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第2回 「60歳以降のキャリアを考える」 ~キャリアの再設計をして新しい道を切り拓く~
高久和男の『ゴールド人財への道をみんなで歩もう』
50代も半ばに差し掛かってくると仕事と家庭に充実した日々を送りながらも、ふとこれからの自分を見つめ直す瞬間が訪れることがあります。定年が見え始めるこの時期、次のステージに向けてどのように準備をしていくべきか考えるのは自然なことです。
キャリアの転機を迎えるとき、誰でも新しいことに挑戦する勇気を必要とします。これまで積み重ねてきた経験と知識を活かしつつ、新たなスキルを身につけることできるといいですね。私は長年システム開発の仕事をしてきましたが、57歳で人事部に異動したときに「今までのキャリアは何も役に立たなくなったな」と思っていました。しかし、思わぬところで今までのスキルが役に立つことがありました。会社ではプロフェッショナル認定制度というがあり、開発部門の技術者が「プロジェクトで新しい設計手法を考案して開発の効率を上げた」、「独自のプロジェクト管理方法で期日通りにプロジェクトを完遂した」など、自分の技術者としての力量を申請書に書き、外部と社内の審査員が書類審査と面接審査をして、そのレベルを評価し認定してもらう制度です。このとりまとめを行っているのが人事部で、私はその事務局を担当することになりました。申請書が私のところに集まってきますので、審査員へ提出する前に目を通すと、書き方に問題があるところが色々と気になります。
〇今までのキャリアは変化させて活かすことができる
審査員の人たちはその人が担当してきたプロジェクトの背景を知っているわけではありません。何でそのシステムを開発する必要があったのか、どこが大変だったのか、失敗したことはなんだったのか、その失敗は次のプロジェクトでどう活かそうと思っているのか等、第三者へしっかり伝えることが必要なのです。しかし、社内の関係者向けに事実だけを書いてある、プロジェクト完了報告書のようなケースがとても多いんです。そこで「ここはこういうことをアピールした方がいいから、ちょっと書き直してみて」と、今までの開発時代の経験を活かしてアドバイスしてあげました。開発部門にいたときはプロジェクトマネージャーという立場で、社内だけではなくユーザーなど第三者の人へ説明する機会も多かったので、今は認定制度の事務局という人事部の立場ですが、その時に培った知識や経験を活かすことができました。また、今までのキャリアを活かしつつ、面接審査時に進行を務めるファシリテーターという新しいスキルも身につきました。
〇新しいスキルを身につけることで、自分のキャリアは膨らむ
開発部門には開発に必要なスキルがあるように、人事部にも人事に必要なスキルがあります。私は今までのスキルを活かした上記のような働き方と併せて、人事部で必須ではないものの必要とされるキャリアコンサルタントという新しいスキルに挑戦し、今はやりがいを持って働くことができています。それぞれの部署ではその部署に必要な知識やスキルがあります。役職定年や定年後再雇用となって不本意な人事異動を経験した人もいるかもしれません。新しい部署でモチベーション低く働くか、やりがいを持って働くかは本人の気持ち次第です。新しい部署ではどんなスキルが必要か、自分に求められている役割は何か、しっかりと見つめてほしいと思います。
〇キャリアの再設計ができれば人生は楽しめる
キャリアの再設計には、自己分析が不可欠です。自分が本当にやりたいこと、得意なこと、そしてこれからの人生で達成したい目標を明確にするために、一度立ち止まって考える時間を持つことが大事です。趣味や興味のある分野に目を向けることで、新たなキャリアのヒントが見つかるかもしれません。キャリアの転機には不安やプレッシャーも伴いますが、前向きな姿勢を保つことが成功への鍵となります。失敗を恐れず、挑戦を楽しむくらいの心を持つことで、新たな道を切り拓くことができると思います。そのときには会社の同僚や友人、そして家族からのアドバイスをもらうことで、新たな視点やアイディアを得ることができます。キャリアプランを実現するためには、一人で抱え込まずに周囲のサポートを活用することが有効だと思います。