マルチタスク社員のためのto do 管理論:quantum社員の場合
こんにちは。quantumのventure architectの萩野格です。
quantumのnoteでは、quantumのメンバーがスタートアップスタジオとして日々新規事業に取り組む中で挑戦したり実践したりしていることをベースに、みなさんの仕事のお役に立ちそうなことや、あたらしい働き方のヒントになりそうなことを発信しています。
今回のトピックは、個人としてもまだちゃんとした方法論が確立できていない、日々の「タスクの管理」についてです。
話を聞いたのは、共に子育てをしながら日々業務に励む、chief engineer/venture architectの志和敏之さんと、chief venture architectの佐々木亜衣さん。
quantum歴もかなり長い二人の話から見えてきたのは、どちらも大切な子育てと仕事をきちんと両立させるための、「割り切った」タスク管理でした。
2人のタスク管理方法や仕事におけるマイルールが参考になるかどうかは、みなさんの業種・業態・関わるプロジェクトによって向き・不向きがあるとは思いますが、これまでの経験を今のライフステージにうまく反映していて非常に興味深い話となったquantum社員2人のタスク管理に関するインタビューを、ぜひ最後までお楽しみください。
<今回話を聞いた2人のプロフィール>
佐々木亜衣
外資系広告会社にてクライアントのマーケティング活動の支援を行なったのち、株式会社TBWA HAKUHODOにおいて新規事業開発に取り組み、quantumの前身となる組織の立ち上げを行う。
quantum設立後は主に自社IoT開発事業に取り組み、アイディア開発やビジネスモデル開発から、プロトタイプ開発&検証、生産パートナー探索、販路開拓、ブランディングやPR活動まで、新規ビジネス開発におけるすべての活動を推進。
その後、Panasonic AIS社の技術起点での事業開発プロジェクト他、ヘルスケア領域でのサービス開発、Z世代・ミレニアル世代向けの製品開発など様々なプロジェクトをリードしてきた。
志和敏之
メーカーで6年間ノートPCの設計業務に従事した後、2014年よりquantumに参加。
専門はファームウェア。主にハードウェアを使う実証実験や新規事業などのプロジェクトにて、 quantumの技術担当として参画している。
現在は、自社製品 QM weather.や、人体通信技術によるコミュニケーションサービス「HiT」などのプロジェクトを主導。
【業務でのto do管理】
ーー早速ですが、お二人とも普段のto do管理はどうされていますか?どのようなツールを使っていますか?
佐々木:
私は、これまでいろいろなツールをトライしてきましたが、子育てと仕事の両立を行う中で、ツールの管理自体が追いつかず、、、「タスクを考える時間」ももったいないと感じるようになりました。たどり着いたのが、オンラインのカレンダー単独での管理です。
「やる時間を確保すれば、その時間にやるだろう」という考え方に基づいて、タスクが発生した時点でそのタスクを行う時間をオンラインのカレンダー上に確保する、というやり方をとっています。
佐々木さんのとある1日のスケジュール。打ち合わせ・作業時間がびっしり。
志和:
私も特別なツールを用いてるわけではないのですが、クラウド上ののメモと「心のto doリスト」を組み合わせてタスク管理をしています。
ーー「心のto do リスト」!?
志和:
文字通り、心の中でタスクを管理しています。ただ、時々忘れてしまうこともあるので、PCで案件ごとにラベルを作ってメモを作成してその内容を見返すことで、案件が増えて忙しい時などに漏れがないように気をつけています。
佐々木:
「心のto doリスト」はわかります。(笑)私の場合も、発生したタスクを実際におこなうスケジュールを確保する際に、カレンダーには「経費精算」と記入し「〇〇に関する経費生産」の〇〇の部分は心の中で覚えておきますね。
【プライベートの予定管理】
ーーお二人ともquantumで常に複数の案件に携わり、なおかつ小さなお子さんを育てている真っ最中ですが、プライベートの予定の管理や、家族への仕事の時間帯の共有などはどのようにしていますか?
志和:
私が携わっている「HiT」の事業で婚活パーティのお手伝いをするようになって、昨年から土日の仕事の予定が増えてきました。その流れで仕事の予定をスムーズに共有できる方法を探った結果、Googleカレンダーでお互いの予定を共有するようになりました。もしかすると、家族でオンラインのカレンダー共有をやっているという方も多いかもしれません。
ただ、COVID-19の前後でそのやり方も少し変わってきました。COVID-19の影響でリモートワークが増えたことで、良くも悪くもオンライン上での予定管理がなあなあになり、平日週末問わずに自宅でプランニングせざるを得ないケースも多くなっていて、当日の朝などに妻に対面で「来週は仕事が落ち着いているよ」とか、「今日は夜仕事で遅くなりそう」など直接伝えるようになりました。
お互いが家庭用のGoogleカレンダーに入れるルールにしていても、お互い認識しているつもりの大事な予定に限ってうっかり忘れたりしてすれ違うリスクがあるので、結果としてやっぱり対面でスケジュールの最終確認をする方法で今のところうまくいっています。
佐々木:
私の家族の場合も、夫のカレンダーが私個人のオンラインカレンダーに共有されていて、私も家族に不在を伝えておく必要のある予定は夫のカレンダーに入れておくようにしています。
ーープライベートや仕事で緊急事態が起こった時のリカバリーはどうしていますか?
