀鳶(かがとび)」というものをご存じでしょうか?古くは、江戸加賀藩の時代から現代に至るまで行われている伝統の一つであり、今は石川県金沢市に住む各地の消防団員が、梯子の上で演技をする「梯子登り」として受け継いでいます。ちゃんと江戸時代の技が、今に伝えられていると聞くので驚きです。僕の説明では言葉足らずな部分が多々ありますので、より詳しく知ってみたいという方は、金沢市消防局のサイトに載っておりますので、下記のリンクから是非ご

    • 雑誌を刊行する運びとなりました!

      お久しぶりです。突然ですが、東京の学生読書会の友人らと、雑誌を刊行する運びとなりました!集った喫茶店の名に因んで、雑誌名は『ダフネ』です。批評、詩、俳句、小説、それぞれが思いのままに書つけました。 想いは編集長に同意です!自分は批評と小説を一作ずつ、載せていただく形になりました。 5/21(日)文学フリマ東京36 G-45ブースにて、定価1000円で販売予定です!手に取っていただき、お気に召しましたら是非、お買い求めください!

      • 太宰治『冬の花火』太宰作品感想20/31

        本作『冬の花火』は、太宰治の戯曲である。戯曲の意味を改めて確認したくて、調べてみるとこのように出て来た。 ふむ、小説とは違うことを無知な僕も理解する。本作が、小説らしからぬ雰囲気をまとっていたことも腑に落ちる。戯曲の意味も予めわかっていないような非文学部大学生がお送りする「太宰治作品感想シリーズ」も、今回で20作品目に突入した。よろしければ、最後までお付き合い頂きたい。 『冬の花火』は、数枝のこんな一言から始まる。 こんなことを書いたものだから、きっとGHQに戯曲の上演

        • 太宰治『新樹の言葉』太宰作品感想19/31

          10月が終わってしまう。太宰作品感想を10月中に書き終えて、11月はプラトンの作品感想でも始めようと思ったのに…。ちょっと無理そうです。 『新樹の言葉』の主人公は、乳母に育てられた。乳母はその後、結婚をして子を設けた。その乳母は割と早くに亡くなってしまうのだが、彼女の息子たちにはよく主人公のことについて語り聞かせており、彼ら兄弟は主人公にいつか会いたいと願っていた。そうして友人づてに主人公を見つけ、念願適い遂に出会うこととなる。 主人公の家での感動の出会い(主人公は、まだ

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        大学生が、生まれて初めてふんどしを巻いた時の話 ~間近で見た生きる伝統、「加賀鳶」の素晴らしさ~

          太宰治『畜犬談―伊馬鵜平君に与える―』太宰作品感想18/31

          犬は危険な生き物であるという主人公の意見に、幼少期の僕であれば大賛成であったろう。あんな危険な生き物を、何故ペットとして飼育しているのか不思議でたまらなかった。昔の僕は、犬を見る度ごとに走って逃げた。速く動くものに犬は吠える。吠えられた僕は、また恐怖する。その繰り返しから抜け出したのは親に走るなと言われ、勇気をもって犬の前を歩いたときであった。何にも怖くないというふりをして犬の前へゆっくりと一歩踏み出した僕はあの日、一歩大人になったのだと思う。 犬嫌いの主人公は、別にそれで

          太宰治『畜犬談―伊馬鵜平君に与える―』太宰作品感想18/31

          太宰治『佳日』太宰作品感想17/31

          介護福祉論の講義を受けながら、今この記事を書いている。講義中に他事をするのは良くない。僕もそう思う。でも僕はしっかり聞きながら書いているから、お説教は余計なお世話である。こんなこと書いてよいものかわからないが、高齢者福祉の講義は何だか気が重くなる。教室内の空気も、なんだか重苦しい。 『佳日』という作品は、面白おかしい作品として、また太宰の豊かな文才が発揮された作品として人気なようである。渡支(中国へ渡ること)していた友人の結婚のために太宰は奔放する。素直になれない人間という

          太宰治『佳日』太宰作品感想17/31

          太宰治『散華』太宰作品感想 16/31

          詩とは、一体なんだろうか。つい先日、文学概論の講義で女子学生が「詩とは何ですか?」と、その問いこそ詩的だと言いたくなるような質問をしていたが、フランス文学研究者(主にモーパッサンを研究)の教授は、それに「私は詩は、何かを讃えるものだと思うんですよ。」と応えていた。僕には、あんまりしっくり来なかった。女子学生も、何か腑に落ちない様子であった。 太宰も『散華』において、詩について考えを巡らせていた。一時期、三田という学生が太宰のところへ時々顔を出していたのだが、太宰は三田の作品

          太宰治『散華』太宰作品感想 16/31

          太宰治『トカトントン』太宰作品感想15/30

          降水率が日本一高いという、石川県に住み始めて二年以上経った。そのせいか、今日の青空が非常に気持ちがいい。昭和20年8月15日正午の日本の空は、北から南までよく晴れていた。三島由紀夫はそれを後に、「絶対の青空」と表現している。 日本はその日、長い戦争を終えた。中国との戦いも含めれば15年余り、文字通りの「長期戦」に、終止符が打たれた。資源のない我が国が、戦争を長期化させたその先で勝利を望めたかということについて、今更何か論じようとも思わない。多くの者が傷を負い、多くの者が死に

