短歌7首連作 酸化街(鳥居萌)
八時間/日〈フルタイム〉で寿命を売る契約をした 人間〈ひと〉をやるにはこうする他なく
小雨でも傘さしていく職場には濡れてる人はいらないという
同僚を残して帰るときわれも悪魔のひとりであるかもしれず
バカにされても気づかないふりをしろ自我を土曜で支え続けろ
見上げると星は針穴 外側はきっとなんにもなくてまぶしい
猛毒の酸素を吸ってはいと言うシーラカンスが出ていった海
この先で傘は必要なくなってただのひとりで夕焼けを見る
※〈〉内はルビ
鳥居萌
2017年は一発当てる。(2019年注:当たりませんでした)
この連作は2017年1月に公開されたネットプリントQuaijiu Vol.1の再録です。
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