いい塩梅 ー 7/30は梅干しの日
梅干し
今日は梅干しの日だそうですね。「食べると難が去る」と言う古くからの言い伝えがある梅干しを1834(天保5)年創業以来、栽培から加工までされている和歌山県みなべ町の株式会社東農園さんが2004年に制定され、記念日協会に認定・登録された日なんだそうです。なん7 がさる30と言うことで7月30日。
今、土用干し真っ盛りの期間。今年梅が不作だった様でスーパーなどに並ぶ量も少なく期間も短かったですが、どうにか近所の八百屋で手に入れることができて1kgばかり漬けました。毎年20%で漬けているのですが、漬ける直前に昔は30%で漬けていたと言うあるFB投稿を読み、それならばと5%アップの25%でチャレンジ。味がどうなのかはこれからの楽しみ・ドキドキですが、とりあえずしっかりと梅酢に浸かった梅干しちゃんたちの土用干しを始めたところです。
さて、先日ある投稿が目に止まりました。甕に仕込んでいた梅干し4kgの蓋を開けたらカビだらけ&腐敗臭でショック〜!!と言う話。リカバリーもできないレベルのカビだそうです。で、塩分濃度は15%だった😲とのこと。毎年それでやってきて失敗したことはなかったとのことで、その点は本当にお気の毒で、ショックはいかばかりかとご同情いたします。しかも4kg! ただ、やはり気になるのは塩分濃度。30%と言う高塩分はおそらく東北など寒いところだった模様ですが、それの半分、「昔ながらの20%」に比べても25%減と言うことになりますね…。
QPのワンポイント英単語
salt
【名】塩、【形】塩気のある、塩を含む、辛辣な
【動】塩で味をつける、塩漬けにする、塩蔵する
←古英語sealt←ゲルマン祖語saltom←印欧祖語語根sal-
浄化・不滅などの象徴。saltwaterは海水・塩水。淡水・真水はfreshwater。
salty
【形】塩辛い、塩っぱい、塩気のある、辛辣な
saltがsalaryやsaladの語源であることをご存知の方も多いことでしょう。
salary 給料、サラリー(常雇いに対する固定給)
ラテン語のsalarium (兵士の塩購入代金)より
salad サラダ、レタス、サラダ菜、青野菜、寄せ集め
←中期英語salad(e)←中期フランス語salade←古プロバンス語salade
←俗ラテン語salāta(塩漬けにするsalāreの女性過去分詞形)
sodium chloride 塩化ナトリウム NaCl
sodium (soda+ium) ナトリウム
sodaはsodanum(アッケシソウ)から逆成された語 ソーダ灰が取れるこの植物は頭痛薬に用いられた。-iumは金属元素名の語尾
natriumは英語では旧称だが、ドイツ語では現在もNatrium
私の梅干し利用法
梅干しの塩分濃度で検索してみると、「昔ながらの塩分濃度20%」と言うフレーズが出てきます。私はその濃度でずっと浸けてきました。酸っぱいのが大の苦手なので、実は梅干しを好んで食べることはないのですが、梅和えに使ったり、梅と生姜の炊き込みご飯にしたりと調味料の一つとして重宝しています。すなわち梅干し単体としての食べやすさはあまり気にしていないこともあって、躊躇なく5%増にチャレンジできました。もし「酸っぱすぎ〜の塩辛すぎ〜🥲」の梅干しだったとしても、例えば元々梅干し2個のレシピだったら1個にするなど、適当に量を変えればいいだけだからです。
それまで同じやり方(塩分濃度)でやってきたのに今年はなぜか失敗してしまった方は本当にお気の毒ですが、その投稿を見て、手間暇かけた梅を腐らしてしまうくらいならしっかりと塩分を使い、ちゃんとした漬け物にした方がいいんじゃないのかしらと思わずにはいられませんでした。そもそも梅干しは保存食ではないのでしょうか?遠足のおにぎりに梅干しが入っていたのは、暑い気温の中、保冷剤も何もなくてもリュックの中のおにぎりが3時間後でもちゃんと食べられる事、塩っぱい梅干しのクエン酸にいわゆる「食中毒菌」と言われている菌への制御作用があることを昔の人は経験則で知っていたからでしょうが、どうしてわざわざ梅干しそのものが腐ってしまうリスクが大きいような低い塩分濃度にするのでしょうか?
味のため? 「健康」のため?