          太宰治『トカトントン』太宰作品感想15/30

          太宰治『たずねびと』太宰作品感想14/31

          最近は専ら、太宰の戦中の作品を追いかけているのだが、『たずねびと』は初めて読んだときから大変に印象に残っていた作品で、いつか本作について何か書くことができればと考えていたので、今日はこの場をお借りして、いくつかのことについて書きたい。 太宰治個人に限らず、日本人全体が死に晒されていた戦争末期の時代。太宰は東京から妻の国元である甲府へ一度逃げたのだが、そこでも空襲を受け、ついに故郷の青森へ向かうことにした。しかし、太宰は空襲の難から逃げるために故郷の片田舎へと向かうことを決め

          太宰治『たずねびと』太宰作品感想14/31

          太宰治『薄明』太宰作品感想13/31

          10月中、連載を続けている太宰治の作品感想。今回は『薄明』を選んだ。 私は今、金沢で学生をしている身なのだが、この地は空襲がなかったという点で他の中核市と一線を画している。そのため道が入り組んでおり、新興地域に出なければまっすぐに舗装された道にはなかなか巡り合えなかったりする。一線を画しているということについて裏を返せば、日本の全国各地で空襲があったということだ。太宰は昭和二十年の四月、太宰治は疎開先であった妻の地元、甲府で空襲に見舞われた。 アメリカの戦闘機、爆撃機が上

          太宰治『薄明』太宰作品感想13/31

          太宰治『列車』太宰作品感想12/31

          10月中、続けるつもりでいた作品感想もかなり滞り始めた。月末には『斜陽』や『人間失格』など、中長編作品もご紹介していく予定なので、このあたりで何とか耐えて、連載を頑張っていきたいと思う。今日紹介する作品は『列車』である。 最近、太宰について書いてて思うのだが、作者の過去に即した私小説というのは、果たして文学作品と呼んでよいものだろうか。学問的にというよりニュアンスというか印象論なのだが、自然な文脈からは0から作り上げた創造作品という感じが全くしてこない。しかしこの自然さが、

          太宰治『列車』太宰作品感想12/31

          太宰治『三月三十日』太宰作品感想11/31

          最近は連続で、戦中の太宰の作品について記述している。といっても、太宰が生きたのは1902から1948年。日中戦争期も含めると先の大戦は十五年戦争とも言われるほどで、彼は人生の3分の1は戦争期に生きたことになる。そんな戦間期の中でも、『三月三十日』は満州についての文章である。 本作はこのように、満州の人々に対してお手紙を書くという形式で始まる。1940年3月30日、首都を南京とする中華民国の国民政府(汪兆銘政権)が樹立された。大日本帝国政府は、重慶政府(蒋介石政権)との和平の

          太宰治『三月三十日』太宰作品感想11/31

          太宰治『新郎』太宰作品感想10/31

          前々回は『十二月八日』、前回は『待つ』をご紹介した。今回は、それらの作品と同時期の昭和17年に出された、『新郎』をご紹介したい。これら三つについてまとめた講演が開かれるほどだから、関連性の高い三作品とみることもできる。 昭和16年(1941年)12月8日、日本は英米との戦争を開始した。その日の文学者の態度については、前々回の投稿に書いた。 太宰治『12月8日』太宰の31作品感想 8/31|鷹端 ~現役男子大学生の徒然話~|note 『新郎』は以下のように始まる。 前回

          太宰治『新郎』太宰作品感想10/31

          太宰治『待つ』太宰の作品感想 9/31

          太宰治の作品を10月中、毎日投稿すると決めて9日目にして、諸般の事情で投稿が途切れてしまった。この遅れを31日までに取り戻すことをお誓い申し上げて、今日は『待つ』をご紹介することにしたい。 先日、『十二月八日』について記述したが、『待つ』も1942年の初期に書かれた作品の一つである(次回は『新郎』をご紹介する予定でいるが、この作品も同様である)。英米との大戦争の始まりに国民は歓喜しつつ、緊張感も大いに極まった時代。太宰のこれらの作品から、1942年当時の時代状況を読み取るこ

          太宰治『待つ』太宰の作品感想 9/31

          太宰治『12月8日』太宰作品感想8/31

          10月中、毎日投稿することに決めた太宰治の作品感想。第八回は、八という数字にちなんで『12月8日』をご紹介したいと思う。いつもに比べて。多少アカデミックな内容となることが想定されるが、どうぞ最後までお付き合いを頂ければ嬉しい。 1941年12月8日、日本はアメリカに真珠湾攻撃を仕掛けた。真珠湾攻撃の軍事的意味、外国による経済封鎖、裏の外交事情、陰謀云々…、様々な観点から考察がなされるかつての開戦であるが、文学の領域を担った者たちの言動に真摯に耳を傾けようとする現代人は、あま

          太宰治『12月8日』太宰作品感想8/31

          太宰治『富嶽百景』太宰作品感想 7/31

          10月を通してご紹介する太宰治の31作品。7回目の今日は僕の好きな作品の一つ、『富嶽百景』をご紹介させていただこう。日本の富士は、見る角度によって様々な表情を見せてくれるもの。それを痛烈に感じさせてくれるのが、この『富嶽百景』作品という作品である。 太宰は本作の中で、富士を褒めるばかりではない。時に悪く言う時もある。 富士は古くから日本人にとって大切な山であるが、海外の人間からしてみれば大したこともないのかもしれない。海外の友人がいないから、その辺はよくわからない。僕は鈍

          太宰治『富嶽百景』太宰作品感想 7/31