怪奇な日
幼稚園の年少、高尾山へ合宿へ行った
平長屋の宿舎、建物の真ん中に壁?柱?があり、大きな玄関を入ると壁を挟み左右に縦長の廊下沿いにいくつも部屋ある
まあ、昔風の変わった造りだった
日中の洞窟散策
男の先生を先頭に一列に洞窟に入る かなり深い
背が低い私は前から5番目辺り
奥に進むにつれてどんどん低く狭くなる道
暫く進むと「行き止まり~!」と先生の声
しかし、先生のその先には明らかに細い道が続いている
「先生、道まだあるよ?」
「何言ってるの、無いでしょ。行き止まりだよ」
「???」
強制的に回れ右で来た道を戻っていく・・・・・
(未だ道があったのに・・・)
その先の道が狭く危ないから「行き止まり」と云ったのか、
先生には本当に道が見えなかったのか。
その疑問を抱えたまま宿舎へ帰る
宿舎に帰った頃にはそんな疑問は消え、大きな玄関で靴を脱ぎ捨てみんなで部屋へ走る が、部屋が無い・・・・・
確か自分の桃組の部屋は向かって右側の廊下沿いの部屋
見当たらない。横並びに7部屋位はあったろうか。
全ての部屋に入り確認する。無い・・・・・
???
なにせ単純な創りの平屋。 迷いようがない
玄関へ戻る
向かって右側に部屋が無いので、左側へ行ってみる
騒いで遊んでいる面子はあまり馴染みのない顔が多い
やはり部屋が見当たらない
突き当りまで行くと廊下がUの字で繋がっている
右側の廊下へ戻る
顔なじみの同級生たちが廊下でわいわい遊んでいる
夕食までお楽しみタイム。楽しそう・・・
加わりたいが、先に部屋を見つけたい!
必死に長屋をぐるぐる周る(もう半泣き状態)
何周周っただろうか・・・疲れ果てて玄関でたたずむ。
タイミング良く担任の先生現る!
「先生、部屋が無い!見つからない!お気に入りの紫のリュックが無い!」
「何言っているの。そんな筈ないでしょ?」
信じてくれない・・・・・
「だって、何回も探したもん!何周もしたもん!」
全く・・・と云う顔をしながら私を部屋へ誘導する
(あった! でもどうして?)
何も云わず立ち去る先生、いや背中が物語っていた、はっりきと。
さっきの洞窟と云い、部屋と云い、一体何が起こっているのか?
疑問の答えを探すために玄関へ向かう
靴を履いていると、またまた担任の先生登場!
「何しているの?」
「さっきの洞窟へ行く」
「どうして?」
「道は続いてた。でも先生は無いと云った、確かめて来る!」
「道は無かったよ、先生も見たよ。もう暗くなってきたから行っては駄目」
しかし、この担任の先生は私より遥か後ろに居た筈だ
百歩譲って私より身長の高い先生が見えたとしても・・・
くねくね曲がった道、あの暗い中で?本当だろうか?
そんな心の声が若干漏れたようだ・・・
「先頭にいた先生に聞いてくるね」と去っていった
戻ってくるなりどや顔で「やっぱり先に道は無かった」の回答
納得できない私だったが、夕食の呼びかけに食堂へ誘導される
夜、消灯までのまくら投げタイムだ!
みんな部屋から出て騒ぎだす
もちろん、私もさっきの事など忘れて騒ぎまくる
が、が、が、、、
まただ。
部屋が無い!
戻れない!
必死に探した!
今回は2.3週周っただけで部屋が出没した!
記憶はここで途切れている
うーん
きつねさんか?たぬきさんか?はたまた天狗さんか?
幼稚園年少の私に何をしたかったのだ?
遊びたかった?
今でもはっきりと覚えている、あの洞窟の先の道の光景
あの道は何処へ続いていたのだろう・・・・・
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大人になって高尾山に登ったが知っている光景では無かった
東京側から登ったので、きっと神奈川側の何処かなのだろう
機会があれば行ってみたいと思っている・・・真実を確かめに。
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