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好きなカメラについて

自分は今までに4台のカメラを知った。それぞれ使ってみてデジイチ、ミラーレス、フィルム一眼、レンジファインダーと、メジャーな種類のカメラを一通り触ってみて、自分にとって何が重要か、考えたことを書いてみる。

Canon EOS Kiss F

1台目は、母親の持っているEOS kiss F。APS-Cのデジイチで、もう古いのもあって、AFはイマイチだし、写りも普通。あんまり使い勝手はよくない。でも、MFで使うなら十分だし、軽くはないけどコンパクト。

Nikon F2 Photomic

2台目は、Nikon F2 Photomic。写真部の新歓で貸してもらった。当然重いし、頭でっかちでかっこよくないし、デカい。でも、フラッグシップなだけあって、露出計もバリバリ動くし、ファインダーもクリアだった。

F2 Photomic + Nikkor-S 50mm f/2、Foma PAN 400、浜大津、2024年5月3日


Sony α7 (ILCE-7)

3台目は、Sony α7(初代)。写真部の同期に教えてもらって初めて買った一台。オールドレンズを使いたかったので、性能がフルに活きるフルサイズのミラーレスが欲しかった。予算も少ないとなると、一択だった。あんまり評判は良くないらしいが、自分は今はこれで満足。6切くらいにしか伸ばさないから画素数も十分、スポーツは撮らないしオールドレンズだからAF性能もいらない。何より軽いくて薄いのがよい。レンズもMFの軽いオールドレンズを選んで、アダプター込みでもコンパクト。

α7 + Canon Lens New FD50mm F1.4、上賀茂神社、2024年9月17日

Leotax F

4台目は、Leotax F。コピーライカ。写真部のジャンク品。何がジャンクなのかよくわからなかったので、Elmar 5cm  F3.5を買って使ってみた。とにかく軽い、小さい。露出計もないから、「16ルール」で頑張る。低速シャッターが不調で、シャッターボタンを押している限りずっとシャッターが閉じない感じ。でも、沈胴エルマーと合わせてるからとてもコンパクトで、ポケットに入ってしまった。とても気に入って、あっという間に36枚撮り切った。

Kodak ColorPlus 200、京都大学文学部校舎、11月3日
Kodak ColorPlus 200、
京都府庁旧本館、11月3日

どうも後幕の調子がよくないのか、左上が暗くなる。
でも、ポケットサイズで必要最低限の機能を持つカメラは魅力的だった。

本題

ここからが本題。自分にとっての「よい写真」は、「偶然らしさ」や「未知」のある写真。いつでも撮れる写真は、あまり面白くない。いつでも撮れて、なおかつ美しさとか、面白さとか、目新しさを感じられるのは、被写体そのものに魅力がある時だけ。何百年も前の仏像の写真が綺麗だと思えるのは、仏像そのものが美しいから。でも、そういう美しい物ばかりじゃないから、普段目にする普通のものを、どう撮るかが問題になると思う。
そういうわけで、自分の目指す写真は必然的に、一瞬のシャッターチャンスを捉えたものになる。そして、その一瞬のシャッターチャンスを捉えるには、いつでもすぐにカメラが取り出されなければいけない。いつでもカメラが取り出されるということは、いつでもカメラを持っているということを前提する。そして、重いカメラ、嵩張るカメラは、常時携行するのは難しい。ゆえにカメラは小さく軽くなる。
かといって、レンズ付きフォルムが許されるものでもない。性能は疎かにされるべきではない。なぜなら性能もまた、シャッターチャンスを捉える条件だからである。単にシャッターボタンを押下すればいい写真が撮られるわけではないし、いい写真を撮るための「手段」としてシャッターチャンスを捉えるということがあるからである。自分は、ピントの合わない写真や露出のあっていない写真に積極的な価値は見出さない。作られ、仕組まれた「エモさ」はいらない。ピントと露出を合わせ、像をある程度の大きさの紙に写す、という写真の原点を妥協したくない。
こうした自分の需要に最適なカメラは、上に挙げた4台の中ではLeotax Fと沈胴エルマーの組み合わせだ。EOS Kiss Fやα7もいいけれど、小さくはない。F2 Photomicは重すぎるし大きい。機動性、機能、おまけに静粛性。「どこでも撮れる」の極致があるような気がした。
コンデジでもよいのではないか、という反論も予想されうる。Olympus Pen、Ricoh GR3、Fujifilm X100Vもよいカメラのように思われる。Konica C35FDなら、バルナックライカと同じレンジファインダーで、露出は絞り優先だ。その辺りはまた、財布を温めて知りたい。

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