Note 7:ラトック家電リモコン(アレクサ挑戦編)
ということで、ラトックシステム製「スマート家電リモコン」RS-WFIREX4を設置し、床置きスタンドに設置したiPadから操作することに成功した。
今のところ操作できるのは照明と扇風機とテレビだけだが、そのうち手動設定をがんばってエアコン、HDDレコーダーも動作させてみたい。
と、ここに来て初めて気づいたのだが、この製品は、Amazon Echo、通称アレクサに対応しているのだ!
つまり、わざわざiPadのところに行ってボタンをポチポチ操作するという動作から解放され、「アレクサ、照明点けて」と言えばいいということだ。
リア充だ!
いや、電気製品なんか声で操作できたところでリア充になったとは言わないと思うが、強烈にラクチンそうだ。
そこで、Amazon Echoを買おうと思った。
ぼくが理解するアレクサとは……
アレクサというのはAmazon Echoが人間の指示を声で受け取るときの架空の人格(ペルソナ)であり、iPhoneにおけるSiriみたいなものだ。
つまり、いまのところ、ラトックを使ってこのように操作しているが:
【人間】>操作>【スマホ】>WiFi/携帯信号>【ネット】>WiFi信号>【汎用リモコン】>赤外線>【各家電】
これが、こうなる。
【人間】>操作>【Amazon Echo】>WiFi/携帯信号>【ネット】>【Amazonのサーバー】>【ネット】>WiFi信号>【汎用リモコン】>赤外線>【各家電】
間にAmazon社を挟むわけで、どこかにあるクラウドのサーバーにぼくの声が送られる。
アマゾンというぐらいだからブラジル……ではなくて、きっとどこか、アメリカの西海岸だろう。
場所を気にしなくていいのがクラウドの本質だ。
ぼくという人間が、いつ、何をしているかAmazon本社に知られる。
これはクラウド上のAIを使う人間が代償としてプライバシーを差し出すという、現代にありがちなコストである。
まあ別に、ぼくは恥がないからいつ電気を点けていつ扇風機を消したぐらい記録されてもかまわない。
しかし、いろいろやらかした事例もあると聞く。
面白い話としては、あるサラリーマンが会社で「こういう時はAKB48の曲でも聞きたいねえ」みたいなことを雑談で言ったら、家にいた奥さんから急に電話が掛かってきて「あなた、急にアレクサがAKBの曲を掛けたけどなんで」と言ったみたいな話があった。(記憶に頼って適当に書いています)
これは、旦那さんがスマホにもアレクサを設定していたために、Amazonがその会話を指示として受け取ってしまい、家にいるEchoに実行させたという流れだ。
もっとひどい話が、アメリカの家庭でテレビを見ていたら、Amazon EchoのCMが流れて、テレビの中の俳優が「アレクサ、ミネラルウォーターを一箱買ってきて」と言ったのを、テレビを見ていたご家庭のEchoが受信してしまい、全米のご家庭でミネラルウォーターが大量発注、大量配達、大量受取拒否が同時発生し、物流がパニックになったという。
大変な大騒ぎだが、その後どうやって対策したんだろうね。
でも、ぼくは買い物もAmazon依存人間だから、便利になると思ってEchoを買う気マンマンになった。
Echo? Fire? 買わなくてOK?
最初はコレかな、と思った。
四角い。前にも書いたが、ぼくは家電は四角くないとイヤなたちなのだ。それに、画面が付いていると今の時間も分かるし、彼女を家に呼ぶ前に、お母さんにカレーの作り方を聞くことも出来る。(彼女いないけどな)
でも、思った。Echoを買うよりFireの方がいいんじゃないか。。
ちょっとこの安さはスゴイ。
なんかの間違いじゃないかっていうぐらい、10インチHDのタブレットとしては安すぎる。
いわゆる中華タブレットみたいな値段である。
まあ、これを売ってアレクサが流行って、あとAmazonにとってみれば自分の会社の小売店舗が各家庭に開店するようなものだから、安くて当然なのかな。
でも、ぼくはAmazon依存人間だし、Amazon Prime動画も大好きなので、Win-Winの関係だ。
なぜEchoよりFireと思ったかと言うと、安くて大画面だし、いまiPadを据え付けているスタンドにFireを付けたら、強力に便利だと思ったのだ。
それに、Fireにはバッテリーが付いている。
Echoも結構遠くの声を拾ってくれるという話だから、12畳ワンルームのどこにいてもアレクサは聞いてくれる気もするが、やっぱり寝る時は寝室に、仕事する時は仕事部屋に移動したい。
そのとき、コードを抜くたんびに電源が落ちるよりは、バッテリー内蔵のタブレットの方が安心である。
それに、どうせならトイレで動画見たり、お風呂で動画見たりしたいじゃないですか。
そうでもないですか。
とりあえず、Echoに出来ないけどFireに出来ることがあっても、その逆はないと思ったのである。
それに、安いし、四角い。買うしか!
