ケロ4

フランスやイギリスからの(欧米か!)、主に英語カトリック外電を読んで紹介しています。興味があるかたは、リンク先の元サイトをたどってください。サブスクしないと読めないものもありますが、お安いものもありますので各自ご検討を。とくにバチカンの様子や背景は日本語で掴みづらいですね。

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フランスやイギリスからの(欧米か!)、主に英語カトリック外電を読んで紹介しています。興味があるかたは、リンク先の元サイトをたどってください。サブスクしないと読めないものもありますが、お安いものもありますので各自ご検討を。とくにバチカンの様子や背景は日本語で掴みづらいですね。

最近の記事

司牧「計画」というもの

「宗教は、ビジネスとは違う」「行政は、ビジネスとは違う」といったことばを口実に、筋道立てた法人運営・経営をせず、現状維持バイアスの波に飲まれっぱなしで、何も新しいことはしたくない宗教者・行政職員は多いのでは?  人間の集団が活動するには、その「経営計画」は必須で、行き当たりばったりでは、宗教活動も、行政運営も、利用者ニーズに応えられないでしょう(↑Gerd AltmannによるPixabayからの画像)。 お寺さんも、県知事も、そうした旧弊打破して、改善改革の道を歩んでいる実

    • バチカン 元駐米大使を破門

      教皇庁は、これまで繰り返し教皇フランシスコへの不服従を公言し、異端者と批判し、また、カトリック教会の最近の公会議(教えを決定する最高権威の会議)である第2バチカン公会議の教えを否定するなどの発言を続けていた元駐米バチカン大使のビガノ大司教を、破門する判断を下しました(↑Dominique DevroyeによるPixabayからの画像)。 「バチカン ビガノ大司教をきずなへの罪で破門」タブレット誌、2024年7月5日 7月4日に教皇庁教理省は、元駐アメリカバチカン大使のビガ

      • トランスジェンダー差別? フェルナンデス教理省長官

        2カ月ほど前の話題になりますが、バチカンで教会の教義を担当する教理省(長官は、23年9月に就任した、ビクトル・マヌエル・フェルナンデス枢機卿)が、世界人権宣言の記念日に合わせて、4月に、人間の尊厳に関する宣言「Dignitas Infinita(無限の尊厳)」を発表しました。これがLGBTQ+に関わる人々の中に波紋を投げかけました。(↑Boris ŠtromarによるPixabayからの画像) 「バチカン 男女の差異を”曖昧”にする試みを拒否」タブレット誌、2024年4月9

        • 仏 入信者増加の流れ

          カトリック教会は、他の伝統宗教同様、近代化された国々で帰依する人が毎年減少するのに加え、ここ十数年、世界中で聖職者による性虐待というスキャンダルも続出し、そこにコロナ禍による行動制限が追い討ちをかけ、まったくいいことナシな状況が続いてきました。 そうした中、久しぶりな前向きなニュースです。フランスで、大人の洗礼が増加している、ようです。(↑DennisによるPixabayからの洗礼盤の画像) 「仏 カトリック信者急増、復活祭に7,000人以上の成人洗礼の報告」ラクロワ誌、2

          ロシア占領下の宗教者 拷問、虐殺

          以下、去る2月13日、ロシア占領下のウクライナ・ヘルソン州で働いていた、ウクライナ独立正教会のステファン・ポドルチャック司祭がロシア兵に連れ去られ、拷問ののち、殺害されたことが、15日、その妻によって確認された、というニュースです。Patrick BehnによるPixabayからの画像(↑ 占領下のマリウポリ解放を訴えるデモ・プラカード) 「占領下のウクライナで聖職者が拷問を受けたとの報告」、タブレット誌、2024年3月14日 ポドルチャック司祭が殺害された理由は、「ウク

          ロシア占領下の宗教者 拷問、虐殺

          10月の2021−24シノドス(代表者会議)に向けて

          先月2月の記事ですが、バチカンで開催される、シノダリティ(≒共同責任に基づく教会像)についての2021−24シノドス(世界代表[司教・者]会議)が、秋の第2会期に向けて、そのプログラム概要を発表しました(写真↑=lappingによるPixabayからの画像)。 「バチカン シノドス次会期を設計〜すでに屋台骨は危うく」ラクロワ誌、2024年2月19日 今回は、大まかな日程が発表され、第2会期は、昨年の第1会期とだいたい同じ、10月2日から27日まで開催、その前、9月30日と

          10月の2021−24シノドス(代表者会議)に向けて

          バチカン高官が実刑判決を受ける徹底さ

          2020年のことになりますが、聖人・福者等の承認手続きを担う列聖省長官だったアンジェロ・ベッチウ枢機卿(75)が、公金流用して、ロンドンで不当に不動産購入していた疑いで、職務を解任、枢機卿としての特権も剥奪されました。その後、本件の裁判がバチカンで続いていたようですが、昨年12月17日に結審し、「詐欺と横領の罪で5年半の禁固刑」が確定したそうです。この判決が、教皇庁にとっては驚きをもって受け止められている、というのが、以下の記事です。(Ichigo121212によるPixab

          バチカン高官が実刑判決を受ける徹底さ

          「同性婚の祝福」という戦場

          年末にローマ教皇庁が「祝福」についての文書を発表したことが、教会内外に波紋をもたらしています。問題の文書は、教理省宣言『Fiducia Supplicans〜祝福の司牧的意義について』(2023年12月18日)。カトリック教会は同性婚を「秘跡」として認めないものの、同性カップルの門出に教会が「祝福」を与えることについては賛否が分かれている、という状況下で出されたものです(Christine SchmidtによるPixabayからの画像)。 「バチカン 同性婚祝福の承認理由」

