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★ライフワークとしてのワーク・エンゲージメントを見出そう!★      ~資格にチャレンジしてたことで見出せたワーク・エンゲージメント③~


由美子:今回はカズさんが今体現しているワーク・エンゲージメントについて、聞かせてください。
 
和男:ゆみちゃんは、僕が今、かなりワーク・エンゲージメントが高い状態なのを知っているよね。周りからは穏やかに見えてるかもしれないけど、心は全身全霊で燃えていて日々やりがいを感じてる。僕は入社以来ずっと開発部門でシステム開発やプロジェクト管理をしてきたんだけど、 57歳の時に人事部に異動することになったんだよね。異動になって「キャリアコンサルタント」の資格を取ったことがきっかけかな。
 
由美子:開発から人事ってすごい異動ですね。まるで別の会社に転職したみたい。異動を知らされたときはどんな思いだったんですか?
 
和男:そうだね。突然の異動と言うよりも人事部にいた前任者の異動が決まっていて、後任を探している時だったんだよね。当時の上役から「高久さん。ちょっと、ちょっと。」と小部屋に連れていかれて、「開発に居るよりもストレス少ないし、行ってみない?」と言われて、断る理由も無かったから受け入れることにしたんだ。その上役は僕が大病を患ったことも知っていたから、良かれと思っての打診だったと思うんだけど、ホントは「人事に行って何をしたらいいんだろう・・・」って言う思いでいっぱいだった。ちょうど世間では、「ダイバーシティ」とか「働き方改革」って言われていた頃で、人事部の上司からは「ダイバーシティに関する施策を考えたい」というものと、「これから増えて来る中高年社員を元気づける研修をやりたい」というものだった。この二つのミッションを企画するにあたって色々セミナーとか外部研修とかを受講しに行って、その時に「キャリアコンサルタント」っていう国家資格があるのを初めて知ったんだよね。その時に名刺交換した講師から「キャリアコンサルタントって人事部の普通免許なんだけど、資格持ってないの?」と言われてね。その時はまだ異動したばっかりで「そんな資格があるなんて知らねぇつうの!」って、ちょっとカチン来たのを覚えているよ。
 
由美子:カチンと来たのは、心に引っ掛かったってことですよ、きっと。
 
和男:「基本情報」っていう国家資格があって、まぁそれがIT業界の普通免許に当たると思うんだけど、今まで開発にいたときの部下には散々「資格取れ、資格取れ」って言ってたのに、人事だったら何も資格取らなくていいのか?って思ったんだ。「基本情報」は独学で勉強しても取れる資格だけど、「キャリアコンサルタント」はスクーリングに行かないと受験資格が得られない資格だから、ちょっとハードルは高かったけどね。でも何か気になってしょうがないって言うことは、この資格に興味を持っていることなんだろうと思って講座に申し込むことにしたんだ。
 
由美子:自分の心に動かされて、「キャリアコンサルタント」の資格取得に一歩踏み出したんですね。
 
和男:でもね、自分の意思で申し込んだとは言え、技術者というのは結構ひとりでモクモクと仕事をすることが多く、一対一でコンサルタントと相談者に分かれてのロールプレイングはすご~く苦手だった。「やっぱり申込しなければよかった・・・」なんて何回思ったことか。
 
由美子:人と向き合うのは苦手だったなんて、今のカズさんから想像できない。
 
和男:「キャリアコンサルタント」の資格を取ってなかったら、会社で実施している社員面談の担当になることも無かっただろうし、Queに誘われることも無く研修講師やこういうコラムを書いていることも無かったと思うよ。
 
由美子:カズさん、社員面談すごく頑張ってますよね。全社員に対してやっているんでしょ?
 
和男:昨年実施した社員面談は何か悩み事がある人だけを対象にしたわけじゃなくて、取り敢えず分担して全員と面談しようというものだったので、面談した人によっては「もっと早くやってほしかった」とか「話を聞いてもらってスッキリした」という人が居る反面、「特に何も話すことはありません」と言う人も居てね。前者の人に対しては何か気づきを与えたり、相手の気持ちに寄り添えたり出来たんじゃないかと思うんだよね。こういう”良かった”っていう言葉をもらえると、それなりに貢献できたのかなぁ、って自負があるかな。
 
由美子:私も女性たちの面談で同じような喜びを感じてたから大いに共感します。そして、私たちQueの所属講師として、一緒に研修やコラム執筆でワーク・エンゲージメント感じていますよね。
 
和男:Queの講師はゆみちゃんと二人三脚だから、毎週のようにZoomで打合せしてテキスト作ったり、セリフ考えたりして、土曜日や日曜日も結構忙しいけど、すごく充実しているよね。パワーポイントのスライドやお互いのセリフについて、もめることも無いのでストレスなく楽しんでますよ。またこのコラムも一人で書くとなると大変だけど、こっちも二人のキャリア研修プログラムみたいに、お互いの掛け合いを書いているのが結構楽しい。
 
由美子:中々アイディア出なかったり、壁にぶち当たって途方に暮れたりするときもあるけど、二人で乗り越えられると、苦労した分だけ喜びも大きくなりますね。
 
和男:我々のような60歳を越えたサラリーマンは、これからの世代のために貢献するのが役割だよね。それを考えるとこのキャリアコンサルタントの資格を取ったことをきっかけに、貢献できることがどんどん増えて、達成感も増えている。正に今「ワーク・エンゲージメント」を体現しているんだと思うんだ。でも、僕の場合は、ワーク・エンゲージメントを深く感じる原点というのが、過去にあるんだよね。他の人とは違う体験をしているからこそ、僕はワーク・エンゲージメントを見つめ続けて生きてきたのかもしれない・・・なんて思う。その話は次回にしようかな。
 
由美子:その話、次号もすごく楽しみです!


 
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