日本を離れた1年間でわたしが手放したもの
2019年の12月に日本を離れてもうすぐ丸1年間が経つ。
少し長めのハネムーンと題したオーストラリア東海岸ロードトリップや、フィリピン留学、そして今暮らしているカナダでのワーキングホリデー生活。
新卒で入ったそれなりの大企業の肩書きや安定を夫婦して手放し、海外に飛び出したはいいものの、コロナウイルスで先の見えない日々に見舞われた1年間。
カナダではワーホリビザで仕事をしているとは言え、世間的に見ればフリーターという肩書でバイト生活を送っている。
悩んで決めたけど、“会社を辞めてワーホリに行く” という決断は正しかったのだろうか。
正しい、正しくないかは誰にも分からないし、この先の生活がどうなるかも分からないけど、あの時に決断して思い切って良かったと思っている。
そう思える大きな理由の一つが、余計なものを手放しで身軽に生活できるようになったから。
手放したものはたくさんあるのだけど、「手放してよかった!」と思えるものをいくつか挙げてみる。
お酒
まず何といっても自分でも驚くのが、お酒をほとんど飲まなくなったこと。
社会人生活の約5年間は、体育会系の部署で営業職だったこともあり、車内外問わず、男性陣に混ざってお酒を浴びるように飲んでいた。それはもう文字通り、浴びるような生活だった。
平均して週4日はお酒を飲んでいたし、忘年会や歓送迎会シーズンは2週間毎日お酒を摂取する、なんてこともあった。今考えると恐ろしい話だ。
結婚前に遠距離をしていた頃の話だけど、残業終わりの旦那が連絡をくれる時には二次会に突入しているなんてのは日常茶飯事。(私は毎日定時上がりで直行で飲みに行っていた)
そんなアルコール漬けだった私、この1年間で二日酔いになったことは1度もなく、お酒をガッツリ飲んだのは5本指で数えられる程度。
最近は旦那が作るDIYビールをちょこっと飲んで満足するほどで、ビールが苦手だった旦那のほうがビール好きになり、 “もうビール飲まないの?” と聞いてくるほどに。※カナダではある一定量以下であれば家でビールを作ることができるのです
駅から職場まで飲み屋が無数にあるサラリーマンの聖地新橋に勤務し、お酒に飲まれかけてた日々から一転、お酒を飲まない生活にシフトできた理由は、ストレスが減ったから。
カナダでの仕事はフルタイムのバイトだけど、仕事でストレスが溜まってムシャクシャすることは皆無。仕事以外にストレスが溜まる要素もないので、必然的にストレスのはけ口をお酒にすることがなくなったのだ。
物欲
続いて私が手放したもの、それはあらゆる物欲。
東京で働いていた頃は、毎月それなりのお給料が入ってくるのに、なぜかクレジットカードの返済に消えるという摩訶不思議な現象が起きていた。
それもそのはず、東京には誘惑が本当にたくさんあって、あらゆるメディアが物欲を煽ってくる。
新発売のコスメ、流行りの洋服、期間限定のサムシング。
社会人になってお金に余裕を持てるようになり、生活レベルをぶちあげてしまった私は、
総額1万円のクリスマスコスメを買ったり(メルカリで1500円程度でしか売れなかった)
1本3000円もするシャンプーを買ったり(安物を使ってる今のほうが状態はいい)
1つ数千円する化粧水やファンデーションを買ったり(それでも肌荒れは治らなかった)
似合いもしない洋服を気分で買ったり(今は買うとしても古着屋で旦那に似合うと認定されたものしか買ってない)
・・・という具合に、ミニマリストの旦那から言わせれば、昔の私は「本当に必要なもの以外」にも出費をしていた。
カナダでの生活は、お金を一円も使わない日がほとんどで(財布すら携帯していない)、使うとしても食費かアクティビティかガソリン代以外にはほとんど無く、ここ最近で新品の物を買ったのはヨガウエアと冬対応のサイドゴアブーツぐらい。
物欲が消えた要因はたくさんあるけど、
・住んでいる町が小さすぎて、誘惑されるお店がない
・モノを増やすと帰国時に面倒だから増やさない
・中古市場が活発なのでそれで事足りる
・ストレスと無縁の生活
が大きいと思う。
環境が人を作り上げるとはまさにこのこと。
オーストラリアやカナダで大自然に囲まれてるだけで満たされる暮らしを体験して、自然という地球の恵みによって心が満たされていれば、必要以上に物欲に駆られることは無いんじゃないかと思った。
