シノドス最終版 皆さんちょっとお疲れのようで…
10月4日にバチカンで始まった、世界のカトリック教会の代表者が集まるシノドス第16回通常総会の第1会期は、29日の閉会に向けてラストスパートを掛けていることと思います。25日には、この総会からの『神の民への書簡』が発表される運びになっています。そんな中、3週間を超えてきた会議・分かち合いに、参加者たちの疲労の色も濃いようです(Welcome to All ! ツによるPixabayからの画像)。
「シノドスと疲労のリスク」ラクロワ、2023年10月21日
シノドス的な教会(synodal Church)とは、「聞く教会」「学ぶ教会」といった定義がなされるのですが、これまで、教えを垂れる向きの強い教会(そもそも、漢語の「教会」もそのバイアスあり)が、性虐待などの負の遺産を抱え、謙遜にならねばと反省する中、文化の変革を目指している運動、と言えるかと思います。
実際行われていることは、『討議要項』という会議のガイドに沿って、400人近い参加者が、上の写真のように、パウロ6世ホールという大広間の円卓に、10人ずつくらいの小グループを作って、自分たちの体験をもとに、話し合いを続けてきています。15の「ワークシート」が用意されていて、それに沿って行われました。
人の話を聞く、というのは、ビジネスの面でも、カウンセリングなどでも、「アクティブ・リスニング」やら「オープン・ダイアローグ」やら、とても大事な手法として大切にされてきていると思いますが、実際それを3週間以上、しかも、この大広間で(喧騒!)、人によっては不利な外国語で(日本人、とくに!)続けるのは、相当な苦労。毎日、夕方にはガックリ、となる人が多くいても、不思議でないと思います。
月〜土、8:00〜12:30、16:00〜19:00
上の記事は、まさにその状況を解説しており、「ここ数日、教会の将来についてバチカンで開催中のシノドス総会に参加している人々の多くが口にしていることばは『疲労』です」と始まります。
週6日、午前と午後の部をきっちり繰り返しています。欠席する場合は、理由をちゃんと報告しなければならず、事務局は「今回の参加は、オプショナルなわけではない」と釘を差しているそうです。ローマ郊外のカタコンベを訪問する際も、参加は義務付けられていたとのこと(これは観光で行ったのではなく、祈りの面で意味のあるものだったからと思います)。さらに、これまでシノドスは、数百人が入る階段教室のようなところで行われていたため、出欠は目立たなかったものが、今回のパウロ6世ホール(=上の雑誌写真)で、欠席するとすぐに目立つ、という構造も、参加者に十分なプレッシャーになっている、と記事は結んでいます。
これだけ圧をかけた「第1会期」。どんなメッセージが出てくるのでしょう。