佐々木:
幸いなことに、夫が出社しなくても大丈夫な働き方をしてるので、緊急事態が起こった時はかなり頼りにさせてもらっています。
志和:
仕事や子供のことで緊急事態が起こってしまうことは少なくないですよね。そして妻には怒られてしまうのですが、私も人間なので(笑)、予定を忘れてしまうことも。その時は「Give & Take」の精神でお互いに補完しあってます。前に起きた急な仕事の予定を奥さんにカバーしてもらったら、今度は奥さんの緊急事態の時に、自分が仕事を早く終わらせて子供の面倒を見る、という具合です。
業務では心のto doリストと、クラウド上のメモ(思い切り業務メモだったので内容をお見せできないのが残念ですが)を活用するという志和さん。
【仕事のマイルール・マイアイテム】
ーータスクを行う時間を確保していたとしても、複数のプロジェクトを並行して回していると途中で別の連絡が入ったりすることもあると思います。ご自身の中で、業務を行う上での自分なりのルールや、仕事とプライベートのスイッチを切り替える方法があったら教えてください。
佐々木:
子供が生まれてから意識しているのは、「集中して、早く終わらせること」です。前職の広告代理店にいた時は「長い時間を使って考える」タイプでしたが、子供が生まれて家庭の時間をある程度確保しないといけなくなった時に、いかに短時間で集中して高いアウトプットを出せるかを重視するようになりました。
昔は長く考えて「120%の結果」を出そうとしていたのが、今では限られた時間内で複数のプロジェクトを同時並行で進めるために、短い時間内でいかに100%のアウトプットを出すかにこだわっています。
以前は次の予定まで5分あれば「ゆっくりできる〜」と思ってダラっとしてしまっていましたが、今は「5分もあれば資料が〇ページ作れる」という思考に変わりました。
志和:
作業中に返す連絡は、すぐに返す時もあればまとめて返信することもあるのですが、作業でノッっている時はSONOS(ワイヤレススピーカー)で音楽をかけて集中力を高めています。
あとはタスク管理とは少し違いますが、<CamScanner>という、ホワイトボードを撮影すると見やすく補正してくれるアプリを使ってワークショップの内容やホワイトボードへの書き込みを効率的にデータ化しています。
佐々木:
私もしばらく前から、思い切ってデータの作成をGoogleドライブ1ヵ所 (スライド、スプレッドシート、ドキュメント ...etc)に集約するようになりました。膨大な資料の中から、必要なデータを検索できるのはとても助かっています。
志和さん愛用のSONOS。収納や持ち運びもやりやすそうです。
【おわりに。】
ーー子育てに仕事に、非常に多忙なお二人は、中長期でのto do管理(例えば、人生のこのタイミングでこれを成し遂げたい)はどうされていますか?
志和:
私の場合は、ちょうどいま、それをどういう方法でやろうか考えているところです。副業でお手伝いしているプロダクト(quantumは申請をすれば副業OK。その話はまたいずれ。)も徐々に面白くなっていて、プライベートでやりたいこともたくさんあるのですが、計画的に実現できていないのが現状ではあります。
佐々木:
私も旅行などの行きたい場所をクラウド上にリストにまとめておいたり、ある程度の管理はしているつもりなのですが、「人生の目標管理」ということでいうとしっかりとはできていなくて、実は最近コーチングを受けているところだったりします。
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quantumのような小さくて自由度の高い組織においては、上司や先輩から強制的に管理されたり、監視されたりすることがほとんどありません。その分、各自が自分のやるべきことをやるのが当たり前。やらなくても誰も怒ってくれない、すべてのしっぺ返しは自分に帰ってくる、というのはある意味厳しい環境でもあります。
そんな環境で、常に複数の事業開発プロジェクトを回しながら経験を積み重ねてきたお二人だからこそ、quantumの仕事と家庭の両立はもちろん、さらには副業や、未来の自分への投資まですべてをしっかり回していくために、仕事に対する集中力を発揮するタイミングやコツを心得ているんだろうなと、改めて感じたインタビューでした。
時には自分の仕事全体を俯瞰して様々なカウンターパートとやりとりし必要な連絡を済ませたり、時には目の前の一個の作業を圧倒的な集中力で終わらせる。そんな仕事の緩急のつけ方を自分なりに見つけていくのが必要だと感じました。
今回の2人の方法をみなさんがそのまま取り入れられるとは限られませんが、自分なりの仕事の緩急をつける方法や習慣、ツールを見つけられると、タスク管理や仕事の進め方がスムーズになるかもしれません。
今回は2人のメンバーのタスク管理についてお届けしましたが、職種や職歴が変われば、きっとタスク管理の方法も違うはず。今後も、quantumのメンバーが行っているタスクの管理方法や、仕事の進め方、そのヒントなどを探っていければと思っています。
quantumの提供サービスや展開する事業に関する情報はこちらからどうぞ。
<筆者プロフィール>
萩野 格 | Itaru Hagino
2019年からスタートアップスタジオquantumにventure architectとして所属し、企業の新規事業開発支援などを担当。2020年後半は山登りの瞑想的な効果にハマり、2ヶ月で4つの山に登っています。登山などの日常を写真で記録中。