Note 86: 間違いだらけのPCパーツ選び(9)CPUグリス編
素人のパソコンのパーツ選びのシリーズ。
ニワカでいろいろ勉強したのでせっかくだから披露している。
今日はCPUグリスだ。
これこそ、ほんとに、まったく、何も知らないので、内容薄いけどゴメンネ。
MX4を選んだ
買ったのはこいつ。
CPUグリス:MX4 4g 1384円
前のブログではこう書いた。
CPUグリスって何か分かりますか。
これは、CPUとCPUクーラーを完全に密着させるために(表面の凸凹による空気の層を埋めるために)間に塗るネバネバした物質のことだ。
これにマニアは妙にこだわる。
4グラムという、ホテルの歯磨きほどの量のチューブが千円以上もする。
高いのはもっとするけど、ぼくは吉田製作所さんのYouTubeを見てMX4というのにした。
CPUクーラーにも結構立派なオマケグリスがついてたので、それで良かった気もする。
CPUグリスとは何か
グリスとは、グリースのことで、ねばねばした油のことだ。
アメリカの不良が髪をキメる油と一緒である。
なぜこれを自作パソコンで使うか。
それは、CPUにCPUクーラーを乗せる前に、CPUの表面に塗るためだ。
CPUも、CPUクーラーも、接地面は金属であり、どうしても微細な凹凸がある。
それで、単純に乗せるだけでは、空気の層ができる。
空気は、断熱材としてめちゃくちゃ優秀なので、CPUクーラーの性能をめちゃくちゃ阻害する。
そこで、CPUの表面にグリスを塗って、その上にクーラーを密着して、熱伝導率を高めようという寸法だ。
他に、カーボン素材のシートを挟む方法や、シール状のもっと扱いやすい製品がある気がするが、いまんとこ下火である。
リテール版クーラーにもついている
Intel Core iシリーズや、AMD RyzenシリーズなどのCPUには、リテール版のCPUクーラーがオマケでついている。
で、このクーラーには、オマケであらかじめグリスが塗っている。
このグリスが、しごく評判が悪い。
Intelの場合は、オマケクーラー自体が評判が悪いので、グリスの評判はあまり聞かない。
Ryzenの場合は、オマケクーラーの評判が悪くない。
うるさいがよく冷えるし、高級機にはピカピカLEDもついている。
しかし、あらかじめ塗っているグリスの評判が悪い。
すぐにパリパリに乾燥し、CPUにボンドのようにくっついて、CPUクーラーだけ外そうとするとCPUもついてくるという。
それで、リテール版クーラーを使う場合も、表面のグリスをウェットティッシュで良く拭いてから使った方がいいという。
そうらしいよ。
グリスへのこだわり
CPUグリスには、CPUクーラー同様、こだわる人が多い。
品物選びも、塗り方も、なんでっていうほどこだわる人が多いのである。
上に、リテール版クーラーにはもともとグリスが塗っていると書いたが、Cooler Master MA410Mとか、虎徹Mark IIとか、社外品のクーラーにも、もともと小さいチューブのグリスがついている。
だから、グリスというのはわざわざ高いお金を出して別に買わなくてもいいような気がする。
しかしながら、こだわる人が多い。
なぜだろう。
私見だが、CPUはインテルかRyzenで決まりだし、マザボも、SSDも、メモリも、高いのを買えばいい、性能を妥協すれば安いのでいい、買ってきて差し込むだけなので個性がつきにくい。
しかし、CPUクーラーとグリスは、多士済々の製品があって、見た目も、原理も個性を出していて、グリスも塗り方などに職人技を出せる。
しかも、CPUの発熱を押さえるという部分は、性能に直結する。
自作PCマニアは、CPUやメモリをオーバークロックして、ベンチマークのスコアを少しでも上げるスピードマニアがいるので、そういう人にはグリス選びが重要だと思われる。
ダイアモンドグリスやシルバーグリスなど、熱伝導率が高いツブツブが練り込んでいるのがある。
ただ、ジャリジャリしていて伸びにくそうなので、塗るワザが必要と思われる。
特にシルバーといえば銀で、電導性があるので、はみ出して塗ったらショートする。
難しそうなので、ぼくは忌避した。
他にも、熊グリスとか(熊の肉を練り込んでるわけじゃないよ)、いろいろ有名な製品は多いが、ぼくは今回めっちゃくちゃ参考にさせてもらっているヨシダヨシオさんの動画を見て、「勝手推奨グリス」MX4を選んだ。
伸びやすい、塗りやすいと言っていて、それがぼくに合っていると思ったのだ。
塗り方へのこだわり
塗り方も、いろいろある。
表面をヘラとか、カードとかで薄く伸ばすといいと言う。
デコボコすると空気が入ってアウトだそうだ。
ぼくが長い間自作PCがいいと思っても、手を出してこなかったのは、ここで失敗するのがイヤだったからだ。
ぼくの家は手先が器用な家系なのだが、ぼくは突然変異的に不器用だ。
幼少期から不器用だ、ぶきようだと言われてきて、トラウマになっている。
それから逃れるために、ボタンを順番に押せば結果が出る、デジタルな世界が気に入ってIT業界に入ったのに「グリスを均等に塗る」なんてことで苦労するのはイヤだ。
そう思っていた。
しかし、またしてもヨシダヨシオさんの動画で救われた。
彼は、ぼくはお上品なのであまりこういうことを書きたくないのだが、いわゆる「ウ○コ塗り」で十分だと言う。
CPUの表面に、ウン○のように、グリスをポトンと豆粒大に落とす。
で、クーラーを載せてグリグリすると、クーラーの重みで広がるから、それで十分だと言うのである。
このやり方が理にかなっているのは、グリスが中央によっているので、それを伸ばすと、気泡が入らないということだ。
とにかく気泡を入れず、グリスの層だけでCPUとクーラーを圧着させるのが主意であるから、それでいいような気がする。
何しろ、何十台もパソコンを作ったり、壊したりしている吉田さんの言うことだから、説得力がある。
嘘かホントか、iiyama(マウスコンピューター)の工場でも、ラインのおばちゃんはそうやっているそうである。
ということで、ぼくは○ンコ塗りで行った。
吉田さんの動画には、グリスでどれだけ性能が違うか、塗り方でどれだけ冷え方が違うかを検証している。
本当に頭が下がる。
MX4
MX4の性能は8.5W/m・K。
はってんごわっと、ぱー、めーたーけるびんと読むらしい。
なんのことだろうね。
4gで千円もするが、しょうじきPC1台に0.5gも使わない。
PCを今年中に8台も作る予定はないし、ほうっておくと乾いてしまうだろう。
でもまあ、多すぎて困ることはない。
MA410Mにもチューブ付きの立派なのがついていたが、捨ててしまった。
こういうの、ちゃんとメーカーと性能を書いていたら使うのに、と思う。
クーラーの虎徹 Mark II同様、自作界で定番とされているのが、熊グリスことThermal Grizzly。
1gで千円もする。
MX4の4倍だ。
でも、1gもあれば十分なので、あんまりここの値段は関係ない。
熱伝導率は12.5W/m・K。
明らかにMX4より性能がいいのだが、あまり伸びないっていう噂なので忌避した。
失敗しないのが自分にとって重要だと思ったからだ。
自分であれこれ比較していないし、ベンチを取っているわけでもないが、とりあえずMX4で無問題だ。
(この項おわり)
会社員兼業ライターの深沢千尋です。いろいろ綴っていきますのでよろしくです。FaceBook、Twitterもやってますのでからんでください。 https://www.amazon.co.jp/l/B005CI82FA