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そう、音楽は好き勝手やっていい
誰もがテレビを見るわけじゃない昨今、CMの話題で盛り上がれると言えば、YouTube上のものぐらいだろうか。最近こちらのYouTubeで流れるペプシのCMは、Walk off the Earthのものだ。
どんなものから出る、どんな音も、音楽になる。
むしろそれが、楽しくて、かっこいい!
毎回、この広告が再生画像の頭に来るたびに、「やった!」と思う自分がいる。そして、つい見入ってしまう。そうなんだよ、音楽はこんな風に、好き勝手やっていいんだよ。音は、好きにつくるもんなんだよ。
このWalk off the Earth、見ての通り、どうやって音を出すかに妙なこだわりがある。有名な歌をカバーしたビデオなどは、どれも遊び心たっぷりだ。
彼らの名前を一気に広めたのが、次のビデオ。
Ed Sheeran "Shape of You"のお茶目なカバーだ。
音楽療法ではおなじみのブームワッカー(縦に持っている長い棒)やカリンバ(女性が演奏している楽器)、さらには食器やカトラリー、ボウルに入ったシリアルなど、いろいろなものを使って、あの曲をカバーしている。
しかも、自宅感満載。ちびっこまで一緒だ。3分過ぎに面白い事が起こるので、よかったらしばらく見続けてみて下さい。
もちろん、彼らは彼らでいろいろ計算し尽くして、こういうビデオを撮っているわけだけれど。彼らの音楽が発するメッセージは、音楽療法で大事にしている感性に近くて、共感できる。
間違っちゃいけないとか
ちゃんとやらなきゃいけないとか
そういうことじゃない。
音を作るのって、こんなに楽しいんだ。
作って、楽しまなきゃ、もったいない。
音楽をコツコツ「勉強」したことのある人なら、わかるだろう。毎日練習しないと、本番で完璧にやらないと、音楽はやれない…… なんてはずはないのに、なぜかそういう気持ちにとらわれる。そしていつか、音楽をやる楽しさが薄れていく。
音楽を「勉強」したことのない人も、わかるだろう。ちゃんと習わないと、ちゃんと楽器を買わないと、音楽はできない…… なんてはずはないのに、なぜかそういう気持ちにとらわれる。そしていつか、音楽が、高嶺の花になる。
音楽療法は、こういう思い込みから自由な世界だ。「お勉強的な」音楽から解放された時の、気持ちよさといったら!これがあるから、私は音楽療法士を続けられている気がする。
もちろん、完璧にやらなきゃとか練習をやめちゃいけないとか、そういうプレッシャーから音楽をやるのがキツくなってしまった、音楽家やアーティストのための音楽療法もある。音楽と自分との関係を掘り下げていく作業は、長く演奏を続けていく過程で、大きな意味を持つ。これも、いつか書かなきゃいけないテーマだ。
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私は子供たちとよく、身の回りにある日用品を鳴らして即興する「ジャンクオーケストラ」をやる。その時のワクワク感とぶっ飛び感は、冒頭のビデオそのまんまだ。
子供たちは、それはもう大はしゃぎで音を出す。そのうち、自分の出している音に耳を傾け始める。もっと違う音が出ないかな。ここをこするとどうなるだろう?しばらくすると、隣の子の音も気になり始める。目が合ったら、音での対話だ。掛け合いはすぐにオーバーヒート。音の強さで張り合ってみたり、おかしな音で笑わせてみたり。
なんてやっているうちに、結構いいビートで、なんだかカッコいい音楽になっていたりする。誰かが思わず踊り出す。気づけば私も、踊っている。
そして音楽は、続く…
音楽療法士って、やっぱりサイコーだ。
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