第1回 「60歳以降のキャリアを考える」~今から始める未来設計~
高久和男の『ゴールド人財への道をみんなで歩もう』
いままで相棒のゆみちゃんと共同執筆していたコラムを、一人一人で書くことにしました。二人各々の想いがより深く伝われば幸いです。
私の会社では「キャリアサポート面談」(キャリサポ面談)というものを実施しています。きっかけは4年前。当時の副社長が「人事部は全員と面談して、社員一人一人がどんことにやりがい感じて、どんな悩み抱えているのか把握しなさい。」という鶴の一声で始まった制度です。キャリアコンサルタントの資格を持っていることで、私はこの面談員を当時から担当しています。初年度は全員と面談したものの次年度以降は「何か相談したいことがある人は連絡して」という体制にしたら、ほとんど手を挙げる人が居なかったので3年目からはこちらで対象者を絞って声を掛けることにしました。その対象者の中に含まれているひとつが「節目年齢面談」です。私は、「節目年齢面談」の中でも50歳・55歳の人を主に担当しています。
そんなキャリサポ面談を通じて多くのシニア社員と対話する中で、「60歳以降はどんな働き方をしたいですか?」という問いに対して、多くの方が「そろそろ考えなくちゃいけないと思っているんだけど、まだ考えられていない」と答えることが多いことに気づきました。
皆さんの会社の定年は何歳ですか? 60歳定年で65歳まで延長雇用という企業が多いですよね。60歳以降のキャリアを考えることは、単に退職後の生活を見据えるだけでなく、今後の人生をより充実させるための重要なステップです。特に、現代の社会では定年後も働き続けることが一般的になりつつあります。そのため、早めに自分のキャリアプランを考えることが、将来の安心感や満足感につながります。
では、「考えなきゃ」と思っているのに、中々考えられないのはなぜなのでしょう・・・。「日々の仕事に追われて考えている暇がない」、「まだ少し先のことだから」、「そのうちに人事制度が変わって定年年齢が引き上げられるかもしれない」等々、私との面談の中でも色々な理由がありました。しかし、その言葉の裏には、将来への不安や変化への抵抗感が隠れていることが多いのではないでしょうか。多くの人が、これまでのキャリアに対する自信や誇りを持ちながらも、新しい挑戦に対する不安や、未知の領域に踏み出すことへの恐れを抱いていると思います。さらに、定年後の生活や働き方について具体的なイメージが湧かないため、考えること自体が後回しになってしまうこともあるでしょう。だからまずは、自分のキャリアを再定義することから始めましょう。
私は57歳の時、長年勤めていた開発セクションから人事部への異動が決まりました。この異動は私にとって大きな転機となりました。開発セクションでは、システムエンジニアやプロジェクトマネージャーとして多くの大型プロジェクトに携わり、技術的なスキルを磨いてきました。しかし、人事部への異動は全く新しい挑戦であり、これまでの経験とは異なるスキルが求められることを実感し、キャリアコンサルタントの資格取得もこの異動がきっかけでした。60歳で取得したこの資格のおかげで、人事部の中でも新しい役割を担うことができています。これまでの経験やスキルを振り返り、自分が本当にやりたいことや得意なことを見つけることも大切ですが、まったく新しい分野に挑戦することも恐れずに進んでみてはいかがでしょうか。50代はまだまだ色々なことに挑戦できる年代です。
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