★「貢献」の喜びと「自律」の瞬間からワーク・エンゲージメントはさらに高まる~ ワーク・エンゲージメントを語る・伝える② ~
由美子:カズさんは今どんな所にワーク・エンゲージメントを感じていますか?
和男:若いときは「貢献」ということに対して余り考えたことが無かったけど、 最近よく考えるようになったんだ。これって定年後再雇用の身で、組織から離れる日が近づいてきていることを実感するようになったからかもしれないね。自分の担当作業の引継ぎが現実味を帯びているから、後進のために経験・知識を与え応援するメンターの役割を意識するようになった。そしてね、引継ぎ相手が「私はこうやった方が、やりやすいと思うんですけど・・・」とか言ってくれると、「自分なりに考えているなぁ」、って「成長」を感じられてすごく嬉しい。
由美子:ワーク・エンゲージメントの5つの側面でいうと、若い時は、活力、熱意、没頭がどうしても優先されますよね。でも、今のカズさんは、後進や仲間の成長を応援すること、つまり、貢献に喜びを感じているんですね。
和男:そうだね。そして、人に教えるって自分もすごい勉強になるでしょ。さほど疑問も持たずに今までやっていたことが、引き継ぐ段になって「このやり方、ちょっと待てよ!?」と見直すことがあったり、自分も新しい発見をすることがある。「俺、まだまだやれるじゃん!」って思っちゃうよね。由美ちゃんの今はどう?
由美子:組織から離れる日が近づいているという意味では、カズさんより私の方が先輩なので、私もカウントダウンですよ。65歳まで2年を切っていますから、やはり、この期間で自分に何ができるんだろう、何に貢献できるんだろう、今できることを少しでもやっておこうという気持ちが強くなってきています。でも、自分自身がやりたいことをガンガンやるというよりは、組織としてやることに対して、自分がどこを担えるかとか、これは、この人にやってもらった方が成長するよねとか、そういう思考になってきているような気がします。
和男:ワーク・エンゲージメントの5つの側面の「自律」も大切なキーワードだよね。貢献するには、受け身ではなく、自分自身が今何すればよいかを考えて行動することが大事だから。見守るだけではダメで、自ら自律的な行動を後進のみんなに示すことも忘れちゃいけないよね。
由美子:そうですね。今年の4月から週5日勤務を週3日勤務に変更したので、この3日間がギュッと詰まっているんです。あれやって、これやってと、とにかく、色々なことを進めたい感じです。短いスパンで、来年の3月までには、これをやっておけば、次に来る人の役に立つというようなものが残せるなという思いが募ってきています。
和男:時間に制限があると、目的に向かってそれまでにやり遂げようと思うものね。由美ちゃんの今の状態って、ワーク・エンゲージメントでいう、活力、熱意、没頭の側面も大きくなってきてるんじゃないかな。そんな風に感じるよ。
ところで、週3日勤務にしようと思ったきっかけは何だったの?
由美子:はい、定年と同時にQueの講師の勧誘があり、この2年間カズさんと一緒に頑張ってきました。週5日勤務なので、基本、土日に講師の仕事の準備をして、実際の講師やキャリアコンサルタントの仕事は平日になります。決して、余裕がある働き方とは言えなかったです。今年からは、軸足をキャリアコンサルタントに徐々に移していきたいという思いもあり、週3日にしたんですよ。自分から組織を離れる準備です。自分で自分の人生を切り拓いていく、まさに「自律」を体感しています。
和男:70歳までの雇用延長が努力義務となっているけど、まだまだ65歳までの会社が多いからね。由美ちゃんはもう65歳以降の働き方を見据えているんだね。次回は会社以外の仕事のワーク・エンゲージメントについて、語っていこうか。
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