          「同性婚の祝福」という戦場

          教皇 「識別」一色

          年末年始に教皇フランシスコが行ったメッセージで、あらためて「識別」が強調されました(👆congerdesignによるPixabayからの画像)。 「教皇 ローマ教皇庁に対し全能感幻想を警告」ラクロワ誌、2023年12月22日 これは、年末恒例となっている、ローマ教皇庁高官たちに対する、教皇の「きつい一撃」です。教皇となった翌2014年に出された、教皇庁の「15の病」(たとえば、自分を不老不死と思う病…)は、世界中でニュースになりましたが、ことしは、高官たちに自著をプレゼン

          教皇 「識別」一色

          「死者」は歩き続け…

          『デッドマン・ウォーキング』という映画が1995年に制作されました。死刑囚(ショーン・ペン)と、彼を支えるシスター(スーザン・サランドン)の心の交流を描いた映画で、Sr.ヘレン・プティジャンの同名著書を映画化したものです。 知らなかったのですが、やはり90年代に、ジェイク・ヘギー作曲により、同じ著作がオペラ化もされ、サンフランシスコ・オペラで初演されていました。ことし9月末に始まった、ニューヨークのメトロポリタン歌劇場の2023−24シーズンの幕開け(ページ下方、"Video

          「死者」は歩き続け…

          「正義の戦争」論 あらためて考えてみる…

          今年前半の記事2本、昨年のもの1本と、最後はこの11月の記事ですが、教会内の「正戦論(Just War Theory)」についての議論は続いていますので(無論、ウクライナでも、中東でも、ミャンマーでも、……戦闘自体が終わりませんので)、あらためて紹介したいと思います。 昨年のウクライナへのロシア侵略が始まって以降、カトリック教会内でも戦争という暴力行為自体に対する倫理課題が議論の俎上に挙げられ、異なる立場から論じられています(↑Annette JonesによるPixabayか

          「正義の戦争」論 あらためて考えてみる…

          小さいことはいいこと!?

          ちょっと前の話ですが、9月のはじめ、教皇フランシスコはモンゴルを訪問しました。(↑Erdenebayar BayansanによるPixabayからの画像) 教会刷新を進めるフランシスコにはさまざまな抵抗があり、教義問題や倫理基準、教会人事など、その周辺は何かとかまびすしい中、教皇が目指す、教会のあるべき姿が垣間見られる記事と思います。モンゴル教会はmargin(周縁部=フランシスコの好むことば)にある教会だから、です。 教皇フランシスコ モンゴルで理想の教会に出会う(ラクロ

          小さいことはいいこと!?

          シノドス最終版 皆さんちょっとお疲れのようで…

          10月4日にバチカンで始まった、世界のカトリック教会の代表者が集まるシノドス第16回通常総会の第1会期は、29日の閉会に向けてラストスパートを掛けていることと思います。25日には、この総会からの『神の民への書簡』が発表される運びになっています。そんな中、3週間を超えてきた会議・分かち合いに、参加者たちの疲労の色も濃いようです(Welcome to All ! ツによるPixabayからの画像)。 「シノドスと疲労のリスク」ラクロワ、2023年10月21日 シノドス的な教会

          シノドス最終版 皆さんちょっとお疲れのようで…

          バチカンのシノドス 3週目

          バチカンに世界中から代表の枢機卿、司教、司祭、シスター、信徒が400人近く集まって、現代のカトリック教会の諸課題について討議する「シノドス」は、10月4日に始まり、3週目(〜29日)を迎えています。↑ Yolanda CoerversによるPixabayからの画像。 数年に1度開かれるシノドスはこれまで、家庭、若者、などのテーマに沿って、各国からの報告を聞きながら、大筋の課題は方向性は事前の意見聴取などから決まっていて、それに沿って微調整しながら進める、といったやり方でした。

          バチカンのシノドス 3週目

          教皇の写真 破ったこともあったなぁ…

          今回は、アイルランド生まれの、ポップミュージシャンについて。 シネイド・オコナー 比類なき愛(タブレット、2023年8月3日) アイルランド・ダブリン生まれのシンガー、シネイド・オコナーが7月末に亡くなりました。56歳でした。英カトリック雑誌のタブレットが彼女の訃報を取り上げています。 ファンでない人間、また音楽シーンに詳しくない人間には分からないことも多い記事ですが、それでも有名な話は、彼女が1992年、サタデー・ナイト・ライブに出演したとき、ヨハネ・パウロ2世の写真を

          教皇の写真 破ったこともあったなぁ…

          カトリック女性の役割〜'21-24シノドス、『大陸ステージ作業文書』『討議要綱』から

          カトリック教会内で、女性の役割の再検討(とくに決定、統治に関する)について、'21−24シノドス(世界代表司教会議)の重要テーマの一つとなっています。(↑Ernesto EslavaによるPixabayからの画像) 「女性の役割、カトリック教会で緊急に取り組むべき課題に」(タブレット、2022年10月27日) 昨年秋のこととなりますが、その前に世界各地の教区(日本には16教区ある)から集めた意見聴取をもとに、バチカンのシノドス事務局がまとめた『大陸ステージのための作業文書

          カトリック女性の役割〜'21-24シノドス、『大陸ステージ作業文書』『討議要綱』から