植田寿乃連載『令和を活きる、未来を拓く』第39回　心を浄化し「心眼」を開ければ本心が見える　　　　～心の大掃除をしてから新年を迎えよう～

　11月末に大掃除を終えて（お掃除屋さんが頑張っただけですが）、心の大掃除のために京都へ1週間の旅に出ました。京都には年に数回足を運びますが、年末の今回はお寺が中心です。仁和寺、真正極楽寺 真如堂、金戒光明寺、光明寺（長岡京）、今熊野観音寺、泉湧寺雲龍院、鞍馬寺、東寺と、まさに紅葉まっさかり、インバウンド観光客を避け穴場のお寺を歩きながら、私は今年の1年の自分自身の心に目を向け、不要な感情（欲望、驕り、怒り、嫌悪、蔑み）を捨てていきます。人間力の大切さと伝える講師として自分の心を磨き、体現すると決めて生きていても、波乱万丈いろいろな出来事で喜怒哀楽があり、知らず知らずに、心にゴミやホコリが溜まっていたことに気づきます。最後の東寺で修行の弘法大師像の前では、心が羽が生えたように軽くなり、弘法大師像と自分自身が重なるような感覚を持ちました。
　
★悪縁と断ち切り、ネガティブな感情を捨てる

　師走は、どうしても自分以外の周りに意識がいってしまいます。仕事を片付けたり、家を片付けたりすることには一生懸命やっても、自分自身の1年の体験や心に残っているものに目を向けることが、後まわしになっていませんか？

今年は、自分自身の人生においてどんな1年だったのでしょう？心が動くどんな体験をしたのでしょう？どんな人と思い出ができたのでしょう？感動したこと、嬉しかったこと、楽しかったこと、ショックだったこと、傷ついたこと、腹がたったこと・・・。今の心を占めている感情はどんなものがあるでしょう。その中で、来年に持ち越さずに、今年中に捨ててしまいたいこと、感情はありませんか？

生きていれば、誰しもネガティブな感情を持つことがあります。いろいろな出来事で、怒り、嫌悪、嫉妬、邪念・・・気が付けば心の中に現れます。「離婚した夫より社会的に成功して、見返してやる」「馬鹿にした周りの男性達より私が優れていると証明して、ひざまずかせてやる」20代30代、バリキャリと胸を張っていた私はネガティブ感情で高いモチベーションを維持していました。しかし、ネガティブな感情での高いモチベーションは、ストレスそのものとなり、自分の心身を蝕み、笑顔の幸せな道と真逆な方向へどんどん向かわせます。だからこそ、ネガティブな感情ではなく、ポジティブな感情（愛、喜び、感謝・・・）での高いモチベーションを意識して40代以降、生きてきました。しかし、そうは言ってもお釈迦様みたいにはなれない。人生は苦もあれ、楽もあれの日々修行です。だから、年末に総決算をします。
京都で私が最初に行くのが、実は、安井金比羅宮です。悪縁を切り、良縁を結ぶ神社として有名ですが、人間関係だけでなく全ての悪縁を切ってくれます。縁を切りたい出来事や人、自分の嫌なネガティブな感情とともにここで捨て去ります。心の断捨離です。

★心が浄化されると「心眼」が開く

ネガティブな感情を捨て、お寺をめぐり、如来像、菩薩像、明王像に手を合わせ、仏の言葉に触れていると、心がどんどん浄化され、私の3つ目の「心眼」の曇りが晴れていきます。私が「心眼」に気づいたのは、40歳を過ぎ人財開発業界の講師となり、自分自身の心と深く向き合い、大切にするようになったのと同時期にバリ島のウブドに行った時からです。バリ島のヒンドゥ教の寺院などで第三の眼「サードアイ」というのを知り、自然に納得しました。「心眼」がしっかり開いている状態だと、周りの人の心を敏感に感じ取ることができます。向き合った人の心の色とモチベーション、生きることへのエネルギーも見えたりします。そして、「心眼」が開いた状態だと、何より自分自身を大切にします。大切にするというのは、いつも自分に問いかけるようになります。「私はこれを心からやりたいのか？」自分の心の声、本心を確認します。「心眼」は私たち全員がもっています。それが開いているかどうか？私の心は浄化され、「心眼」が開きました。だから問いかけます。

・今年はどんな素敵な意味を持っていたの？
・どんな気づきがあったの？
・誰に感謝したいの？
・誰を幸せにしたいの？
・来年どう生きたいの？

皆さんも、心の大掃除をしてから、自分の心に問いかけてみませんか、新年を迎えるために。

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