投稿者に対してのリプライの一つに8%で浸けているが失敗した事ない、毎日ひっくり返して云々というのがありましたが、それはもう凄いとしか言いようがありません。そうやって手間暇かけて愛情持って作った梅干しの味はきっと素晴らしいに違いないでしょう。添加物などを入れるような物ではない手作りの投稿の筈だから、もし塩8%と梅(&紫蘇)だけで漬けたような梅干しに巡り合う機会があればぜひ一度食して見たいとは思います。酸っぱくなくて塩っぱくなくて、やはりまろやかなのかな?
何パーセントで漬けようが漬ける人の勝手であり、そこには厳然たる味の違いが現れる事でしょうし、味には好き好きがあるわけですから、その点に関しては何の異論もありません。ただ、梅干しと言う保存食を昔ながらの20%(以上)で漬ければ私のような「なんちゃって梅干しつけてます」レベルの、仕込んだらほぼほったらかし(でも一応「しっかり漬かって美味しくなってね〜」と声は掛けます💛)人間でも失敗しないのにも拘らず、世間一般の趨勢としては、いかにして塩分濃度を下げても失敗しないで作れるかにフォーカスが行っているように見受けられます。繰り返しますが、味のために塩分調整をしたいのならそれには何の違和感も覚えません。ただ、もしそれが単に通常の塩分を忌避するためであるのなら、先人たちが塩を上手に利用してきたことをもう一度考え直してみるのも決して無駄な話ではないと思います。
減塩信仰
ある発酵食のワークショップに参加した時、何かの流れから梅干しの話になりました。参加していた私と同年代と思われる女性が「梅干しは怖くて食べれないから漬けません。」と言っていました。理由は血圧が高くて塩分を控えているからだそう。正直めちゃくちゃ驚きました。塩分が怖くて梅干しひとつも食べられないのなら、塩の入った食べものはほとんど何も食べられなくなるのではと心配してしまいました。想像するに、医者から1日の塩分摂取量は●gまでと指導を受けているのでしょう。おそらく1日に使う塩分量の計算を律儀にやっておられるのかもとも想像します。
さて、その塩分摂取制限が本当に意味があるのかを考えておられるのだろうかとついつい気になってしまいます。いや、意味があるどころか逆効果になってはいないだろうかとも心配になってしまいます。
塩抜きの刑
江戸時代には刑の一つとして塩抜きの刑があったことをご存知の方も多いでしょう。ネットで調べてみれば沢山の投稿がありますね。例えばこちら。
https://ameblo.jp/cosmosma/entry-12673459518.html
それほど塩が重要な事は特に文献を調べるに及ばず、感覚で分かるのではないでしょうか?おにぎりを頬張った時に美味しいのは塩が効いているからでしょう?塩なしで握って海苔で巻いて食べても美味しいとは感じられないのではないでしょうか?逆に塩をつけすぎて握った場合、塩辛くて美味しくないのではないでしょうか? そう、正常であれば人間には味覚センサーがありますね。個人差はありますが、美味しいと感じる塩加減の範囲がありますよね。
「その通りよ。だから摂らないのも良くないけれど、摂りすぎも良くないから控えているのよ」と考えている方も多いかもしれません。でも美味しいと感じる(=体が求めていると考えられます)値は個人や住む環境(暑さ寒さ)等々によって異なる筈なのに、男性はとか女性はとか高血圧の人はとかというざっくりとした括りで一様に●g○g▲g etc.未満となっているのに違和感を覚えることはありませんか?同様に30代も80代も猫も杓子も血圧の「正常値」140mmHGになっていることがおかしいと感じることはありませんか?昔は年齢+90という値が正常値とされていたのを知っている世代としては、何を寝言を言っているのだろうとしか思えないのです。
塩分と血圧の関係
一般的に広く信じられているのは、高血圧の人は塩分を控えなくてはならない、ですよね?本当にそうなのでしょうか?塩分を控えれば高血圧、ひいてはそこから生じるとされる疾患を防ぐことができるのでしょうか? 塩分を摂ればどんどん高血圧になって疾患を引き起こすのでしょうか? 塩は悪者なのでしょうか?