そう思って「今すぐ買う」ボタンに手が掛かった。
しかし……ふと思った。
上の、奥さんが家でAKB聞いてビックリしたサラリーマンの人は、スマホからどうやってアレクサを呼んだのだろう?
スマホアプリからアレクサが呼べる
実は、知らなかったのだが、アレクサにはAndroid/iOSアプリ版もあって、スマホから呼び出すことも出来るのだ。
って、いかにも新情報みたいに書いてますけど、常識だったらスミマセン。
だったらわざわざ新機種を買わなくても、iPhoneで試したらいいのではないだろうか。
そう思って勇躍iPadを掴んで、AppStoreからアプリをインストールした。
iOSアプリを試すも……
このアプリの設定は相当大変だった。
細かいことは覚えていないのだが(スミマセン)とにかく大変で、ああ年は取りたくないなあと思った。
っていうかぼくが出来ないんだから相当難しいよ。
ようやく設定が終わり、「アレクサ、電気を消して」と言ってみた。
「ハイ、ワカリマシタ」
と答えて、その後、ぼくにとって、今年いちばん恐ろしいことが起こった。
まず、電気が消えて、部屋が真っ暗になった。
これは、ぼくが望んで命じたことだから、予定の事態である。
そのあと、アレクサが
「今日のプロ野球の結果をお知らせします……巨人対広島、マツダスタジアム、4対3で巨人の勝ち……阪神対ヤクルト、神宮球場、試合中、6回表、1対0でヤクルトが勝っています……」
と喋りだしたのだ。
全試合分言おうとするのである。
これは、怖いよ!
まず、いったん電気を消すのが恐ろしい。
こっちの言うことを理解はしているのである。
そのあと、ぼくが、「プロ野球はどうなってる?」と、アレクサに受け取れる、受け取りようによっては受け取れる、咳払いだか、息づかいだかを、したのであろう。
あわてて、iPadを止めようとした。
面白がって遠くに置いてあったので、部屋を横切って行かなければならない。
部屋が真っ暗だ。
照明のリモコンがどこにあるか分からない。
アレクサに点けさせればいい気もするが、今度は何が起こるかわからないのだ。
「アレクサ、野球はもういいよ!」
と、素で叫んだ。
ピタリと音が止んだ。
暗闇の中で、「こういう話、なんかで読んだな……」と思った。
そういえば、恐怖小説の最高傑作と呼ばれる「猿の手」そっくりである。
お読みでない方はぜひお読みください。
とりあえず見送り
まあ、冷静になってみると、どうってことはない。
野球ニュースぐらい聞けばいいのである。
別にぼくは奥さんもいないから急にAKBの歌が流れて恥ずかしい思いをすることもないし、クレジットカードを渡しているから何を買うか分からないからと言って、こういうのは織り込み済みだろうからシレッと受取拒否をすればいいだけの話だ。
誤注文の受取拒否は、アレクサを使わなくてもAmazonあるあるなのである。
でも、なんか、ちょっと、言いしれない恐怖を覚えて、とりあえずアレクサの使用は見送ることにした。
もしかして、iOSアプリの出来が良くないだけで、FireやEchoを使えば問題がないのかもしれない。
ぼくのアプリの設定が悪いのかもしれないし、滑舌が悪いのかもしれない。
Fire 10 HDはどう考えてもお買い得なので、そのうち買ってみると思う。
でも、とりあえず見送った。
ラトック家電リモコンはSiriにも対応しているからだ。
その話は次回だ!(引っ張ってスミマセン……)
(この項おわり)