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イタリア旅行:ポッジョコンテの修道院と守神のような白い犬

イタリア旅行についてゆるゆると報告が続く。今日はポッジョコンテの修道院跡へのハイキングとそこで出会った犬の話だ。

前の晩は1610年に建てられ、一時期はナポレオンの弟が所有していたこともあるCasale Bonaparteというアグリツーリズモに泊まった。


石造の堅牢な作りで趣きがあるが中は快適である。ただ夜に結構冷え込むのでヒーターを入れようとしたら入らない。イタリアではある時期までホテルはヒーターを入れてはいけないという規則があるという。あとで調べたらエネルギー節約と環境保護のためだそうだ。

外から見ると400年以上前のものとは思えない
床や暖炉の石は中世の趣。
現在は使用していない暖炉の隣にIkeaのランプという取り合わせが面白い


さてこの日はそこから30分ほど車で西に向かい、修道院跡までハイキングコースを歩く。ヴィーア・カーヴァのように急であったり滑る心配のない、なかなかのどかなハイキングである。あんまりのどかすぎて写真をあまり撮っていない。


友人の写真を拝借。
途中で牧牛がいる。陰になっていて見えにくいが木の葉っぱを食べているのが面白い。
これは友人が撮った写真。牛の様子が見えるだろう。

鼻歌混じりで歩いていると、一匹の犬が私たちについて来た。ポッジョコンテの修道院までの道は結構人気のハイキングコースなので、他の観光客の犬かと思ったがそうではない。このツアーのガイドによると、彼らがツアー客を連れてくるたびに現れて修道院までついてくるそうだ。

とても静かでただ私たちについてくるだけであるが、撫でてやると嬉しそうにゴロンと寝転がるのが可愛い。

ガイドとワンちゃん

しばらく歩くと川が見えてきた。フィオラ川という川である。このツアーはローマ人が来る前にこの地に栄えたエトルリア文化を辿るというテーマだった。エトルリア人たちは丘の上に街を築く一方、川を使って物資を運び、上手に貿易をすることで非常に栄えていた。このフィオラ川もその貿易に使われたそうだ。

フィオラ川の川縁。のんびりしたところだ

川の上流に向かうにつれて少し道が急になり、急にこんな光景が見える。ガイドによるとここはエトルリア人にとって神聖な場所で儀式に使われていたそうだ。空気が清らかで荘厳な感じを受ける。

岩の大きさがおわかりいただえるだろうか?

この岩に向かって左側にポッジョコンテの僧院跡がある。かなり急な坂を登っていかないといけず、湿気が多いために足元が滑りやすい。そのため80歳の友人は僧院へは行かず、この岩の前のベンチで座って待っていることにした。

するとずっと私たちについてきたワンちゃんが、友人の近くでじっと座って待っているのだ。まるで一人になった友人が寂しくないようにと守ってくれているようだった。やっぱり君は特別な犬だったんだね。

私たちは少し安心して友人を残して僧院へ向かう。

この僧院は、おそらく中世の13世紀ごろに建てられたとされている。岩を削って作られたももので、簡素な祭壇やフレスコ画が残されている。修道士たちがこの自然の中で瞑想や祈りを行っていたのであろう。

僧院の入り口である。
入り口を中から撮ったところ。
祭壇のようなものだろう


洞窟内ではガイドが私たちが写真が撮れるようにフラッシュライトで色々なところを照らしてくれた。その中でガイドが「これなんだか分かる?」とニヤリとしながら聞いてきた。

上を見上げてその柄にびっくりした。「え?修道院でこの図柄?しかもこんなにいっぱい?これを見ながら瞑想してたの?」と私も他のツアー仲間たちもざわめいた。しかし今写真を見ても皆暗すぎてどれだったか分からない。もしかしたらこの中にはないかもしれない。みなさん、意外な柄がなんだか想像できるだろうか?

これは食べ物を貯蔵していたところらしい。


さて僧院からの帰りもあの白い犬は私たちが車に乗り込むまでついて来てくれた。僧院に通っているうちに特別な力を授かるようになったのだろうか?天から遣わされた守神のような犬だった。

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