10月の2021−24シノドス(代表者会議)に向けて
先月2月の記事ですが、バチカンで開催される、シノダリティ(≒共同責任に基づく教会像)についての2021−24シノドス(世界代表[司教・者]会議)が、秋の第2会期に向けて、そのプログラム概要を発表しました(写真↑=lappingによるPixabayからの画像)。
「バチカン シノドス次会期を設計〜すでに屋台骨は危うく」ラクロワ誌、2024年2月19日
今回は、大まかな日程が発表され、第2会期は、昨年の第1会期とだいたい同じ、10月2日から27日まで開催、その前、9月30日と10月1日の2日間に黙想会を開くことも昨年と似ています。
さらに準備のためにテーマ別の作業部会を設けることも発表され、具体的なテーマは今後発表になるものの、バチカンからの報道によると、「特定の教会法規則の更新」「聖職者の養成」「司教と修道会の関係」「神学的探求」「助祭職」といったテーマが予想されるとのこと。また、第2会期本番の会議方法も変化があると予測されており、第1会期では全員があらゆるテーマについて分かち合いをしたものの、第2会期では、より絞った領域について分かち合うことになりそうです。これにより、会議終了時に発表される「最終提案」がまとめられていきます。
秋の本番の下敷きとなる『討議要綱』は、6月中旬までに完成予定となっている、とのことです。
教理省宣言『フィドゥーチア・スプリカンス』
表題にある、「すでに屋台骨は危うく」という指摘は、教皇庁教理省が昨年12月、離婚再婚者や同性カップルを含む「例外的な」カップルに祝福を与えることを認める『宣言』(拙稿「「同性婚の祝福」という戦場」)を発表したことへの、多くの反発を指しています。
「シノドス第1回会期で反対意見が明確に表明されたのに、なぜこのような祝福を認めるのか」「なぜ第2会期を待たないのか」という声が出たことは理解できます。とくにアフリカの司教たちからの拒否反応が強く、コンゴの枢機卿が記者会見で、「この宣言が今回のシノドス自体の信用が失墜させた」と述べたことを記事は紹介しています。
では、本当に失墜したのか? 記事はそこは明確にしていませんが、教理省の意図としては、この祝福の問題については「解決済み」にして、第2会期のテーマのしないようにすることだったと解説しています。他の、より重要なテーマに集中するため、と考えたとのこと。しかし、この宣言により、「新たな戦端が開く結果となった」と記事は結んでいます。