手術note09 腹腔内停留精巣の摘出

※ この記事は小動物医療関係者向けです。

1歳半の雑種犬さんが両側の腹腔内停留精巣で摘出手術を行うことになりました。

手術前にエコーで確認すると膀胱の側方やや頭側よりに左右の精巣が確認されました。

術式  :腹腔内停留精巣摘出
手術時間:23分
麻酔時間:53分

陰茎側方の皮膚を傍正中切開で腹壁へアプローチし、正中で開腹しました。

事前にエコーで確認していた位置を探索して精巣を確認し、定法通りに結紮と離断して精巣を摘出しました。

摘出後は定法通りに閉腹、閉創しました。

ポイント💡 腹腔内精巣の見つけかた

ときどき「腹腔内精巣が見つからない」という話を聞いたりします。
そこで見つけかたのポイントをご紹介します。
ポイントは主に2つです。

1️⃣ 事前にエコーで場所を確認しておく
通常は膀胱の周囲にありますので、事前にエコーで確認した場所を開腹時に探せばすぐに見つかることが多いです。

2️⃣ 前立腺から精管をたどる
エコーで確認できなかったり、確認したはずなのにその場所になかったりする場合は、前立腺から連続している精管をたどります。
精巣には精管が必ず繋がっており、それは前立腺から始まっていますので、前立腺から精管をたどれば基本的に必ず精巣は見つかります。
注意)精管は膀胱の近くで尿管と近接しているので、精管と尿管を取り違えないように注意します。

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