社会人になった時、私は家のリビングでパソコンを見つめていた。 オンライン入社式のために正装をして、化粧をして、髪の毛を整えた。 昨日と大して見た目は変わってないくせに、昨日までの学生の肩書きが外されてしまい、そのまま何も与えられないような気がした。 そのくせに会社という肩書だけはどっしりと乗っかった。 SNSを更新しなくなる先輩たちを見て驚いていたが、こういうことだったのかと思った。 くだらないこと以外何も言えない言ってはいけないいつ誰から刺されるかわからない。 会社の同期
本当に、当たり前だった。 今が苦しくなるくらいには。 彼女は昔から不思議な人だ。女子が普通興味のある服装のおしゃれや流行には全く興味が無い。基本的に一年中ジーンズとスニーカーをはき、Tシャツは某有名安価衣服店の無地な色のものばかりだ。それでもジーンズが少し足りないほど彼女の脚は長くて真っ直ぐなので、地味すぎて都会に埋もれてしまうどころか度々彼女を振り返ってみる人がいるくらいである。小さい時に一回「なんでいつもジーパンなの?」と彼女に尋ねたことがあるが「うーん。家にたくさんあ
ぶつかった、と思ったら隣のサラリーマンの肘だった。眠たい目をこすって横に視線をやると、彼はタブレット端末上のオンラインゲームに夢中だった。満員電車で疲れた表情を浮かべる周りには目もくれず、激しい色の液晶を連打している。私はもう一度座席に座り直して、鞄を抱えた。さっきまで寝ていたからか、頭がぼうっとする。向かい側に座っている女子高生はにこやかにスマホをいじり、彼女の隣に座る中年男性は英会話のテキストを読み込んでいる。周りなんて関係なく自分の世界につかっている彼らは、羨ましくもあ
-------------------------------------------------------------- 星野源さんの「うちで踊ろう」という曲に感化されて、書きました。 この曲のおかげで前向きな気持ちが少し戻りました。この事態がいち早く収束することを、気兼ねなく「いつ会える?」と友人にLINEが送れる日が来ることを、心から祈ります。 ------------------------------------------------------------