例えばこんな記事があります。
・この研究で判明したことは塩の摂取量が多いほど寿命が延び、あらゆる慢性病による死亡率が低下したという相関関係です。
・塩分摂取量が1日10–12.5 gが寿命延長効果のピークとなっています。
・現代医学の「塩」というのは、加工食品に添加されている塩(ナトリウム)のことであって、私たちが調理や食材に使用する塩(さまざまなミネラルを含有)のことではありません。
自然療法や自然食に目覚めた方々は、塩が悪いのではなく、精製塩、すなわち塩化ナトリウムNaCl 99.5%以上に濃縮したものが良くないのであって、天然塩をしっかりと摂ることが健康のためには必須である事をご存知の方が多いとは思いますが、冒頭に書いた梅干し塩分15%で失敗した方や驚異の8%梅干しを漬けられている方の様に、もしかして味のためではなく、漬物が好きだけど健康のために塩分控えなくてはと思っている、減塩信仰から抜け出せなくなっている人がやはり多いのではないかと感じてしまいます。
・真の因果関係は、プーファリッチの加工食品の摂取と心臓血管疾患のリスク上昇の相関関係にあるのです(プーファなどの毒物摂取がダイレクトに心臓血管疾患のリスクを上昇させる)。
プーファとはPUFA、polyunsaturated fatty acidの略で多価不飽和脂肪酸、植物油や魚油などに含まれている非常に酸化しやすい油の事ですが、高血圧が原因とされる様々な疾患の真の原因は(精製)塩と一緒に酸化しやすい油を摂取していることなので、どんなにいい塩を使っている商品であっても、あるいはいい塩で家で手作りしたものだとしてもポテチやフライドポテトなどの加工食品を食べ続ければそれは間違いなく健康を害することでしょう。「ウイルスなどの病原菌」が感染症の原因とされている事※同様に、塩はスケープゴートにされているわけですね。
※「病原体仮説」の間違いをご存知ない方は、歴史は繰り返すシリーズを参考にして頂ければと存じます。
こちらの投稿はダイレクトに塩と血圧の関係についてです。
・つまり、塩分の摂取量をアップすれば、循環血液量は減少していったということです。これは「塩=飲水量アップ=高血圧」という図式ですっかり洗脳されている私たちにとって、真逆の結果です
・塩分の不足によって、むしろ高血圧になる
・特に現在の日本当局の塩分推奨量では、高血圧になるのは間違いありません
とありますよ。
塩の選び方
因みに、昔は梅干しの塩分30%だったと投稿していた方は、初めての時何も知らずに精製塩30%で漬けてしまい、およそ食べられたものではなかったそうで、その後天然塩で漬けて美味しかったと投稿されていました。NaCl以外の微量ミネラルの存在が重要ですね。但し、微量ミネラルの量が多ければ多いほど良いわけではなく、硫酸マグネシウム等の量が多いことはあまり良くない様です。私はこちらの投稿などを参考にしています。
また、塩の組成以外にも、マイクロプラスチックの問題がありますが、一般人にはその有無や量は知りようがないので、一つのブランドに絞らず、組成的によさそうなものをいくつかピックアップして海水の採取地のバリエーションを持っておく事も一つの対策と考えています。
上記の崎谷先生は塩についてたくさん投稿されていますが、他にも減塩信仰に警鐘を鳴らす発信をされている医師などの専門家の方々は少なくありません。今回の記事を書くにあたって調べてみると、大手メディアでさえそんなスタンスの記事を出していて実は驚いたのですが、それでも尚、減塩梅干しを漬ける様な人たちがどうも少なくないと言う印象を持ち、衝撃を受け、素人の私でも人の目に触れる記事の一つを書いてみるのも悪くないと思い書いてみました。皆さんがいい塩梅でお塩を躊躇なく利用することに繋がりますように!
塩梅:元々は塩と梅酢で調味をすること
ついでに情報① 経口補水液の作り方
熱中症の話をよく聞く季節ですね。昔は熱中症などと言う言葉はなく日射病と言っていましたが、日射病にかかる児童は全校で一人いたかいないか。近年の熱中症の増加は、暑いからとかエアコンで育ったからと言うだけではない様々な因子が絡んでいると思われますが、何はともあれ早めの手当は大事ですよね。添加物のない自家製経口補水液の作り方を知っておくと安心。砂糖の代わりに、あれば蜂蜜の方がグーです。
ついでに情報② 梅干しを真っ赤にするには?
梅干しを真っ赤にしたければこの方法がいいです。梅ボーイズの若き代表、山本将志郎氏、今年から売る事が厳しくなった、道の駅等で売ってた「おばちゃんの作る梅干し」を存続させるために活動された素晴らしい梅干し屋さんです!
最後までお読みいただきありがとうございました!