見出し画像

ハワイ島の圧倒的な不便と圧倒的な温かさ(2)タクシー会社編

前の記事でイタリア旅行の記事を書くと言ったが、一つハワイ島脱出前についての書きかけの記事があるのでそちらを先に読んでいただきたい。

ハワイ島からロサンゼルスに向かう便がキャンセルになった話を書いた。


そこで体験したのはハワイのシステム機能不全と、人間関係の健全さのコントラストだった。そして一日遅れでまたコナ空港に向かう時にもまた同じような体験をすることとなった。

前日、6時間空港で粘った甲斐があり、コナーシアトルーニューヨークーローマと3便乗り継がないといけないものの、イタリアに行けることになった。しかしトラベルエージェントからは席を確実に確保するために3時間前には空港に着く用にと言われていた。

朝、タクシー会社に連絡する

前の日に空港から自宅行きとともに自宅から空港行きのタクシーバウチャーをもらっていたので、バウチャーが使える会社に朝8時頃電話をした。

一つ目のタクシー会社にコールしても誰も出なかったが、2つ目の会社に電話したらオーナーらしき人が電話に出た。自宅住所とピックアップの希望時間を伝えて、それをさらにテキストするとすぐに予約の受付が完了した旨の返信をもらった。

それから10分ほどすると同じ会社の担当ドライバーだという男性から予約の再確認のための電話が来た。時間と住所を確認した後、彼にバウチャーを使う人が多くてタクシー会社は混乱状態なので途中で時間変更などの可能性があると釘を刺された。一応わかったと言って電話を切ったが、ギリギリに時間変更なんてことがあったら困ると思い直し、すぐに申し訳ないが確実に空港につきたいのでキャンセルしたいとテキストした。すると彼から「了解した。申し訳ない」というテキストが戻ってきた。

バウチャーは使えなくても安心して空港に行きたいので、前日空港まで連れて行ってくれたタクシードライバーのアレックスに電話し、希望の時間を伝えると快諾してくれた。タクシーが迎えに来るのは夕方なのでそれまで家のことや仕事などをこなして過ごしていた。

夕方、タクシー会社からのテキストを受け取る


夕方になりそろそろ出かける支度をしようとした頃、「今日、5時にピックアップに行きます」というテキストを受け取った。てっきりアレックスからかと思ったが番号が違う。それで電話してみると、キャンセルした会社のまた別のドライバーからであった。私はキャンセルした事情を説明してタクシーは必要ない旨を伝えた。そのドライバーはわかったと言って電話を切ったが、しばらくするとオーナーから電話がかかってきた。

彼はちょっと憤った様子で「キャンセルなんていう連絡は受け取っていない。バウチャーを使ってくれないと空港会社との関係で困るんだ」というようなことを捲し立てられてしまった。私も最後の荷造りや家の戸締りをしている途中だったので、ちょっとイライラしながら、「ドライバーにキャンセルのテキストしましたよ。必要ならテキストを送りますけど、私も今出ないといけないので時間がないんです。悪いけど電話を切ります」と言うと流石に向こうも引き下がってくれた。

家の前に待つ2台のタクシー


昨日からストレス続きなのに、出発前にまた焦らされたがともかく前に進んでいくしかない。30分ほどしてしっかり戸締りをして家を出た。

すると家の外にはタクシーらしい車が2台止まっている。一台はアレックスの車で私は彼に手を振る。もう一つの車のドライバーに「あなたはもしかして○○タクシーの方?」と聞くとそうだという。

あー、なぜこんなにも連絡がうまくいかないのだー!

私は二人に事情を説明して、マテオ(後で名前を聞いた)に「申し訳ないけれどアレックスにお願いしたから彼の車で空港に行く。今日は引き取ってほしい」と伝えた。穏やかな雰囲気のマテオはちょっと残念そうな顔はしたが、「OK,わかったよ」と言ってくれた。

ところがアレックスが、「彼の車で行きなよ。彼の車で行けばバウチャー使えるんでしょ?そしたらお金、かからないじゃない?」というのだ。私は、「あなたのタクシーを予約したから、それを尊重したい」と言うが、アレックスは「気にするな、バウチャー使えるんだから彼の車で行った方がいいよ。僕はやることあるしいいよ。」と笑って言ってくれる。マテオもちょっとびっくりした様子で「えー、本当にいいのか?」と遠慮しがちに聞いている。

先のオーナーとの電話で、航空会社との力関係もあってかバウチャーにまつわるなかなか複雑な事情も伝わってきたので、アレックスの言葉に甘えてマテオの車で行くことにした。

タクシーに乗り込んだ後、この24時間、かなりストレスフルな状態にあった私は、アレックスの優しさに触れて涙が出そうになった。時間を無駄にして稼ぎも無くなるのに、自分が引くことでその場を収めてくれるなんてなかなかできることではない。

タクシーの中からアレックスにお礼のテキストを送ると、「どういたしまして。それに彼(マテオ)も僕の友達だからね」というテキストが返ってきた。やっぱりハワイって人と人の繋がりが深いのだなーと心がじんわり温かくなった。システムの機能不全は大変だけど、やっぱり私は人の温かいつながりのあるハワイに住み続けたいと思えた。

ちなみに空港まで送ってくれたマテオとは食べ物の話や旅行の話で盛り上がり、楽しい時間を過ごした。

最後にハワイ島のコナ側でタクシーを使いたい時はぜひ、Ohana TaxiのAlexさんをお勧めしたい。

アレックスの電話番号

Ohana Taxi: Alex Talledo Tel: ‭(808) 443-4986‬

いいなと思ったら応援しよう!