💟第29話 日月の滝を発見－国土に秘められた祓いの原理

🟡阿波の鳴門なるとに速開都比咩はやあきつひめを霊感

昭和5年（1930年）10月、土佐の深山「仏岳山」を出山しての帰途、船で阿波の鳴門なるとを通過中、新仙人・三浦芳聖は、荒潮あらしおの潮の八百路やおじの八潮路やしおじの潮の八百会やおあいにます、速開都比咩はやあきつひめを霊感し、ひとりでに、

荒潮あらしおの　潮の八百路やおじの　八潮路やしおじの　潮の八百会やおえに　立てる我かも

という和歌が出来ました。これは、渥美勝先生の次の和歌の本歌取りであります。

荒潮あらしおの　潮の八百路やおじの　八潮路やしおじの　潮の八百会やおえに　立てる此国このくに

阿波の鳴門

🟡加古川河口に瀬織津比賣せおりつひめを霊感

神仙道の允可いんかを得て帰宅した芳聖は、昭和5年（1930年）秋、名古屋市中区（現在は昭和区）御器所ごきそ町字中屋敷12番地に居を定め、神道の祭祀に打ち込む傍かたわら「大日本会本部」の看板を掛け、再び同志を糾合きゅうごうし皇国維新運動に邁進まいしんしていました。

昭和6年（1931年）2月11日、芳聖が、所用で九州へ出張したときのことです。芳聖は山陽本線・加古川鉄橋の上で、加古川河口に「瀬織津比賣せおりつひめ」を霊感し、加古川の上流に高貴な滝があるに違いないと直感したのです。

山陽本線・加古川鉄橋（ 兵庫県高砂市高砂町）

🟡闘龍灘とうりゅうなだに小戸おどの阿波岐原あわぎはらを霊感

そこで芳聖は、九州からの帰途、山陽本線「加古川駅」で下車して、国鉄「播但線ばんたんせん」を北上し、兵庫県加東市滝野町の「闘龍灘とうりゅうなだ」の景勝地けいしょうちに、「小戸おどの阿波岐原あわぎはら」を霊感したのです。

小戸おどの阿波岐原あわぎはらとは、祓詞 はらえことばに出ている伊邪那岐いざなぎの大神が禊祓みそぎはらいをした場所の事です。

兵庫県加東市滝野町「闘龍灘」

芳聖は播但ばんたん線「滝駅」で下車し、闘龍灘とうりゅうなだの川幅の狭くなっている所で寒中禊祓みそぎはらいをし、ここを小戸おどの阿波岐原あわぎはらと命名し、その日は近くの宿屋で一泊しました。

兵庫県加東市滝野町「闘龍灘」

🟡千ヶ峰せんがみね中腹に日月にちげつの滝を発見

芳聖は翌日、更に播但線ばんたんせんを北上して、兵庫県多可郡多可町加美区岩座神いさりがみの千ヶ峰せんがみね中腹に、

「高山たかやまの末すえ短山ひきやまの末すえより、佐久那太理さくなだりに、落ち滝たぎつ」

の禊祓みそぎはらいに最適の滝を発見したのです。

禊の滝（兵庫県多可郡多可町加美区岩座神）

この日は、さすがに寒中であり、この滝にはツララが張っていました。この滝は、三段になっていて、地元では禊みそぎの滝と呼ばれています。

兵庫県多可郡多可町加美区岩座神（地図マピオン）

この禊みそぎの滝は、快晴の日は、瀬戸内海と太平洋が見える場所にあるので芳聖は、「日月にちげつの滝」と命名しました。

この日月の滝は、芳聖が昭和6年(1931年)2月に発見以来、昭和24年(1949年)末までに、68回にわたって参篭・禊祓いの水行を敢行した重要な修行地であります。

芳聖は、日月の滝は、本来、高貴な霊性の人専用に設けられた滝で、普通の人は単独では入れない滝であると述べています。（現在の状況は不明）

🟡国土に秘められた祓はらいの原理

芳聖は、この「日月の滝」から加古川中流にある「闘龍灘」を中継地点として瀬戸内海の「阿波の鳴門」に至る地形は、

丁度大祓詞おおはらえのことばの後半に出ている祝詞のりとが具象化したような地形であり、そこに「大祓いの原理」が秘められているので、日月の滝での禊祓みそぎはらいは霊性向上に非常に効果が大きいと述べています。

大祓詞（おおはらえのことば）
（前略）高山たかやまの末短山ひきやまの末より、佐久那太理さくなだりに落ち多支たぎつ速川はやかわの瀬に坐ます、瀬織津比咩せおりつひめと云う神、大海原おおわだのはらに持ち出でなむ。如此かく持ち出で往いなば、荒潮あらしおの潮の八百道やおじの、八潮道やしおじの潮の八百会やおあいに坐ます速開都比咩はやあきつひめと云ふ神、持ち可可呑かかのみてむ。如此かく可可呑かかのみてば、気吹戸主いぶきどぬしと云う神、根の国・底の国に気吹放いぶきはなちてむ。如此かく気吹放いぶきはなちてば、根の国・底の国に坐ます速佐須良比咩はやさすらひめと云う神、持ち佐須良比さすらい失いてむ・・・（後略）。

🟢日月の滝（禊の滝）兵庫県多可町岩座神
　高山の末短山の末より佐久那太理に落ち多岐つ

日月の滝（禊の滝）兵庫県多可町岩座神

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🟢加古川上流（瀬織津姫）
　速川の瀬に坐す瀬織津比売と云う神大海原に持ち出でなむ
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🟢加古川下流（闘龍灘＝小戸の阿波岐原）
　小戸《おど》の阿波岐原あわぎはらに禊みそぎ祓はらえ給いし時に生なり坐ませる祓戸はらえどの大神たち

兵庫県加東市滝野町「闘龍灘」

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🟢瀬戸内海（阿波の鳴門）

阿波の鳴門

🟣速開都比売（はやあきつひめ）
　此く持ち出で往なば荒潮の潮の八百道の八潮道の潮の八百会に坐す速開都比売と云う神持ち加加呑みてむ
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🟣気吹戸主神（いぶきどぬしのかみ）
　此く加加呑みてば気吹戸に坐す気吹戸主と云う神根国底国に気吹き放ちてむ
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🟣速佐須良比売（はやさすらひめ）
　此く気吹き放ちてば根国底国に坐す速佐須良比売と云う神持ち佐須良い失いてむ

昭和10年（1935年）発行の、滝川宗勝著『勅語信仰の体験』（廣文堂書店）の第21章「伊弉諾尊いざなぎのみことは播州ばんしゅう加古川の流域に於て禊祓みそぎはらいを遊ばされたり」で、芳聖が霊感で覚ったと同じ内容の事が、古事記や日本書紀、旧事記くじき、播磨風土記はりまふどきなどの文献を用いて、詳細に考察されています。

💖我が国土に秘められている祓いの原理に気がついた先人が「祝詞に表現した」と云うべきかもしれませんね。まさに日本は神国です！

💝日月の滝と命名された禊みそぎの滝は、大御神が最愛の御子のために御子教導計画に組み入れた修行地です。この件は、西山聖地発見の記事で明らかになります。

💟天照大御神の御子教導計画に基づく神謀援慮しんぼうえんりょにより、巷ちまたの仙人となった芳聖は、皇国維新運動に邁進まいしん中、日月の滝から阿波の鳴門に到る地形に、大祓いの原理が秘められている事を発見したのです。

💟第30話 芳聖の結婚（１）親友の妹との奇妙な縁談
🟢天照大御神の子育て 御子 三浦芳聖 の教導録