ドイツ、マルクス枢機卿 引退届提出
・・・・・(過去記事:2021年6月7日記)
ドイツ、ミュンヘン=フライジング教区のラインハルト・マルクス枢機卿が6月4日(金)教区大司教としての引退届を教皇に提出したそうです。67歳です(定年75歳)。「現代教会のもっとも重要枢機卿の一人の衝撃的退任」と副題がついています(とばし読みしたので、以下間違いがあったらすみません!)。
Taking responsibility or abandoning a sinking ship?
The shocking resignation of one of the most important cardinals in the Church today
教皇フランシスコの有力なアドバイザー枢機卿の一人で、ドイツ司教協議会のリベラル路線を牽引してきた一人です。ドイツの中にはケルン教区のように伝統主義的な教区もある中、ドイツ司教団は、聖職者以外を含めた国のシノドスのプロセスを進めたり、司教協議会の事務局長を女性に任せたり、同性カップルの祝福を推進したり、といったリベラル的な動きをしています。教皇庁の性虐待問題への対応でも中心人物だったそうです。
教皇に提出された「引退届」を公表してもいい許可も教皇から受けているとのことで、マルクス枢機卿自身、一連の性虐待について自分も教会指導者の一人として責任をとるべき、ということが引退の理由とのこと。
しかし、この記事のタイトルは、「責任をとったか?沈みゆく船を見捨てたか?」となっていますね。いやあ、わたしは、マルクス枢機卿か、フィリピンのタグレ枢機卿が次の次の教皇か、と思っていたんですが(次は、揺り戻しで、保守的な人が来そうですから)。多分、現代カトリック教会の最重要人物の一人。教区大司教は引退しても枢機卿としての活動は続けるのか? どうなるんでしょうね。記事の最後は、「ボールは、いま教皇側のコートに」となっています。
当地では、この辞任は、多くの性虐待事案とその隠ぺいが明るみに出たケルン教区の枢機卿(その責任を明確にする姿勢が乏しい)への牽制ではないかという観測もあるようです。