大きな窓のある白い部屋
大きな窓のある白い部屋に帰ると昔の恋人が荷物を整頓している。
その横にもう一人私に似た人もいて、シーツにくるまってその様子を眺めている。
私は「来てたの」聞くと「近くに来たから元気かなと思って」と答える。「出ていくの」と聞くと「目的地のある人は強いね」と微かに笑って私を抱きしめて、また荷物に目を向ける。
その瞬間、シーツの中の人は私だと気づいて、この部屋にはもう誰も居てはいけないと強く思った。私はそこに丸まる私をシーツごと引っ張って、すべてを置いて部屋を出た。
外は真夜中