朝散歩でこんな景色に出会えていればストレスなんて溜まらないわけだ。
日本に帰国しても、物欲の渦に再び戻ることのないように、自分の軸を保ち、モノを買わなくても満たされる日々を送りたい。
おしゃれ、メイク
物欲の話と関連するのだけど、1年間の海外生活で“おしゃれをしなきゃ”という強迫観念から解き放たれた。
干物女になったわけではなく、ある一定のTPOをわきまえた格好はするけど、必要以上に着飾るようなことはしなくなった。
髪の毛に関しては、旦那カットに任せているし、ほぼ毎日やっていたコテで髪を巻く習慣もなくなった。以前は美容室に行く頻度は2ヶ月に1回、費用はいつも1万円オーバーだったなぁ。
メイクに関しては、マスクが当たり前になったからというのもあるけど、ほとんどしていない。眉毛をちょこっと書いて、ビューラーでまつげを上げるだけでメイク終了。下地にファンデーションに、と塗りたくることをしなくなったら肌質も改善した。
そのおかげで、日本から持ってきたクレンジングが未だに残っている。
おしゃれしないと、着飾らないと、という呪縛を解いてくれたのも環境が変化したから。
カナダの都市部は分からないけど、カナディアンロッキーに囲まれた自然とアウトドア大好きな人が集まるこのエリアでは、ヒールを履いたりスカートを履く人はほとんどいない。
レギンス&Patagoniaのフリース&ニット帽&サイドゴアブーツがこのあたりのWomensのスタンダード。
このエリアを軸に活動しているアウトドア系インスタグラマーたちも、こんな感じの機能性重視なファッション。
おしゃれに特段こだわりはないけど、それなりに着飾りたいという欲から流行りの服を手当たり次第買っていた日々にはGood-bye。
日本帰国後に、周囲のきらびやかさに意志が揺らぐかもしれないけど、なるべく中古品を掘り出したり、機能性がある服を選んで生活していきたい。
そのほうがゴミも増えなくて環境にも優しいしね。(といいつつ、日本には結構な量の洋服を置いてきている…)
動物性の食事
コロナが大流行して自宅生活が続いていた春頃に、ふとしたきっかけで始まった”植物性ベースの食生活”。
Netflixで地球環境に関するドキュメンタリーを見たり、カナダで大自然に囲まれて生活するうちに、”地球温暖化の問題ってやばくない?”と改めて危機意識を持ち始めた。
そして、地球環境に負荷を与えている大きな原因が畜産業ということを知り、個人の取り組みでは微力かもしれないけど植物性ベースの食事に切り替えようと思い立った。
今では肉・卵・牛乳・乳製品をほぼ摂取しなくなり、いわゆるペスカトリアン(魚&植物性)というライフスタイルに定着した。
今まで当たり前に食べていたものを食べないという選択肢は、一見ハードなように思えたけど、私の場合は意外とすんなり移行することができた。
環境面の影響から始めたこの食生活だけど、結果的にはいいことで溢れていた。
・胃もたれしない、身体が軽く感じる
動物の肉だったり、本来は子牛を育てるための牛乳は人間向きではないのだと思った。今まで毎日のように肉を食べていたけど、消化器官に相当な負担をかけていたと思う。
・出費が減った
牛乳は豆乳やオーツミルクに変えて少し割高だけど、肉・卵・ヨーグルト等の出費がゼロになったから全体的に出費は減っている。
日本食はもともと動物性が少ないから、工夫によってはいくらでも美味しい食事を楽しめると思う。
帰国したら納豆3パック80円(カナダ価格:240円)や、もやし1袋19円(カナダ価格:100円)の生活に、心の底からありがたみを感じること間違いなし。楽しみで仕方ない。
まとめ
環境をガラリと変えたことで、“これは手放せない”と思っていた固定観念から解放されることができた。
ゆったり自分らしく生きている人が多い海外で生活できただけじゃなく、前代未聞のパンデミックに見舞われたことで人生に本当に必要なものに気づけたので、海外生活にトライして良かったと思う。
余談・・・
オーストラリアの若い女性でブラジャーをしないでタンクトップを着る人がいたり、オーストラリア人は裸足で外を歩く人がいたのは結構衝撃的な出来事だった。笑
他人の目を気にせずに、”自分がやりたいからやる”という生活スタイルは日本人にとっては斬新だったけど、そういう考え方を取り入れていったほうが楽に生きれるのかもしれないなんて思ったり。